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印刷2008/08/23 14:50

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[GC 2008#37]シリーズ初の試みが満載の「Call of Duty: World at War」最新情報

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 Activisionの誇る超強力フランチャイズ,Call of Dutyシリーズの最新作は,ふたたび戦場を第二次世界大戦に戻した「Call of Duty: World at War」(以下,WaW)だ。Games Conventionでは,Activisionの巨大なブースに一般の観客を入れて実際に対戦プレイを楽しませているほか,ビジネスセンターではプレス向けのプレゼンテーションを行っていた。
 それにしても,公式に発売日すら発表されていないタイトルが――小一時間ほど並ばなければならないが――遊べてしまうのだからすごい。「こちら」の記事でもちょっと触れたように,「Bionic Commando」「Far Cry 2」,そして「Crysis Warhead」まで会場で対戦させてしまっており,なんともドイツのPCゲーマーってやつらが,憎らしいほどうらやましいではないか。おそらく,入場料を払ってでも遊びたいという人は,日本にも多いのではないかと思うが……まあ,移動の運賃を考えるとちょっと悩んじゃいますね。


ActivisionのDaniel Suarez氏
画像集#002のサムネイル/[GC 2008#37]シリーズ初の試みが満載の「Call of Duty: World at War」最新情報
 「なぜ第二次世界大戦なのか? という質問を最も多く受けます」と切り出したのは,WaWの説明をしてくれたActivisionのDaniel Suarez氏だ。
 時代背景を現代にシフトし,現代戦のスピーディな展開と,破壊力抜群の最新兵器を持ち込むことによって「Call of Duty 4:Modern Warfare」(以下,CoD4)は,全世界累計販売本数1000万本以上(コンシューマ機版含む)という実績を残したのだから,最新作でなぜまた第二次世界大戦に戻したのかという疑問はもっともなことだ。
 また,PCゲーマーを中心としたコミュニティでは,「デベロッパがTreyarchで大丈夫なのか?」という声もある。これまで,少なくともPC版だけはInfinity Wardが開発しており,コンシューマ機版しか作った経験のないカリフォルニアのTreyarchでは荷が重いのではないかという疑問だ。彼らが制作した「Call of Duty 3」の評価は,決して低くはないが,そう間隔を置かずに発売されたCoD4の影に隠れてしまったという印象が強い。

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 TreyarchがWaWでやりかったのは「第二次世界大戦を舞台としたFPSの再定義」だとSuarez氏は続ける。情け容赦のない戦闘とユニークな敵,そして多彩な戦闘によってプレイヤーにこれまでの第二次大戦モノFPSにはなかった,まったく新しいゲーム体験を提供するというのである。決して「CoD4がコケたときの保険で第二次大戦の企画を進めておいた」というわけではないのだ。たぶん。
 WaWが描くのは,太平洋戦争と第二次世界大戦の東部戦線だ。残念ながら,1942年のスターリングラード包囲戦から始まるロシアキャンペーンは見られず,デモでは1944年のペリリュー島を舞台とした「Hard Landing」というミッションが紹介された。
 これは,ブースで一般の観客がプレイしていたのと同じマップで,Suarez氏とTreyarchでコミュニティマネージャーを担当するJosh Olin氏が操作するCo-op(プレイヤーが協力してAI操作の敵と戦うモード)でのプレイが見られたのである。
 マルチプレイも面白いというか,マルチプレイ目当てで購入するFPSプレイヤーも多いのではないかと思われるCoDシリーズだが,WaWではシリーズ初となるCo-opモードが大きくフィーチャーされている。今後,デスマッチなどのおなじみのモードも順次追加されるようだが,今のところはCo-opのみ。
 最近ハヤリのパーティスタイルが採用されており,シングルプレイの最中に知り合いが参戦して一緒に戦ったり,飽きたらまた抜けたりといったことが可能になる。敵に倒されたときも,別のプレイヤーがいれば生き返らせてくれたりなど,「No One Fights Alone」(誰も一人では戦わない)という,Call of Dutyシリーズを貫く理念がここに生きているのだそうだ。
 オンラインの最大参加人数は4人となっており,CoD4とは異なり,マルチプレイにはビークルを使ったミッションも用意される。プレイ結果によるレベルアップや,スキルが得られるPerkシステム,そしてアチーブメントといった要素は引き継がれるという。また,新しいクラスも出てくる予定だ。

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 というわけで,二人(とAIが操作する分隊の戦友達)はシリーズ初登場となる“ジャングル”を抜け,目標である敵の飛行場に向かう。フィリピンの奪還を目指すアメリカ軍にとって,ペリリュー島の滑走路は重要な目標なのだ……と思っていたところに,突然敵が襲来してきた。気合の入ったかけ声とともに銃剣をきらめかせて襲ってきたのは,当然といえば当然ながら日本兵である。
 つまり,Activisionのいうユニークな敵とは,シリーズ初登場の日本軍のことであり,多彩な戦闘とは,「神風アタック」や「万歳アタック」なのだから,ゲームの中のこととはいえ,ちょっと微妙な感じ。ただし,Suarez氏によれば日本軍の戦い方に過度のアレンジはなく,多数の史料に基づいて日本軍の戦法などが忠実に再現されているとのことである。

 WaWはCoD4のゲームエンジンを採用しているため,グラフィックスの雰囲気やインタフェースは前作によく似ている。CoD4(もともとはCall of Duty 2からだが)同様,ヘルスパックのない自動回復式で,所定のポイントに到達するか,やるべきことをやるまで敵が次々とリスポーンしてくる。戦闘中,日本語が聞こえてくるのはちょっと新鮮だ。
 「かつてないほど残酷で容赦のない戦闘を再現する」というSuarez氏だが,やはりその象徴は太平洋戦争の島嶼戦で猛威をふるった火炎放射器だろう。アメリカ軍兵士が次々と敵兵を火だるまにしていくシーンは,やはりバイオレンス度が高く,ちょっと引いてしまいそうである。もっとも人体損壊にかかわるゴア表現はなく,そのへんは従来作どおり。
 滑走路を守る敵を掃討して施設の一部を確保したアメリカ軍だが,依然として日本軍の高射砲が天に向かって火を噴いており,補給物資を積んだアメリカ軍機が被弾,墜落していく。次の任務は,あの高射砲を沈黙させること……といった具合に,ミッションの途中に目的が次々とアップデートされ,今度は何だ何だ? とゲームの緊張感を維持させる演出も健在だ。このあたりでデモは終了となった。

 大ヒットした前作に続くシリーズ最新作ということで,世間の期待も大きい半面,高い完成度のCoD4と比べられてしまうのはどうしても避けられない。GC会場で実際に行列を作ってプレイし(Xbox 360版だが),プレゼンテーションを受けたごく個人的な気持ちとしては,シリーズのゲームバランスを引き継ぎつつ,マンネリを避けて新たなことに挑戦しようとするTreyarchの姿勢には好印象を得た。
 「現代戦」という分かりやすい変化ではなく,従来の設定を使いつつプレイ感に新鮮さを加えるのはやはり難しい作業だが,今後の展開が期待できると思う。WaWの発売は,2008年秋が予定されている。あ,もうすぐじゃないか。

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