「GeForce 556.12 Driver」リリース。「The First Descendant」など新作に対応

The First Descendant

　米国時間2024年6月27日，NVIDIAは，公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 556.12 Driver」をリリースした。WHQL（Windows Hardware Quality Labs，ウィクル）通過版となる本バージョンは，7月2日にリリースされる基本プレイ無料の新作TPS「The First Descendant」に対応するドライバだ。

　本作はUnreal Engine 5で制作されており，NVIDIAによると超解像技術「DLSS 2，3」に対応するほか，AIを使用してレイの再構成を行いレイトレーシングの高速化と高品質化を行う「DLSS 3.5」にも対応しているという。
　The First Descendantでは，探索や戦闘中のグラフィックスに，レイトレーシングを用いた反射やシャドウ，アンビエントオクルージョンを使用しているとのこと。キャラクタが着用しているアーマーやガラス，水などのリアルな反射が表現されているほか，レイトレーシングベースのアンビエントオクルージョンにより，全体の陰影がリアルになりディティールが向上しているそうだ。DLSS 3.5に対応するGeForce RTX 40/30シリーズならば，これらの高品質なグラフィックスを高いフレームレートで楽しめると，NVIDIAは謳っている。


　さらにThe First Descendantは，NVIDIA独自の内部遅延低減技術「Reflex」にも対応。Reflexを有効化することで，GeForceシリーズのユーザーは，ゲームプレイ時の反応速度が向上するそうだ。

　そのほかにもゲーム関連では，6月21日に配信された「PAYDAY 3」の「Update #18」に含まれる超解像技術DLSS 3対応がGeForce 556.12 Driverで行われている。NVIDIAによると4K解像度でグラフィックス品質を最高にした場合，DLSS 3の利用によってフレームレートが最大2倍に達するとのこと。
　その結果，「GeForce RTX 4070」ではフレームレートが120fps以上に，「GeForce RTX 4090」では実に235fpsに達するそうだ。また，2560×1440ドットや1920×1080ドットでは，DLSS 3により1.5倍のフレームレートが得られるために，すべてのGeForce RTX 40シリーズで快適なプレイが可能と，NVIDIAはアピールしている。

PAYDAY 3でDLSS 3の有効と無効を切り替えた場合のフレームレート比較グラフ

　なお，ドライバとは直接的な関係はないが，6月後半にNVIDIAのドライバダウンロードページがリニューアルされた。ただ，リニューアル前から生じていた，OSに「Windows 11」を，言語として日本語を選択すると，GPUによってはドライバが見つからないエラーが表示される現象が，依然として発生することがある。
　知っている人も多いと思うが，64bit版Windows 10とWindows 11は同じドライバパッケージが使用されているので，エラーが表示されたらOSに「Windows 10 64-bit」を選択することで，問題なくダウンロードできる。GeForceユーザーは心に留めておくといいだろう。

　ドライバのアップデートは自己責任となる点を理解してもらったうえで，すぐにでも入手したい人は，以下に示したリンクかGeForce ExperienceもしくはNVIDIAアプリのアップデート機能を利用してほしい。

→Windows 11・64bit版Windows 10用GeForce 556.12 Driver（659.28 MB）
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/228219/
→ノートPC向けのWindows 11・64bit版Windows 10用GeForce 556.12 Driver（659.28 MB）
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/228251/


●GeForce 556.12 Driverの対応製品

• デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
• NVIDIA TITAN RTX
• NVIDIA TITAN V
• NVIDIA TITAN Xp
• NVIDIA TITAN Xシリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
• デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
• ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
• ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
• ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ

●GeForce 556.12 Driverが統合するソフト（※比較対象はGeForce 555.99 Driver）

• GeForce Experience：3.28.0.417（←3.28.0.412）
• HD Audio Driver：1.4.0.1
• PhysX System Software：9.23.1019
• CUDA：12.5
• NVIDIA Control Panel（DCH）：8.1.966.0

●GeForce 556.12 Driverの新要素

• 「The First Descendant」に対応
• 「PAYDAY 3」の「UPDATE #18」に対応
• GeForce ExperienceおよびNVIDIAアプリの最適化に4タイトルを追加

●GeForce 556.12 Driverで解決した問題

• Version 555台のドライバにおいて，「The Last of Us Part I」で「Out of Memory」のエラーが発生することのあった問題
• GeForce 555.99 Driverにおいて，「Halo Infinite」が初期ロード画面でクラッシュすることのあった問題
• Version 555台のドライバにおいて，「VALORANT」のプレイ中にゲーム内情報表示にある遅延の値が高く表示されることのあった問題
• ノートPCにおいて，ゲーマー向けコミュニケーションソフト「Overwolf」が動作しているとき，MUX Switch（※一部ゲーマー向けノートに搭載されているディスプレイ出力先を切り替えるスイッチ）がブロックされることのあった問題

●GeForce 556.12 Driverにおける既知の不具合

• NVENCにおいて，10bitエンコーディング時にビットレートと品質の設定が無視されることがある
• GeForce Experienceのオーバーレイ表示のうち，GPU情報の更新が止まることがある