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NTTドコモの2020年冬〜2021年春モデルスマートフォンをチェック。ゲームモードの搭載は当然の要素に
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印刷2020/11/09 21:00

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NTTドコモの2020年冬〜2021年春モデルスマートフォンをチェック。ゲームモードの搭載は当然の要素に

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 2020年11月5日,NTTドコモ(以下,ドコモ)は,オンラインにて「新サービス・新商品発表会」を開催し,2020年冬および2021年春モデルとなる新型スマートフォンを発表した(関連記事)。本稿では,発表会後に開かれたメディア向けのタッチ&トライで展示していた端末を紹介しよう。
 実機を確認したのは以下の5製品だ。

  • Galaxy Note20 Ultra 5G SC-53A(以下,Note20 Ultra):発売中
  • Xperia 5 II SO-52A(以下,Xperia 5 II):2020月11月12日発売
  • arrows NX9 F-52A(以下,arrows NX9):2020年12月以降発売
  • LG VELVET L-52A(以下,LG VELVET):2020年12月以降発売
  • AQUOS sense5G SH-53A(以下,AQUOS sense5G):2021年春以降発売

ゲームモードを中心に各製品をチェック


 今回の5製品は,いずれも対応したスマートフォンで,搭載SoCは,Note20 Ultraが「Snapdragon 865 Plus」を,Xperia 5 IIが「Snapdragon 865」を採用するハイエンドモデルで,そのほかの製品は「Snapdragon 765G」となっている。
 Snapdragon 765Gは,2020年のミドルクラス市場向け5Gスマートフォンで数多く採用されているSoCで,Googleの「Pixel 5」および「Pixel 4a(5G)」(関連記事)が採用したことでも話題となった。スマートフォン向けSoCの成熟によって,ミドルレンジクラスのSoCでも,ゲームを初めとした高い性能が求められる分野に使えるようになったと,各メーカーが判断しているということだろう。Snapdragon 765Gの性能については,後日あらためてレポートする予定だ。
 また,Snapdragon 765Gを採用するメリットは,製品の価格を抑えられる点にある。ハイエンド市場向けスマートフォンは高価格化がすすんでおり,10万円を大きく超えることも珍しくない。スマートフォンを買い換えるくらいならば,「GeForce RTX 3080」を購入したほうがいいのでは,と悩んだゲーマーもいるのではないだろうか。Snapdragon 765G搭載製品のうち,たとえばLG VELVETの価格は,税込7万488円(本体のみ)であり,ハイエンド市場向けの製品と比べれば,まだ買いやすい。

 なお,今回は展示会場の利用時間が1時間30分と制限されており,ベンチマークテストを実施する時間は取れなかった。そのため,各製品の概要とそれぞれに搭載するゲームモードを中心に紹介していく。
 現行のSnapdragonシリーズには,Qualcommが「Snapdragon elite gaming features」と称する機能群を備えており,ミドルクラス市場向け以上のAndoroidスマートフォンでは,ゲーム向けの動作モードを搭載するものが多い。今後はゲームに関連する機能もスマートフォン選びで重要な要素になってくるだろう。なお,AQUOS sense5Gは開発途中であり,仕様がまだ確定していないとのことなので,今回はテストしていない。


Xperia 5 II


 Xperia 5 IIは,公称本体サイズが約68(W)×158(D)×8〜9.1(H)mm,公称本体重量が約163gで,横持ち時のアスペクト比が21:9の6.1インチ有機ELディスプレイを採用するハイエンドモデルだ。ディスプレイの解像度は1080×2520ドットで,最大リフレッシュレートが120Hz,タッチパネルのサンプリングレートが240Hzであるのが特徴だ。メインメモリ容量は8GBとなる。

Xperia 5 IIのカラバリは5色展開となる。左端のパープルはドコモオンラインショップ限定だ
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 ゲーム向けの機能として,既存製品と同様に「Game enhancer」を搭載しており,Xperia 5 IIでは,リフレッシュレートやサンプリングレートを調整可能となった。そのほかにも画面のスクリーンショットや録画機能に加えて,バッテリーを経由せずに直接システムに電力を供給する「HSパワーコントロール」も搭載する。これにより,充電中の発熱による性能低下やバッテリーの劣化を防ぐという。

Xperiaシリーズでは,お馴染みとなったGame enhancer。ゲームモードの設定追加が今回のポイントである
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 Game enhancerにあるゲームモードは,「パフォーマンス設定」と「タッチエリアの最適化」,「VCマイクの最適化」と「HSパワーコントロール」のオン/オフといった項目を設定できる。

ゲームモード。機能や設定の説明文が表示されるのでわかりやすい。ヘッドセットのマイク向け機能があるのが今風か
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 パフォーマンス設定では,3種類のプリセットによって,SoCの動作クロックを制御できるだけでなく,カスタム設定によってディスプレイのリフレッシュレートやタッチの反応速度,追従性をユーザー自身で調整可能だ。リフレッシュレートは40Hz,60Hz,120Hz,240Hzの4段階で設定できるのだが,240Hzの設定は,ネイティブの240Hz表示ではなく,フレーム同士の間に黒画面を挿入する,いわゆる黒挿入ベースのものとなっている。

パフォーマンス設定のカスタム設定では,ディスプレイのリフレッシュレートやタッチの反応速度,追従性を調整できる
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 FPSやTPS,リズムゲームをプレイするゲーマーが気になるのは,タッチ反応速度とタッチ追従性だろう。タッチ反応速度は4段階,タッチ追従性は3段階から調整可能だ。またプレビュー機能もあり,実際のゲーム内で確認しながら調整できる。

ゲーム内で動きを確認しながら設定できる
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 タッチエリアの最適化は,条件付きながら誤タップを防止する機能で,たとえば画面端をタップするときに,手のひらが当たってタッチが反応しない,あるいは誤タップとなってしまうのを防ぐものだ。


Galaxy Note20 Ultra 5G


 Note20 Ultraは,公称本体サイズが約77(W)×165(D)×8.1〜10.8(H)mm,公称本体重量が約208gで,約6.9インチサイズという大型有機ELディスプレイの搭載と,専用スタイラス「S Pen」によるペン入力に対応するのが特徴となる。ディスプレイの解像度は1440×3088ドットで,横持ち時のアスペクト比は19.3:9だ。

Galaxy Note20 Ultra
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アウトカメラは3眼式で巨大なカメラユニットが目立つ
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Noteシリーズと言えば「S Pen」が特徴だ。S Penは,ゲームによっては使いやすいものもある

 ゲーム向けの設定は「Game Booster」にまとめられている。2020年春モデルの「Galaxy S20」が搭載していたものと比べて大きな変更はなく,マイナーアップデートに留まっているとのことだが,パフォーマンス設定によっては,240Hzのタッチサンプリングレートにも対応するようになったという。
 パフォーマンス設定は3段階で切り替えられるが,ユーザー自身が細かく調整できる項目はない。また,パフォーマンス設定に関係なく,リフレッシュレートを強制的に48Hzに制限して,バッテリーの消費を抑える「低リフレッシュレート」モードも利用できる。

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Game Boosterの設定画面
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パフォーマンス設定は,パフォーマンス重視とバランス重視,省電力重視の3段階で切り替えられる

 なお,Xperia 5 IIや後述するarrows NX9のようなタッチ関連の設定はないので,フリップケースや保持しやすいケースで誤タッチを防ぐ対策が必要になるだろう。

設定アプリの「サウンド」には,Game Boosterにはないゲーム用Dolby Atomsの設定項目がある
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arrows NX9


 arrows NX9は,公称本体サイズが約72(W)×152(D)×8.5(H)mm,公称本体重量が約162gで,約6.3インチサイズの有機ELディスプレイを搭載する製品だ。ディスプレイ解像度は1080×2280ドットで,Note20 Ultraと同じく,左右のベゼルは細くなっている。また,ピンホールタイプのインカメラを採用した点も似ている。
 Snapdragon 765Gと容量8GBのメインメモリを備えたミドルクラス市場向けのスマートフォンだが,今回発表された製品のなかでは,最もゲーム用機能に力を入れているという印象だ。

arrows NX9 F-52A
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 富士通コネクテッドテクノロジーズが「ゲームゾーン」と呼ぶゲーム向け機能は,ゲーム内の動作設定を行う「ゲームチューニング」と「実況録画」の2つに分かれる。どちらもプロeスポーツチームやゲーム実況配信者と共同で開発したものになるという。
 このうち,ゲームチューニングでは,プロ選手の要望をもとに,個別のゲームタイトルごとに行える細かな「ゲームチューニング・フォーカス設定」や,すべてのタイトルに対して適用できる「共通クイック設定」が利用可能だ。

ゲームゾーンを紹介するパネル。プロゲーマーの意見を取り入れた豊富な機能をアピールする
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ゲームゾーンの設定画面。ゲーム共通共通設定とゲームごとの設定に分かれている
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ゲームランチャー機能も備えている

 ゲームチューニングは,上部に共通クイック設定として,通知の抑止,パフォーマンスの切り替え,ナビゲーションバーのロックが行える。その下にゲームごとの細かい設定があるので,順に見ていこう。

ゲームチューニングの設定画面
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 「パフォーマンス設定」は「通常」「性能優先」「電池優先」という3つのプリセットで切り替える。いずれもSoCの動作モードを変更するとのことだが,最終調整を行っている段階だそうで,具体的な設定については非公開だった。おそらく動作クロックの調整を行うのであろう。
 「ディスプレイ設定」は,3段階のプリセットから画面の明るさを調整する。

 「Wi-Fi低遅延モード」は,Wi-Fi接続時の遅延を減らすもので,Wi-Fi関連モジュールの消費電力が大きくなる代わりに,通信を安定させる動作モードだ。その下には,「(ゲーム)起動時のメモリ解放」や「着信の抑止」,「通知を抑止」,「画面端のタッチ誤動作を抑止」などの機能が続く。
 
 画面端のタッチ誤動作を抑止は,画面端におけるタッチ感度を下げるというものだ。そのため,縦持ちと横持ちといった持ち方に関係なく効果を発揮する。機能がオンの状態とオフの状態で,違いがすぐに分かるくらいなので,気になる人は店頭で試してみるといいだろう。

ゲーム中からもゲームゾーンを呼び出せる。標準設定だと画面左端にあるバーをフリックすると,メニューが表示する
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arrows NX9は,録画関連の設定も豊富に用意する。録画した後から編集しやすいように,音関連のソースを切り分けて保存することも可能だ
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LG VELVET L-52A


 LG VELVETは,「LG V60 ThinQ 5G」(以下,V60 ThinQ 5G)や「LG G8X ThinQ」(以下,G8X ThinQ)と同様に,本体と同サイズの有機ELパネルを搭載した専用ケース「LGデュアルスクリーン」と組み合わせることで,2画面スマートフォンとしても利用できるのが特徴だ。

LG VELVET
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 ただし,V60 ThinQ 5GとG8X ThinQでは,LGデュアルスクリーンが付属品だったが,LG VELVETでは別売りになることに注意したい。購入時に端末単体,または端末とLGデュアルスクリーンのセットを選ぶこと可能だ。LGデュアルスクリーンの単体販売を行う予定はないという。

 LG VELVETの公称本体サイズは,約74(W)×167(D)×7.9(H)mm,公称本体重量は約180gとなる。一方,LGデュアルスクリーンに装着時は,約88(W)×174(D)×14.4(H)mmで,約309gとなる。
 ディスプレイは,本体とLGデュアルスクリーンともに,約6.8インチサイズ,解像度1080×2460ドット,横持ち時のアスペクト比が20.5:9の有機ELパネルを採用する。

左がLG VELVET。右が筆者の私物であるLG G8X ThinQ。LG VELVETは,9:20.5の縦長ディスプレイになったことで持ちやすくなった
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 それぞれの画面に対して,異なるアプリを表示して操作できるので,たとえばSNSや動画配信サイトをチェックしながらゲームをプレイしたり,複数のゲームを同時に進めたりすることも可能だ。また,Androidのマルチタスク機能を使用すると,動画を見ながら2つのゲームを楽しめる。

ながらプレイ用としては,とてもいい。ちなみに,2画面は外出時でもとても便利なのだが,COVID-19の影響で家にいることが増えると,途端に出番が減ってしまった
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 ゲーム向けの機能は,「ゲームランチャー」内の「ゲームツール」から利用できる。「ゲーム画質の調整」では,画面解像度とフレームレートを調整できる。また,通知の抑制やゲームプレイ中にほかのアプリの音声をミュートするメディア無音といった機能も従来製品と変わらない。ほかの製品と比べるとゲーム向け機能は控えめだ。

設定画面。ゲームランチャー内にゲームツールの項目がある
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ゲーム画質の調整では解像度とフレームレートが設定できる
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 一方で,LG VELVETには,「AIゲームオプティマイザ」が新たに搭載となった。詳しい説明はなかったのだが,おそらく機械学習をもとにしたアプリの最適化機能のようだ。今回試した限りでは,オンとオフであまり効果は感じられず,最適化するゲームによっても差が出そうだ。

 また,LGデュアルスクリーンを活用した機能として,「LGゲームパッド」がある。これはLGデュアルスクリーン側に,仮想ゲームパッドを表示できるものだ。一見,便利そうに思えるのだが,ボタンを押したときなどのフィードバックがないため,違和感が拭えなかった。画面上に取り付けられるアナログスティックやボタンなどの小物を駆使するとようやく使い物になる。相当クセが強いため,気になる人は店頭でチェックすることを強くオススメする。


ドコモによるeスポーツ大会は今後詳細を発表


 今回の発表会では,ドコモのeスポーツ事業参入も大きな話題となった(関連記事)。2021年に「PUBG MOBILE」のプロリーグ戦を行うほか,「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」の大会も開催するという。こちらについてももう少し詳しい話を聞いたので紹介したい。

 2021年2月からスタートするPUBG MOBILEのリーグ戦は,COVID-19の影響を考慮して,いまのところオンラインベースでの開催になるそうだ。一方で,リーグ戦ではとくに公式スマートフォンなどの定めはないという。選手間で端末や通信環境が異なると,戦績にも差が生じてしまいそうだが,これについては対策を検討中とのことだ。
 現時点では,リーグ戦の開催を発表した段階で,通信環境や端末周りのレギュレーションは策定中であり,年内に詳細を発表するという。

話を聞く限りは「やるぞ!」とキックオフした直後な印象だった
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PUBG MOBILEは世界大会の開催も視野に入れている
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 一方のリーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフトは,誰でも参加可能な大会になる。ドコモとしては,プロリーグと並行して誰でも参加できる大会も主催していくとのことで,今回発表した2タイトルだけでなく,扱うゲームジャンルについても幅広くしたいほか,スマホタイトルに限らず進めていく方向だ。
 また,ドコモは,独自のクラウドゲームサービス「dゲーム プレイチケット」を提供している。「GeForce NOW」などを含め,クラウドゲームサービスに注目を集める中,こうしたサービスを活用した大会を開催する可能性もありうる。

 5Gがどのくらい普及するのかにも関連しそうだが,ドコモは「EVO JAPAN 2018」や「TGS 2019」において5G技術を利用したデモをしており(関連記事1関連記事2),今後もゲーム関連に力を入れることを期待できそうだ。

NTTドコモの2020年冬および2021年春モデル特設サイト

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