インディーズゲームの小部屋：Room＃766「Sail Forth」

　あけましておめでとうございます。2023年最初となる「インディーズゲームの小部屋」の第766回は，Festive Vectorが開発した「Sail Forth」をご紹介。本作は自分の船団を率いて広大な海を冒険する，新しい船出にぴったりの海洋アドベンチャーゲームだ。今年は異次元のインディーズゲーム紹介の実現に向けて，大胆に検討を進めていくので，引き続きよろしくお願いします（具体性なし）。


　本作の主人公は，大海原にポツンと浮かぶ小舟で目を覚ましたトゥート船長。詳しい状況はよく分からないが，どうやら乗っていた船が沈没して，海に投げ出されてしまったらしい。しばらく小舟で海を進むと，同じように沈没船の舳先（へさき）で助けを求めている船員を発見し，小舟を改造してまずは2人で未知の海に乗り出すことになる。


　基本的なゲームの進め方は，自分の船をカスタマイズしながら“ディープブルー”と呼ばれる広大な海を冒険し，この海に隠された古代の秘密を解き明かしていくというもの。本作では海にプカプカと浮かんでいる木の板が通貨の代わりになっており，これを集めて海上の商人から船の装備品を購入したり，新しい船を作ったりできる。


　ゲームにはヨットのような小舟から大型の帆船まで，さまざまな船が登場し，船ごとに搭載可能な武装の総重量や乗組員の数が異なる。自分が乗る船をアップグレードできるのはもちろん，最大4隻で船団を組み，それぞれの船を個別にカスタマイズしていけるのが特徴だ。この海には友好的な船だけでなく海賊もうろついており，味方の船は接近してきた海賊船を自動的に攻撃してくれる。


　登場する船は基本的にすべて帆船なので，うまく船を走らせるにはセーリングの技術が必要だ。これがなかなかクセモノで，慣れないうちは風向きに対してどの角度で帆を張ればいいのかよく分からず，操船に苦労すること必至。さらに海戦では搭載している大砲によって攻撃範囲や射程が変化するので，海賊船との戦いに備えて船の性能や操作法をしっかりと把握しておこう。


　ほのぼのとした世界観が魅力で，船団をカスタマイズして大海原をのんびりと旅するだけでも楽しいが，釣りをしたり，古代のアーティファクトを集めたり，巨大なボスと戦ったりと，波乱万丈の海洋アドベンチャーを満喫できる。そんな本作は，SteamにてPC版が2300円で発売されているほか，PlayStation 4，PlayStation 5，Nintendo Switch，Xbox One，Xbox Series X|S版が各ストアで配信中。新しい年に心機一転，広い海に漕ぎ出そうと思った人はぜひどうぞ。

「Sail Forth」公式サイト