2004年にリリースされた「
Evil Genius」と言えば,一風変わったストラテジーゲームとして,マニアの間では話題になった作品である。開発したのは,かつて16歳で「テーマパーク」を生みだして“天才少年”と呼ばれたDemis Hassabis(デミス・ハサビス)氏。プレイヤーが演じるのは「007」シリーズや「オースティン・パワーズ」などのスパイ映画に登場する,典型的な“悪の組織のボス”だ。離島の地下に秘密基地を建設し,世界征服を目指して暗躍するというコミカルな内容のタイトルであり,潜入してきたスパイを捕えて拷問にかけ,それを見ながら「むわっはっはっ!」と笑うような愉快なプレイが楽しめる作品だった。
Vivendi GamesとActivisionが合併した際,Evil Geniusのライセンスは人手に渡っていたのだが,このたびイギリスの新興パブリッシャAnt Gamesが新作の開発権を獲得。現在PC用タイトル
「Evil Genius 2」を,
2011年の完成を目指して開発中だという。
今回,そんな本作について,Ant GamesのParakash Choraira氏から話を聞くことができたので,その内容をお伝えしよう。
今回,話を聞いたAnt GamesのParakash Choraira氏。日本で3か月ほど生活したことがあるなど,ちょっとした日本通のようだ
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「
Evil Genius 2」においては,基地作りやトラップ作成,部下のリクルートやトレーニング,世界征服のために必要な悪のミッションの遂行など,前作の持っていた面白さはそのまま残されるという。そしてそこに,“ミッションを細かく分ける”“目的を分かりやすく明示する”といった改良を加えることで,前作よりも遊びやすい作品を目指し,現在開発が進められているそうだ。クリアまでに10〜20時間程度を要するシングルキャンペーンに加え,今回はマルチプレイモードも用意されるとのこと。
Ant Gamesは今年に入って発足したばかりの新興パブリッシャだ。これまでに,フライトコンバット
「War Birds」シリーズや,MMORPG「
Fallen Earth」など,アメリカ産作品のヨーロッパでのディストリビューションを手掛けてきた。
自社開発はこのEvil Genius 2が初の作品になるとのことだが,実はAnt Gamesには,イギリスでは有名なゲーム開発会社
Rebellionの販売ウィングとして誕生したという経緯があり,このEvil Genius 2にも,「
Aliens vs. Predator」などの制作に関わった開発者達が参加しているという。これは期待していいのかもしれない。