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From Dust
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ゴッドゲーム「From Dust」で人々を幸福に導くのが,今週の「海外ゲーム四天王」だ。さあ,私を神と崇めなさい。イヤならいいです
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印刷2011/08/29 16:37

連載

ゴッドゲーム「From Dust」で人々を幸福に導くのが,今週の「海外ゲーム四天王」だ。さあ,私を神と崇めなさい。イヤならいいです

画像集#001のサムネイル/ゴッドゲーム「From Dust」で人々を幸福に導くのが,今週の「海外ゲーム四天王」だ。さあ,私を神と崇めなさい。イヤならいいです
第96回:「From Dust」

 有名なゲームデザイナーであるEric Chahi氏の新作,「From Dust」は,神となったプレイヤーが大地を持ち上げたり削ったり,砂漠に水をまいたりして住みやすい環境を作り,そこに暮らす人々を幸福にしていくという,いわゆるゴッドゲームだ。不思議な雰囲気を持ったアートワークが個性的で,物理エンジンによって再現された水の動きなども美しいが,クリアするのはなかなか大変。そんな本作を,ライターの朝倉哲也氏が紹介する。さあ,私を神と崇めなさい。

神の力を発揮して大地を削り,人々の幸福を追求する
神様ってなかなかな大変という気分のゴッドゲームが登場

画像集#003のサムネイル/ゴッドゲーム「From Dust」で人々を幸福に導くのが,今週の「海外ゲーム四天王」だ。さあ,私を神と崇めなさい。イヤならいいです

 今週の海外ゲーム四天王は,2011年8月17日にStemでの配信が始まったUbisoft Entertainmentの新作「From Dust」のPC版を紹介しよう。
 本作は,いわゆるゴッドゲームと呼ばれるジャンルの作品で,ゴッドゲームとは読んで字のごとく,プレイヤーが神となって世界を創造していくタイプのものだ。市長となって町づくりを行う「シムシティ」や,大統領となって国を発展させていく「トロピコ」などと似ているものの,From Dustのプレイヤーはまさに神という存在なので,海底を盛り上げて人が住める土地にしたり,砂漠を緑豊かな大地に変えたりといった圧倒的なスケール感が特徴だ。
 開発はUbisoftのモントリオールスタジオが行っており,「Another World」(邦題 アウターワールド)の開発で知られるフランス人ゲームデザイナー,Eric Chahi氏が手がけた最新作となる。そういう点から注目している人も多いだろう。

画像集#002のサムネイル/ゴッドゲーム「From Dust」で人々を幸福に導くのが,今週の「海外ゲーム四天王」だ。さあ,私を神と崇めなさい。イヤならいいです

「From Dust」公式サイト


 本作の舞台となるのは名もない未開の土地で,なんとなく石器時代を思わせる人々が住んでいる。プレイヤーは,この地に降臨した神となり,人々の暮らしやすい土地を作りだし,襲い来る天変地異から人々を守り,豊かで幸福な生活を送らせるわけだ。

 スクリーンショットを見ても分かるように,ゲームのグラフィックスはとても美しい。また,物理シミュレーションもきっちり行われているので,水の動きなどもとても自然で滑らかだ。そのため,海や川などの水のあるところを大きく削ったりするときは,水の流れる方向などに気をつけないと,思わぬ大洪水で住民が被害を被ってしまったりする。
 どのようなゲームエンジンが使用されているのかは分からなかったが,このグラフィックスと物理シミュレーションを堪能するためにも,パワーのあるPCでプレイしたいところだ。

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 ゲームモードには,13のチャプターからなるキャンペーンモードと,一つ一つのマップを単独でプレイするチャレンジモードが用意されている。
 キャンペーンモードでは,住民の村を一定数まで増やしたり,砂漠に木々を増やしたりといったクリア条件を満たすことで,次のマップへつながる祠が出現する。プレイヤーは何人かの住民を率いてその祠を抜け,次のミッションに挑戦していくわけだ。
 マップには,定期的に大きな波が襲ってくる孤島や水が乏しい乾燥した砂漠などがあり,一筋縄ではクリアできないものも多い。しかもゲームはすべてリアルタイムで進行していくので,襲ってくる災害から住民を守りつつ,土地を開発していくといった感じの,忙しいゲームプレイを要求される。
 チャレンジモードは最初からプレイできるわけではなく,キャンペーンを進めていくことで,新たなマップが次々にアンロックされていく仕掛けだ。マップの数は30ほどになるので,たっぷりプレイできる。

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 ゲーム中では神と崇められるプレイヤーだが,人々に直接あれしろこれしろと指示することはできない。村を作るための場所が足りなければ土地をならしたり,乾燥した砂漠に水をまいて草木の育成を促したり,大波に襲われそうな場所には,山を盛り上げて防波堤を築いたりなど,主に環境の変化を作り出して人々の生活に干渉していくことになる。
 土地に手を入れるのは,マウス操作だけで簡単にできる。そのへんの砂をガバッとすくい上げて川の中に置き,流れをせき止めたり,溶岩をすくってまいて,岩の壁を作ったりといった具合で,これがまるで砂遊びをしているような感覚で,なかなか楽しい。
 こうして人々の住みやすい環境を整備してやると,何もなかったところにあっというまに建物が立ち,草木が育っていく。スピーディなゲーム展開もまた魅力だ。
 なお,キャンペーンとチャレンジ共にシングルプレイ専用で,マルチプレイモードは搭載されていない。もっと広いマップで,ほかのプレイヤーと協力しながら遊べるCo-opモードなどがあると良かったかもしれない。

 この手のゲームは日本では今一つパッとしないようだが,原住民達に神と崇められながらの天地創造を,美しいグラフィックスで堪能できる良作だと思う。Steamでは,新作ながら14.99ドルという低価格で販売されているのもナイスなポイントだ。Ubisoftモントリオールは本作を“「ポピュラス」の精神的な子孫”としており,ポピュラスファンや,ゴッドゲームにに興味のある人にオススメしたい。

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