LGエレクトロニクス・ジャパンブース(※写真はビジネスデイに撮影したもの)
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LG Electronicsの日本法人であるLGエレクトロニクス・ジャパンは東京ゲームショウ2011に出展し,この秋に発売予定となっている新型の立体視対応ディスプレイ2製品を展示していた。
4Gamer的に注目しておきたいのが,
10月中旬に3万〜3万5000円程度の価格で発売になるという23インチワイド液晶ディスプレイ
「D237IPS-PN」だ。型番でピンと来た人もいると思うが,本製品は,同社製の3D立体視対応ディスプレイとして
初のIPS液晶パネル採用モデルである。
D237IPS-PN。隣にはTNパネルを採用する液晶ディスプレイが置かれていたが,視野角の違いは歴然だった
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メニューも含めて基本仕様は従来製品と同じとのこと。ベゼルはヘアライン加工されている
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LGエレクトロニクスによれば,基本仕様は従来のTNパネル採用モデルから変わっていないとのことなので,視野角の広さにこだわる人達の間で人気を集めそうだ。
なお,パネル解像度は1920×1080ドット。入力インタフェースはDVI-D,HDMI,D-Sub 15ピンの3系統とのことだった。
もう1つは,裸眼立体視対応の20インチワイド液晶ディスプレイとして
9月14日に発表済みの
「D2000N-PN」だ。
本製品の主なスペックは
紹介記事を参考にしてほしいと思うが,本製品は,液晶パネルの前にスリットを配置し,右目と左目では見えるドットが異なるように画素を配置していく
パララックスバリア(視差バリア)方式で裸眼立体視に対応しているのが大きな特徴である。
D2000N-PN
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入力インタフェースはDVI-D×1,HDMI×2。HDMI 1.4aには対応しないため,裸眼立体視に対応するのは,TriDef 3D経由時(=PC接続時)のみとなる
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本製品も,偏光方式を採用する従来製品と同様,DDD(Dynamic Digital Depth)製の3D立体視用ソフトウェア
「TriDef 3D」の利用が前提になっているのだが,面白いのは,TriDef 3Dが,D2000N-PNに内蔵されるヘッドトラッキングカメラを制御するようになっていること。立体視表示にあたってはTriDef 3Dを用いた視差バリアの調整が必要になるのだが,調整を終えると,ユーザーの顔がどこにあるのかをカメラが追跡し,ユーザーが頭を動かしても適切に立体視を行えるよう,視差バリアを自動調整するようになっているのだ。
TriDef 3Dの設定画面。ステップ1として,ヘッドトラッキングカメラでユーザーの顔を認識させる作業が必要だ。TriDef 3Dがカメラを制御する以上,偏光方式と比べるとシステム負荷が増すと思われるが,LGエレクトロニクス・ジャパンの担当者いわく,それがゲームにどういった影響を及ぼすかはまだ確認できていないとのことだった
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TriDef 3Dの設定画面,ステップ2。左目で「○」だけが見えるようにスライダーを調整していくのだが,これがなかなか難しい
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ただ,実際に体験してみたが,立体視の初期設定はかなりシビアで,かつ,得られる立体視映像も,
LG Electronics自慢の偏光方式と比べると明らかに落ちる。LGエレクトロニクス・ジャパンの担当者も,数を売る製品ではないと認めていたが,TNパネルを採用し,解像度1600×900ドットで
予想実売価格が13万円前後といったあたりからも,多分に実験的な色合いの濃い製品という印象を受けた。