「TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-」第2期「Unlimited Blade Works」がスタート。前期と何が変わったのかをレポートしよう

　「Fate/stay night」の生誕15周年を記念した展示会「TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-」。ソニーミュージック六本木ミュージアムにて開催されているこの展示会は，第1期「Fate」（2019年12月20日〜2020年1月20日），第2期「Unlimited Blade Works」（2020年1月23日〜2月24日），第3期「Heaven’s Feel」（2月27日〜4月5日）と，3つの期間に分けて開催されており，それぞれ「Fate/stay night」の3つの物語とそのヒロインをテーマに異なる資料が展示されている。

　1月20日に終了した第1期「Fate」は，会期中に3万人の来場者を記録したとのことで，多くのファンが「Fate/stay night」やTYPE-MOONに関心を寄せていることが分かるだろう。そして，1月23日から第2期「Unlimited Blade Works」がスタートした。その前日に行われた「Unlimited Blade Works」内覧会に参加してきたので，展示内容がどのように変更されたのかをレポートしよう。

「TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-」公式サイト

　入口を抜けた先の「OPENING THEATER」で鑑賞できる映像は，前半部分は「Fate」と同じだが，後半は「Unlimited Blade Works」を象徴するイベントシーンが豊富な映像に変更されている。ここに来場する人であれば，おそらく問題はないと思うが，ネタバレになるシーンも収録されているので注意しよう。

　「HEROINE AREA」では，セイバー，遠坂 凛，間桐 桜のパネルと合わせて展示されていた生原稿が変更されていた。


　続いて，奈須きのこ氏の作業場を再現した「TYPE-MOONの素顔」では，オリジナルのTRPG「鉄の紋章」の中身が公開された状態での展示になっていた。また，TVアニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」の制作プロットも展示されており，制作当初から聖杯戦争から1年後のキャラクターを描くことが決まっていたり，葛木とキャスターの会話を追加する案が検討されていたりしたことが分かる。

　TYPE-MOONのスタッフのエリアでは，スタッフに対するQ＆Aと，それに対する返答がすべて変更されている。パッと見だと（とくにFateで来場した人は）スルーしそうになるので，確認をお忘れなきよう。また，武内 崇氏とこやまひろかず氏，そして下越氏の色紙が変更されているのでこちらも必見だ。
　注目は，武内氏の短編マンガ「勇者部ただいま活動中!!」の原稿（「Fate」のときとは違うページが展示）や，武内氏の同人誌「Valkyria（ワルキューレ）」の展示だ。
　「Fate/Grand Order」にも武内氏がキャラクターイラストを担当したワルキューレというサーヴァントが登場するが，この同人誌のキャラクターはその源流の1つにあたると言えるのかもしれない。ぜひ一読して，と言いたいところだが，20年以上前に頒布された同人誌であるため，手に取るのはかなり難しいだろう。


　「資料と制作物で綴るTYPE-MOON史」は，大量のコミケグッズ群のなかに，2019年末に開催されたコミックマーケット97で販売されたダ・ヴィンチちゃんのグッズや，購入特典のカレンダーが追加された。

　続く「MATERIAL」エリアに展示されていたテレフォンカードは，「月姫」や「歌月十夜」の線画や過去のエイプリルフール企画のイラスト，「カプセルさーばんと」の企画や絵コンテなどをまとめた「TYPE-MOON MATERIAL」に置き換わっている。古いTYPE-MOONファンほど懐かしさを覚えるエリアとなるだろう。その右手には，「Fate」のときとは異なる「Fate/hollow ataraxia」の制作資料が展示されていた。


　「Fate/stay night」の製作過程を閲覧できる「How to make “Fate/stay night”」のうち，「FRAGMENTS」エリアはパネル展示の一部が変更。ケース内には，遠坂 凛の初期設定がぎっしり詰まった貴重な文字資料が収められている。中には“久遠寺 凛”と表記された興味深い資料も。


　「EMSEMBLE」エリアにはPC版，およびPS Vita版の「Fate/stay night」のオープニングムービーの絵コンテや原画が展示されている。


　「Gallery “TYPE-MOON”」エリアは，展示イラストがすべて一新。展示会のキービジュアルとなっている遠坂 凛のイラストや，今回の展示会のテーマでもある 「Unlimited Blade Works」のキービジュアルはもちろんのこと，「空の境界」の“式”のイラストなどが大きく展示されていて見応えがある。


　グッズなどが展示された「TYPE-MOON LIFE」とANIMATION WALLの「ROUTE」の2つに分かれている「TYPE-MOONと私たちの時代」。ANIMATION WALLには，TVアニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」の原画や絵コンテなどが展示されていた。その向かいにあるゲームの時系列のフローチャートも [Unlimited Blade Works]に変更されている。


　物語にあわせてプロジェクションマッピングがジオラマに投影される「Fuyuki City; Day & Nightmare」では，これも今回のテーマに沿った [Unlimited Blade Works]をフィーチャーしたものになっている。


　最後のエリアとなる「“カーニバル”の幻影」では，クリエイターの色紙が一新。今回も意外な方々の色紙が展示されているので，ぜひ現地で確かめてみてほしい。



　正直なところ，間違い探しのような感覚で展示物を見て回ってきたが，よくよく見ると「OPENING THEATER」から「Fuyuki City; Day & Nightmare」まで，展示物のほとんどが変更されている。印象としては見応えよりも，読み応えのある第2期になっているのではないかと思う。第1期の「Fate」同様，この機会を逃すと二度と見られないかもしれない展示物もあるので，興味のある人はぜひ会場を訪れてもらいたい。

第2期にあわせて「Unlimited Blade Works」のピンバッチが発売

遠坂神社のタペストリーやアクリルマスコットも販売中。これらのアイテムは1月限定の商品なので，欲しい人は1月中に会場を訪れよう

会場には15周年記念のフィギュアやオルゴールなども展示。「サーヴァントクラスカードトレーディングフィギュア」は，会場の物販ブースで購入可能。“−オルゴール「ローレライ」−”は展示品を触って，音を聞くこともできる

Nintendo Switchで発売予定の「毎日♪ 衛宮さんちの今日のごはん」のティザーPVが展示会で公開中。セイバーのキャラクターモデルを使用したPVで，ディスプレイのなかで生き生きと料理したり，食事をするセイバーが愛らしい

カフェに新メニュー「なすときのこの甘辛豚丼」が登場。これを食べれば，奈須氏の才能を取り込める……のか？ 「士郎の和食膳」は，主菜が天ぷらから鯖のみそ煮に変更されたとのこと。また，ラテアートカフェの絵柄も変更されている

「Fate」のときには紹介できなかった「TYPE-MOON PRODUCTS」を改めて紹介。このエリアには，「月姫」をはじめとしたTYPE-MOONが制作に関わったゲームや書籍などが一堂に会している。月姫の体験版フロッピーなどは，かなりのレアものと言えるだろう

【TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡- 開催概要】
開催場所：ソニーミュージック六本木ミュージアム
開催時間：10:00〜20:00
開催期間：
第1期“Fate”
2019年12月20日（金）〜2020年1月20日（月）
第2期“Unlimited Blade Works”
2020年1月23日（木） 〜2020年2月24日（月）
第3期“Heaven’s Feel”
2020年2月27日（木） 〜2020年4月5日（日）

【チケット情報】
・前売券：2300円
日時指定制にて販売

・当日券：2500円

「TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-」公式サイト