［TGS 2011］「真・三國無双 NEXT」はPlayStation Vitaの機能を駆使した意欲作。インプレッションをお届け

　東京ゲームショウ2011で一番の盛り上がりを見せていたのが，PlayStaion Vitaであることに，異論を挟む人は少ないだろう。事実，開場後に最も早く長い行列ができていたのがPlayStaion Vitaの展示ブースだった。 そんな大注目のPlayStation Vitaの出展タイトルの中で，個人的にもっとも「Vitaらしい」と感じた，「真・三國無双 NEXT」をプレイした印象をお届けする。

　本作はコーエーテクモゲームスの人気アクションゲーム三國無双シリーズのPlayStation Vita版で，2011年12月17日の発売が予定されている。筆者は夏侯惇を選び，「■水関（※しすいかん）の戦い」のステージに挑戦した。ザコ敵を片っ端から倒しながら拠点を制圧し，ステージごとに設定されている目的の達成を目指すという基本的な流れは，従来作通り。ジャンプやガード，チャージ攻撃や無双乱舞といったアクションも行える。では，いったいなにが新しいのかというと，PlayStation Vitaならでは機能が盛り込まれており，従来作とはプレイフィールがかなり違うのだ。

（※■はさんずいに巳）

　例えば，マップ移動中に突然停止し，ザコ敵が一斉に襲い掛かってくる。これは“アクシデンタルバトル”と呼ばれるもので，いわゆる奇襲だ。制限時間内に画面に映っている敵を直接タップして迎撃するのだ。数が増えてくると，連打に近いくらいのペースでタップしまくる必要があり，これだけでも結構忙しい。


　しかも，同じアクシデンタルバトルでも，“画面の外”から襲い掛かってくるケースが出てくるのだ。そういった場合はどうするかというと，PlayStation Vita本体を動かすことによってカメラが動き，見えていなかった敵を発見できる。その状態で敵をタップすれば迎撃できる。つまり指先だけでなく，体全体を使って遊ぶわけで，これがすこぶる楽しい。

　戦闘を続けていると，画面左下にある2本のゲージが溜まっていく。そして黄色（横方向）のゲージがマックスになった状態で本体の背面をタッチすると，必殺技“神速乱舞”が発動可能だ。夏侯惇の神速乱舞は，画面を左右にスワイプすることで，周囲に斬りかかりまくるというもの。同じ必殺技でも，従来作のようにボタンを押して繰り出すのと，指を滑らせるのでは没入感がまるで違う。まさに斬っているという感じだ。


　画面左下にあるもう一本の緑色のゲージ（縦方向）が溜まると，別の必殺技“ダイレクトブレイク”が使える。これは，ミニマップ内にある敵拠点をタップすることで，即座に制圧できるというもの凄い技だ。
　そういった技などを駆使しつつある程度攻略を進めていくと，敵武将が現れ，一騎討ちモードに突入する。このときは敵が繰り出す攻撃の軌道を見極めて指をフリップしながら戦っていく。これもすこぶる新鮮だ。


　夏侯惇の次は王元姫でプレイしてみたが，武将によってPlayStation Vita本体の違った機能が必要になることに驚いた。例えば同じ神速乱舞を繰り出しても，遠距離攻撃タイプの王元姫の場合は，“一定時間連射モード”になる。この際の照準はジャイロで行い，左右にスワイプしまくる夏侯惇とは大分違う。思わず全武将でプレイしたくなってしまったのだが，残念ながらここでプレイ時間は終了となった。


　筆者は今回初めてPlayStation Vitaに触れたのだが，このハードそのものが非常に魅力的だと感じた。まず画面の綺麗さや，アナログスティックの操作感だけでも，もはやPSPに戻れない気がする。タッチパネルの精度も良く，アクシデンタルバトルの連打もきっちり反映されている。背面タッチに関しても，事前情報を見る限りは使いにくそうにも思えたが，本作のダイレクトブレイクでは細かい照準が求められない使用で，背面をタッチする操作感が純粋に新鮮だ。

　今回お伝えしてきたように本作は，PlayStation Vitaならではの機能を使った要素があり，従来作とは操作が異なる部分がある。そのため，シリーズ作をやり込んでいる人ほど，最初は戸惑うかもしれない。だが，慣れてくるとこれまでとは違った面白さを味わえるだろう。なお，最後に本作のプレイムービーを掲載しておくので，その雰囲気を感じ取ってほしい。

「真・三國無双 NEXT」公式サイト