男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第722回「相手のことを分かろうとする心」

著者近影

　ピンチでしたよ私！
　というのもね，発熱したんですよ。月曜日に。この連載のために，今話題の「7 Days to End with You」（PC / Nintendo Switch / iOS / Android）を遊んでみようとダウンロードした途端に。ここだけの話，私，これまで新型コロナには2回感染しておりましてね。これ3回めが来たんじゃねーか？　3回感染する人もいるんだろうけど，珍しいぞ！　と思っていたんだけど。
　ケツ論から言うと，新型コロナ，インフルエンザ共に陰性で，胃腸炎でした。ただ，この胃腸炎というのもなかなか難儀な病気でしてな。とにかくお通じがアレなんですよ。寝っ屁もままならない。熱も下がらないし。コロナはコロナでしんどかったけど，胃腸炎は胃腸炎でしんどい。皆さんも，健康には気をつけましょうね。

　で，ダウンロードはしたけど7 Days to End with Youを遊べてないって話なのですよ。このゲイム，女性が話しかけてくるけど言葉が分からない。その言葉を推理してコミュニケーションを重ねて物語を解読していくっていうゲイムなのです。
　私がこのゲイムの何に惹かれたかって，言葉が分からない者同士が意思を疎通していくって要素。これ，言っちゃえば現実におけるペットにも当てはまるんじゃないのかなぁと思ったからなんです。


　私，この連載でも何度も伝えてきたんだけれど，ハクと名付けた犬を飼っているんですね。この犬が可愛くて仕方がない。でも，時に怖くなるんです。この子が本当に望んでいることを，私は分かってあげられているんだろうか，と。
　胃腸炎で寝込んでいる今だって，ハクは布団に寄ってくるんですよ。で，私を追い出して自分の寝床のように寝ている。そういう意味では心を許してくれているとは思うんです。ただ，言葉が交わせない。7 Days to End with Youの分からん言葉をしゃべってくるキャラクターは犬ではないから，ゆくゆくは言っている意味も伝わってくるのでしょう。きっとそういうゲイムだしね。
　でも，このゲイムのテーマというか，面白いところは「相手のことを分かろうとする心」なんじゃないかと思うんです。これって，ゲイム性とは別のところで，人間として持っておきたい要素の一つじゃないですか。
　相手を理解したい，自分とは違う言語を使う人間だけど，歩み寄りたい。その心ってインターネットなどで国境を軽く越えられる今だからこそ，必要な心構えだと思うんです。もちろん，自分のことは大切です。身内を守るのも必要なこと。ただ，自分とは違うから別の生き方になるのではなく，お互いがお互いを尊重できればいいなあと思うのは綺麗事が過ぎるんですかね？　そう考えたら，なまじ言葉が通じるから起こる分断ってのもあるのかなぁと思ったりします。
　本作は人間を深く掘り下げたゲイムなのかもしれませんね。いや，まだゲイムをプレイできていないんでこのゲイムを面白く感じたかどうかなどを伝えられないのは恐縮ですが。現時点で言えることは，本作のテーマは私にとって興味深い。ただ，それとゲイムとして面白いかどうかはまた別の話。そこら辺の評価は，プレイヤーが本作に何を求めているかにもよるんだけどね。
　斬新な切り口のアドベンチャーゲイムを求めているならば，このゲイムは斬新にもほどがあるわけだし。逆に，ゲイムにカタルシスを求める人には向いてないかもしれないし。今気付いたけど，私，実はプレイしないままゲイムについて語ることは珍しいので，かえっていつも以上に言いたいことを言えたかもしれない。
　ともかく，面白く感じそうな私も想像できるし，思っていたゲイムじゃなかったと感じてしまう私も想像できる。ただ，今までにないタイプのゲイムであることは言えるんでしょうね。来週あたり答え合わせができるといいね。


　というわけで，今週は胃腸炎になってしまい，ヤるはずだった7 Days to End with Youができませんでしたという話でした。ごめんなさい。症状が出て一日経って，なんとかこの原稿を書ける程度には回復したんで，余裕があればプレイできるとは思います。しばらく布団で寝てはいるわけだし。
　……と思いきやまさに今，布団にはしっかりと我が愛犬ハクが寝ているんだった。どうやって歩み寄ろうか悩みつつ，また来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5：「eFootball 2023」
Nintendo Switch：「7 Days to End with You」
iOS：「ロードモバイル」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，2月18日（土）17：30より愛知・名古屋国際会議場イベントホール大会「友情、努力、勝利 in NAGOYA 2023」を，19日（日）に静岡・天竜浜名湖鉄道大会「浜松列車プロレス」を開催します。ディーノ選手も体調は戻りつつあるため出場予定とのことですが，「病み上がりだから無理のないよう，できるだけおとなしくする」そうです。