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「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
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印刷2015/10/31 05:00

レビュー

Mamba初のワイヤード専用モデルは,さすがの完成度だった

Razer Mamba Tournament Edition

Text by BRZRK


Razer Mamba Tournament Edition
メーカー:Razer
問い合わせ先:MSY(販売代理店)
実勢価格:1万2500〜1万4000円程度(※税込,2015年10月31日現在)
画像集 No.002のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
 最近のRazerは,ことマウスにおいては「あるモデルが人気を集めた場合,形状を(ほぼ)そのままに,スペックを引き上げていく」という,リニューアル戦略とでも呼ぶべきやり方を徹底している。ワイヤード&ワイヤレス両対応のマウスとして2009年に登場し,2011年にリニューアルされた「Razer Mamba」が,2015年になって,ワイヤード&ワイヤレス両対応と,ワイヤード専用の2モデルで再リニューアルされたのは,直近の分かりやすい例だといえるだろう。

 Razer Mambaはその価格設定的に,Razerのフラグシップモデルとして扱われることが多いのだが,その最新モデルは何がポイントになっているのか。今回は,シリーズ初のワイヤード専用モデルとなる「Razer Mamba Tournament Edition」(以下,Mamba TE)を入手できたので,細かくチェックしてみたい。


大枠は「従来モデルと同じ」だが,ボタン配置とグリップ感が変わったMamba TE


画像集 No.003のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
 Mamba TEの主なスペックは下にまとめたとおりで,搭載するセンサーは最大トラッキング速度210IPS,最大加速度50G,リフトオフディスタンス0.1mmというスペックの「16000 DPI 5G Laser Sensor」とされている。並んでいる数字は,さすがフラグシップモデルといったところか。

●Mamba TEの主なスペック
  • 基本仕様:レーザーセンサー搭載ワイヤードタイプ
  • ボタン数:9(左右メイン,センタークリックおよび左右チルト機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×2,左サイド×2)
  • 最大トラッキング速度:210IPS(≒5.33m/s)
  • 最大加速度:50G
  • 画像処理能力:未公開
  • フレームレート:未公開
  • DPI設定:100〜16000DPI(50DPI刻み ※筆者が確認)
  • ポーリングレート(USBレポートレート):125/500/1000Hz
  • データ転送フォーマット:未公開
  • 本体実測サイズ:70(W)×128(D)×42.5(H)mm
  • 本体実測重量:約133g(※ケーブル含む),約97g(※ケーブル抜き)
  • マウスソール:未公開
  • ケーブル長:約2.1m
  • 対応OS:Windows 8・7・Vista・XP,Mac OS X 10.8〜10.10
  • 製品保証:1年間

画像集 No.004のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
 オリジナルのRazer Mambaから,「Razer Mamba 2012」へリニューアルされたとき,外観は完全に同じだった。それに対して今回のMamba TEでは,基本形状こそ変わらないながらも,ボタン周りには大きな変更が入っている。
 外観上の最も大きな違いは,これまで左サイドボタンの外側に2個並んでいたサブ的なボタンが省略され,代わりに,スクロールホイールの手前側へ2個追加されたように見えること。ただ,上のスペック一覧でも示してあるとおり,スクロールホイールにチルト機能が追加されているので,どちらかといえば,従来モデルで左サイドボタンの外側にあるボタンを使っていた人のためにチルトを用意したうえで,DPI変更用のボタンを新規に追加してきた,と理解したほうがいいかもしれない。

画像集 No.005のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
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 そのスクロールホイールは,幅が実測約8mmで,中央部の6mm分がラバーで覆われている。実測約1mm間隔で縦2mm幅1mmの突起が配置されており,指先であまり力を入れずとも操作でき,スクロールホイールの操作性向上に役立っているのを体感できた。
 ホイール回転時のノッチは指先でわずかな感触が得られる程度と控えめで,音がカチカチ鳴ったりはしない仕様だ。

 なお,左サイドボタンは奥側(=メインボタン側)が長さ実測約18mmで幅約8mm。手前側(=後ろ側)は長さ約20mmで幅約8mmだった。「手前側のボタンのほうが若干長い」という事実そのものは従来モデルから変わっていないが,本体左側の側面に大きめの滑り止めシートを搭載する関係もあってか,サイドボタンの形状には変更が入っている。

4Gamerの比較用リファレンスマウスである「Gaming Mouse G500」と並べてみたところ。Mamba TEのほうが若干小ぶりだった。「大型マウスとしては小さめ」といった感じか
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「照明」タブから,LEDイルミネーションの設定を行える。なお,Synapse自体の説明は後述
画像集 No.010のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
CHROMAコンフィグレーター(※サムネイルをクリックすると全体を表示します)。やや使いづらいが,光り方を細かく設定できる
画像集 No.011のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
LEDの色をすべて変えたうえで,本体右手前側から見たところ。白に設定しているスクロールホイール&Razerロゴ部が紫がかっていて,この点は残念だが,七色に指定した側面の色合いはよい
 ボタン配置以外では,最近のRazer製マウスらしい「Chroma」(クローマ)仕様になっているのがトピックだろうか。ここまで掲載してきた写真でも分かるように,上面カバーと側面カバーの間のところにラインが入り,そこと,スクロールホイールおよびRazerロゴが光るようになっている。

 その設定は,Razer製品用の統合ツール「Razer Synapse 2.0(以下,Synapse)に用意された「CHROMAコンフィグレーター」から変更できる。両サイドは各7ブロックに分かれ,さらにスクロールホイールとRazerロゴにも異なる色を設定できるため,合計で7711の16か所を指定可能な計算だ。

 問題……というか,気になったのは,工場出荷時のLED発光ギミックで,下に示したムービーのとおり,色がうねうねと切り替わり続けるのだ。マウスから手を離して別の作業をやっているときなどは,正直やかましいレベルなので,CHROMAコンフィグレーターを使って常時点灯にするなり,イルミネーションを無効化するなりしたほうがいいと思う。
 今の時代,別にLEDイルミネーションが悪いとは言わないが,いくらデモモードとはいえ,自己主張が激しすぎるのもどうなのだろうか。


画像集 No.013のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
 なお,ケーブルはRazer製マウスでお馴染みとなる布巻きタイプ。太さは約3mmある。
 ケーブル自体は,これまたRazer製マウスのそれらしく,あまり固くないのだが,梱包時に折り曲げられた部分のクセがなかなか頑固で,馴染むまで1週間ほどかかった。


定評ある形状ゆえ,どの持ち方でも破綻のないMamba 2012


 というわけで,形状はそのままに,ボタンの配置と滑り止め機構の変化が新型のポイントということになるが,実際に握ってみた印象を,以下,写真とキャプションでまとめてみた。

画像集 No.039のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
「つまみ持ち」の例。親指の位置が手前側になるため,サイドボタンへのアクセスに若干の難はあるものの,親指をサイドボタンの直下に置くことで解決できる
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「つかみ持ち」の例。とくにこれといった問題点もなく快適に操作できた
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「かぶせ持ち」の例。小指と薬指を立たせても寝かせても,違和感を覚えることなく配置できるのはグッドだ
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筆者独自の“カスタム版かぶせ”的な「BRZRK持ち」の例。気持ち本体奥側に指を配置する感じにすると,がっちりホールドでき,快適に操作できる

メインボタンは若干の凹みがあり,指を自然とこの凹んだところへ配置できるようになっている
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 端的にまとめると,どの持ち方でも快適に扱える。Razer Mambaシリーズはもともと手に馴染みやすい形状という印象を筆者は持っており,世界市場における評価も同様だが,その形状自体は変わっていないのだから,妥当な結果と言える。
 付け足すとすれば,本体両側面の滑り止めによって,どの握り方であってもグリップが増し,より自然に操作できるようなったことが挙げられるだろうか。

両側面に貼られた大きめのラバーによって,親指と薬指小指でしっかりとホールドできる。端的に述べて持ちやすい
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Synapseはいつもどおりだが,ともあれセンサーキャリブレーションは必須


 Mamba TEはWindowsのクラスドライバでも動作する,いわゆるドライバレス仕様のマウスだが,本稿の序盤でも触れたとおり,統合ソフトウェアであるSynapseを導入すると,さまざまなカスタマイズを行えるようになる。

 さて,Synapseを導入したPCにMamba TEを接続すると,自動で認識が行われる。入手したMamba TEの状態によっては,このタイミングでファームウェアの更新が入ることもあるが,ともあれ,使えるようになるまでの間に,何か特別なハードルがあるわけではない。

Mamba TEを認識した状態のSynapse。初回起動時には「マウス」の「カスタマイズ」タブが選択されている
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パフォーマンスタブ。現在,ゲーマー向けマウスのほとんどは標準のポーリングレートが1000Hzだが,Mamba TEはコンサバな500Hz設定がデフォルトになっている。1000Hzで使いたいときは,ここの設定も忘れないようにしよう
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 「マウス」以下では,「カスタマイズ」でボタンの割り当て,「パフォーマンス」ではセンサーのDPI設定や加速の有無といったセンサー関連の設定を行える。序盤で紹介した照明タブの内容ともども,設定内容はプロファイルとして複数保存しておいて,さらに,アプリケーションの実行ファイルを登録すれば,当該アプリケーションの起動に合わせて自動的に切り替わるよう設定することもできる。
 気になったのは,DPI設定が50刻みだったことだ。9月11日掲載のニュース記事にもあるとおり,Razerの販売代理店であるMSYは,Mamba TEのDPI設定が1刻みだとしているのだが,筆者の環境ではどうやっても1刻みにならなかったので,この点はお伝えしておきたい。

較正タブを開いた状態。Razerのマウスパッドを持っているなら,「表面識別較正の有効化」,続いて「Razerマット」の横にあるボックスにチェックを入れる。それ以外のマウスパッドを使う場合は「その他」にチェックを入れよう
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 「較正」タブは,Mamba TEのセンサー出力を,使用中のマウスパッドに合わせて最適化するための項目で,ある意味,最も重要なタブだと言っていい。
 Razer製マウスパッド用にはプリセットが用意されているので,プルダウンメニューから選ぶだけでOK。それ以外のマウスパッドで使うときは,ユーザー自身でキャリブレーションを行う必要があるのだが,とくに難しくはなく,ものの2〜3ステップでセンサーの最適化を行えるので,ぜひやっておこう。
 なお,「リフトオフレンジ」は,いわゆるリフトオフディスタンスの設定項目で,1〜10の10段階からなるスライダー式。標準は3に設定されている。

画像集 No.044のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
Razer製マウスパッドを使っている場合は,較正タブから「Razerマット」を選択し,[マットを選択]ボタンを押す。すると,市販されている製品のリストが表示されるので,ここから選べばいい
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Razer製以外のマウスパッドを使っている場合は「その他」→[マットを追加]と進んで,このウインドウを開く。最初に左ペインで名称を適当に入力し,[調整]ボタンを押せばキャリブレーションを行える。なお,Synapse上では[識別較正]ボタンを押せと書いてあるが,押すのは[調整]ボタンだ

調整ボタンを押すと画面が切り替わるので,左クリックを押してマウスをゆっくりとマウスパッド全体に行き渡るようにジグザクに動かそう(左)。その後,再度左クリックを押せばセンサーの最適化が行われる。最後に保存するのを忘れるとやり直しとなるので,[保存]ボタンの押下をお忘れなく。右は較正タブに戻ったところで,作成した設定が画面上に表示されていれば完了となる
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 なお,Synapseの上部メニューには,マウスのほかに「マクロ」「統計」がある。前者は文字どおりマクロ関係で,後者はどのボタンをどれくらい押したのかというデータを表示させることができる。

マクロ(左)と統計(右)。マクロは使い方にもよると思うが,統計は個人レベルだと扱いに困るというか,このデータをどうしろというのかがよく分からないのが本音だ
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 Synapseはクライアント&サーバー型のアプリケーションで,設定をサーバー上に保存する都合上,最初はユーザー登録が必要だったりと面倒なのだが,シンプルで,かつ有用な設定が行えるので,導入はマストと言っていい。


センサー性能は文句なしに優秀


 それでは,2016年モデルのRazer Mambaで初採用となった16000 DPI 5G Laser Sensorの性能を見ていくことにしよう。テストに使ったシステムは以下のとおりで,その下にはテスト時のマウス設定も簡単にまとめてある。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
    ※マウスのレシーバーはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
  • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
  • サウンド:SteelSeries「SC2 USB Soundcard」
  • OS:64bit版Windows 10 Pro

●テスト時のマウス設定
  • Synapseバージョン:V1.18
  • ドライババージョン:1.0.39.0(※デバイスマネージャから確認)
  • DPI設定:100〜16000 DPI(主にデフォルト設定の800 DPIを利用)
  • レポートレート設定:125/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の500Hzを利用)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効
  • Synapse側リフトオフレンジ:3

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 まずは,Synapse的に言うとリフトオフレンジになるリフトオフディスタンスからだ。今回も,市場に出回っているマウスパッドから14製品をピックアップし,厚みの異なるステンレスプレートを重ねながら,マウスカーソルが反応しなくなる高さを計測してみることにした。上でも示したが,リフトオフレンジの設定はデフォルトの3で固定している。
 その結果がで,端的に述べて,非常に良好だ。下手にSynapseから弄ってしまうと,操作不能になることもあるので,よほど気合を入れて調整を詰めたいというのでなければ,リフトオフレンジの設定は,デフォルト値である3のままでまったく問題ないように思う。

画像集 No.019のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ

 次は「MouseTester」を用いた,センサーの追従性検証だ。
 ここでは,マウスパッドをZOWIE GEAR製の「G-SR 4Gamer Edition」,ポーリングレートをデフォルト値となるる500Hzにそれぞれ固定のうえ,プリセットのDPIである800/1800/4500/9000/16000の5段階でセンサーの様子を確認していく。

 その結果をまとめたのが下の画像だ。グラフはY軸のプラス方向が左への移動,対するマイナス方向が右への移動時におけるカウント数,横軸がms(ミリ秒)単位の時間経過をそれぞれ示している。青い点が実際のカウント,青い波線はそれを正規化したものなので,つまり,波線の上に青い点があるほどセンサー性能が良好ということだ。

800DPI設定時。マウス移動の切り返し時に若干の乱れはあるものの,波線はほとんど乱れていない
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1800DPI設定時。800DPI設定時と同様,折り返し地点でカウントの乱れが確認されるが,正規化した波線に乱れは確認されない
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4500DPI設定時。傾向としては800DPIおよび1800DPI時のそれを踏襲している
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9000DPI設定時。やはり波線の乱れは見られない
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16000DPI設定時。全体の傾向は変わらずだ
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 折り返し時に若干の乱れはあるものの,波線は総じてかなり安定していると述べていい。ゲームプレイ中にもこれといった違和感はなく,プレイに集中することができた。

 センサーテストの最後は直線補正の有無だ。ここでは,Windows標準の「ペイント」で線を引き,その具合を見て判断することになるが,結論から言えば,体感されるレベルの直線補正はない。

直線補正特有の,気味の悪い動きは感じられなかった
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搭載するのはPhilips製センサー。内部は比較的シンプルに


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 最後は分解して,中身をチェックしてみよう。
 Mamba TEの場合,本体底面部にある3枚のソールを剥がして露出させたネジをプラスドライバーで取り外すと,上面部と底面部を割って内部を確認できるようになる。

上下のパーツを分離させ,見やすいように一部コネクタを取り外した状態。内部構造はかなりシンプルであり,既存のRazer Mambaシリーズにおける設計のノウハウが生きている印象を受ける
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 メイン基板は,「軽量化のため,削れるものはとことん削りました」といった感のある,ユニークな形状だ。左右メインボタンのスイッチは「D2FC-F-7N(20M)」なので,スイッチレベルでは2000万回の押下に耐えるタイプという理解でよさそうだ。

メイン基板(左)と,左右メインボタン用スイッチ(右)。左の写真で大きな基板部の中央あたりに見えるのは,USBクラスドライバを統合したNXP Semiconductor製マイクロコントローラ「LPC11U34」だ。32bitプロセッサである「Cortex-M0」ベースなので,一部のメーカーが搭載をアピールしている「32bit ARMプロセッサ」が,Mamba TEにも載っていることになる
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 センサーは,想像がついていた人もいるだろうが,Philips Photonics製のレーザーセンサーだ。型番を確認するすべがないのだが,見た目とテスト結果から,最近採用例が増えてきている「PLN2037」か,そのカスタムモデルではないかと考えている。

左:メイン基板の裏から見えるのはPhilips Photonics製のレーザーセンサーだ。型番を確認するすべがないのだが,最近採用されることが多いPLN2037あたりだろうか
中央:サイドボタン用のスイッチはTTC製だが,型番を示すような刻印はなかった
右:スクロールホイール手前側にある2連ボタン用のスイッチは,メーカー名すら不詳だ
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 なお,スクロールホイール用とチルト用のスイッチは,構造上,ホイールを上手く取り外せず,確認できなかった。横から覗き込んでみた限りでは,ノーブランド品のようだが,ここは参考程度にしてもらえればと思う。

※注意
 マウスの分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。


フラグシップらしい完成度のMamba TE

価格に抵抗がないならアリ


製品ボックス。存外に小さい
画像集 No.038のサムネイル画像 / 「Razer Mamba Tournament Edition」レビュー。新世代レーザーセンサー搭載のハイエンドマウスはさすがの完成度だ
 以上,Mamba TEは,2015年におけるRazerのフラグシップモデル(の一角)として,十分に高い完成度を持つマウスだといえる。もともとRazer Mambaに対して筆者は好意的な印象を持っていたのだが,個人的に「邪魔」と思っていた左メインボタン脇のボタンが廃されたことと,両サイドのラバーが大きくなってグリップ力が高まったことを高く評価したい。とくにラバーの効果は絶大で,握り方によって操作性が低下するようなことは,まずもって生じないのではないかと思う。
 Razer Mambaは,さらなるブラッシュアップで,より高みに登った印象だ。機能面も,Chromaはともかく,キャリブレーション機能は非常に優秀である。

 気になる実勢価格は1万2500〜1万4000円程度(※税込,2015年10月31日現在)。89.99ドル(税別)という直販価格を考えると,国内価格は頑張っているように思うが,実際に高いか安いかといえば高いのも確かだ。たとえば,税込7000円台で購入できる「Razer DeathAdder 2015 Chroma」と比べて5000円近く高価であることを納得できる人がどれくらいいるかというと,納得できない人のほうが多そうではある。
 その意味で,Razer Mambaシリーズ初のワイヤード専用モデルは確実に人を選ぶだろう。ただし,Razer Mambaの形状が気になっていたが,ワイヤレスは信用ならないうえに,ワイヤレス対応分の上乗せ価格を払う気にはなれないと考えていた人にとっては,待望の,そして満足できる新型といえるのではなかろうか。

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