プレイレポート
[E3 2010]以前より強くなったIssacの姿が確認できる,「Dead Space 2」のデモプレイレポート
しかし,それだけで続編が作られるほどのヒットになるはずはなく,実際には,恐怖を煽る演出や巧みなゲームバランス,そしてプレイヤーを引き込むストーリーラインなど,細かいところまで行き届いた作品だったわけだ。
続編の噂は,Dead Spaceのヒットが確実になった頃から出ていたのだが,翌2009年にWii用の「Dead Space: Extraction」のリリースされると,ようやく正式に発表された。実際には,Dead Spaceの開発終了直後からプロジェクトはスタートしており,すでに2年近くが経過しているという。
Dead Spaceの成功により,それまでライセンスものタイトルの開発を中心にしていたElectronic ArtsのRedwood Shoreスタジオは,コアゲーマー向けのタイトルを作るVisceral Gamesに格上げされ,骸骨をモチーフにしたロゴを使用するようになった。
今年のE3では,奥の別室で「Dead Space 2」のプレイデモを見せるという形で出展していたので,それをレポートしてみよう。
ヒット作の続編を作るのは難しい。それが恐怖をテーマにした作品ならなおさらだ。第1作なら「何が起きるのだろうか」という興味でプレイヤーを引っぱれるが,続編でその手は使えない。プレイヤーは巨大鉱石採掘船「UDG Ishimura」で何が起きたのかすっかり分かっているし,対処法もわきまえているからだ。
というわけで,Dead Space 2ではそのへん,どうなっているのだろうか?
敵となるNecromorphは相変わらずグロテスクなクリーチャーだが,Stasisで動きを封じ,Plasma Cutterでぶった切るという黄金コンビで対処する。もっとも,敵の数は多く,壁を破って飛び出してきたり,天井から降ってきたりと,アッと驚く演出も多数ある。筆者の隣の席に座っていたメディアスタッフが,敵が出てくるたびに5cmほど飛び上がるので,そっちも怖かったというのは余計な話だ。
Necromorphの種類が増えたほか,新しい敵としては赤ん坊のようなクリーチャーが登場する。同じVisceral Gamesが制作した「Dante's Inferno」(PlayStation 3/Xbox 360)の愛欲地獄に登場した頭でっかちの赤ん坊モンスターがちょっと成長した感じだ。成長してほしくないけど。
途中,重力発生装置を停止させて移動するというシーンがあり,こうしたパズルも前作と同じようにいくつか用意されているようだ。無重量状態で足のジェットを噴かし,目的の場所にたどり着く。そこで再び重力発生装置を稼働させると,宙に浮いていた物体がいっせいに地面に落ちるという,何気ないが,本作が前作同様,それなりの科学考証に則ったハードSFものであることをうかがわせる。
Isaacの使える新しい武器として,Javelinが追加された。これは,釘のような弾を撃ち出すもので,敵のクリーチャーを壁に貼り付けにできるのだ。使い勝手はなかなかよさそうで,Stasisと併用することで,絶大な効果を発揮していた。また,スーツも強力になり,さまざまな便利な道具が装着されているそうだ。見かけ上の一番の違いは,前作よりスリムになり,ヘルメットが自動的に頭を覆うところだろうか。彼の雰囲気は,もはや電子技術者というより兵士だ。
なんとか多数の敵を倒したあと,大きな窓のある見晴らしのいい部屋にやってきたIssac。ここで我々は,彼のいるのがもはや宇宙船ではなく,大きな街の建物の中であることが分かった。Milham氏が,「ここは,病院や学校,教会などがある巨大な街で,前作にはなかった広がりがあります」と語るやいなや,窓の向こうに宇宙船が現れ,激しい銃撃を加えつつ,彼を吸い込もうとするのだ。何が起きたのか考えるヒマもなく,排気口のようなところに逃げ込むIssac。そして転がり落ちた先にはボスクリーチャー,といったあたりでデモプレイは終了となった。どうやら,この街では想像もつかないことが発生し,しかも生きているのはIssacだけではないようにも思えるが,詳細はもちろん分からない。
今回のデモシーンで見られたのは,もっぱら戦闘シーンに限られたが,Dead Space 2は,前作からの正統進化が図られたようだ。すなわち,より広いマップ,より強力な武器,そしてより強力な敵。戦闘シーンはよりスピーディになり,物語は複雑な様相を呈している。肝心の「恐怖」については,びっくりするシーンは多いものの,前作にあった閉塞感と真綿で首を絞められるような雰囲気はちょっと減少したように感じた。
諸般の理由で日本語版の発売が見送られた前作。Dead Space 2についても,現在ところ日本語版発売のアナウンスは行われていないものの,欧米では2011年1月のリリースが予定されている。続報に期待したい。
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DEAD SPACE 2
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