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[E3 2011]開発ディレクターに話を聞いた「デウスエクス」。ライトゲーマーからハードコアゲーマーまで楽しめるよう,綿密にバランスを調整。誰でも多様なプレイを楽しめる作品に
本作は著名なゲームデザイナー,Warren Spector氏によって制作され,2000年にリリースされた名作「Deus Ex」の流れを汲む,完全新作タイトルだ。
今回,E3の会場にて,この新生「デウスエクス」の開発全体のディレクションを手がけた,Eidos-MontrealのJean-Francois Dugas氏にインタビューを行うことができた。本稿ではそのときの模様をお伝えしよう。
本日はよろしくお願いします。2010年に話を聞いてから本作の発売をずっと楽しみにしていました。以前に聞いたときより,発売予定時期が少し遅れているようですが,その理由は何だったのでしょう。
Jean-Francois Dugas氏(以下,Dugas氏):
本作は,Eidos-Montreal(アイドスモントリオール)としては初めての作品です。そのため,よりバランシングに力を入れて,完璧なクオリティの作品レベルにしたかったため,そのような決断をしました。正直に言えば,予想以上にバグフィックスに時間がかかったというのも,理由の一つです。
4Gamer:
バランシングとは,具体的にはどのような作業だったんですか?
デウスエクスは,目標達成の道筋が幾通りも存在するゲームです。多様な解法を用意するために,弾薬やオーグメンテーションを綿密に計算したうえで,マップに配置する必要がありました。そのためにプレイを分析して,すべてのものが適切な場所に配置されるように,注意深く調整を行いました。
4Gamer:
本作のテーマを教えてください。
Dugas氏:
我々はトランスヒューマニズムと呼んでいますが,「オーグメンテーションによる人体改造が,人間性にどのような影響を与えるのか」というのが,本作のテーマとなっています。デウスエクスはSF色の強い作品ですが,未来世界を描くことと同じくらい,「人間を描く」ことにも注力しています。その部分もぜひ見てもらいたいポイントの一つです。
4Gamer:
本作で使用可能なオーグメンテーションには,力を増すものや移動速度を上げるものなどがありますよね。先ほどのデモでは,イカロスランディングシステムという,高所から静かに着地するためのオーグメンテーションが使われていました。そのほかにもユニークなオーグメンテーションは用意されていますか?
Dugas氏:
見た目が派手なものとしては,タイフーンシステムというオーグメンテーションがあります。これは,周囲360度に爆弾を瞬時にばらまくという,戦闘向けのオーグメンテーションです。
また本作には,会話で問題を解決するソーシャルな解法も用意されていますが,それを補助するものとして,相手の表情の変化を細かく見分けられるようになる,なんてオーグメンテーションもあります。
あと,プレイでとても役立つのは,X線で壁の向こうの人影を探知できるオーグメンテーションですね。持っていれば,プレイ中に何度も使うことになるはずです。
4Gamer:
私は,オリジナルのDeus Exをプレイしていたとき,とても難しかったのでネット上のウォークスルーをつい見てしまったんですよね。今回のデウスエクスも,オリジナルくらい難しいのでしょうか。
Dugas氏:
オリジナルのDeus Exには,たしかに難しすぎる部分があったと思います。
今回本作を開発するにあたって,チャレンジングではありつつも,フラストレイティングにはならないようにかなり注意を払いました。結果的には,最適なバランスを探し出せたと思っています。
このあたりは,ぜひ実際にプレイして確かめてみてください。また,このバランス調整の甲斐があって,この作品はコアゲーマーだけでなく,もっとカジュアルなプレイヤーにも楽しめるものに仕上がっています。
本作は,オリジナルのDeus Exと同じ世界の話ということですが,ストーリーに旧作の登場人物は出てきますか?
Dugas氏:
オリジナル版の主人公J.C. Dentonは,本作の物語の2年後に生まれるという設定ですから,直接登場はしません。ですが実は,オリジナル版に登場したほかの人物が,少しだけ本作にも登場します。旧作を知っている人はニヤリとできるはずです。もちろん,旧作をプレイしていなくても楽しめるようになっています。
4Gamer:
クリアに必要な時間はどれくらいですか?
Dugas氏:
プレイスタイルにもよりますが,30時間位を想定しています。
4Gamer:
リプレイアビリティはどうでしょう。話を聞くだけでも,何度も繰り返し遊べそうな気はするのですが。
Dugas氏:
そのとおりです。たくさんの選択と問題の解決法が用意されているので,二度目三度目は,ぜひ違う方法を使ってゲームを進めてみてください。特定のルート上でないと出てこないサイドクエストもありますよ。エンディングも何通りか用意しています。
4Gamer:
サイドクエストというのは,オマケ要素のような感じですか?
Dugas氏:
オマケの隠し要素ではありません。テーマやキャラクターをより広がりのあるものにするために用意しました。サイドクエストは,特定のキャラクターをより掘り下げたり,ストーリー展開を補完したりする位置付けのものです。
4Gamer:
それでは最後に,4Gamer読者にメッセージをお願いします。
Dugas氏:
長い開発期間を経て,ついにデウスエクスは完成にこぎつけました。私達が愛情を込めて作ったこの作品を,日本の皆さんにもぜひプレイしていただきたいと思います。エンターテインメントとして,良質な作品に仕上がっています。楽しんでいただけたら,本当に嬉しいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
「デウスエクス」公式サイト
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DEUS EX (C) 2011 SQUARE ENIX LTD. Published by Square Enix Co., Ltd. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Holdings Co, Ltd. DEUS EX, the DEUS EX logo, EIDOS, the EIDOS logo, EIDOS MONTREAL and the EIDOS MONTREAL logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Ltd.
DEUS EX (C) 2011 SQUARE ENIX LTD. Published by Square Enix Co., Ltd. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Holdings Co, Ltd. DEUS EX, the DEUS EX logo, EIDOS, the EIDOS logo, EIDOS MONTREAL and the EIDOS MONTREAL logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Ltd.