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【PR】日本語版「ウォーキング・デッド」がついに登場。すべてが崩壊した世界に希望はあるのか。プレイヤーに問われる究極の選択とは
ついに日本語版が登場した「ウォーキング・デッド」
2013年12月5日,サイバーフロントから発売される「ウォーキング・デッド」(PC/PlayStation 3)は,蘇った死者「ウォーカー」の大量出現によって文明が崩壊した現代のアメリカを描くアドベンチャーゲームだ。
2010年にスタートし,北米で現在第4シーズンが放映されているテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」を知っている人も多いと思うが,テレビ版の原作となったのは,アメコミ作家のロバート・カークマン氏らによる同名のグラフィックスノベル。テレビシリーズは,放映開始と同時に驚異的な視聴率を獲得し,ゴールデングローブ賞にノミネートされるなど評価も高く,また原作のグラフィックスノベルも,2003年の第1弾リリース以来,現在も新刊が発売されるベストセラーになっている。
「ウォーキング・デッド」公式サイト
ゲーム版「ウォーキング・デッド」を開発したのは,カリフォルニアのTelltale Gamesで,「Sam&Max」や「Jurassic Park: The Game」など,エピソード形式のアドベンチャーゲームを得意とするメーカーだ。北米では全エピソードをワンパックにしたバージョンが2012年12月にリリースされているが,エピソード1の発売以降,90を超えるゲームメディアが本作にゲーム・オブ・ザ・イヤーを与えただけでなく,ニューヨーク・タイムズやニューヨーク・ポストといった一般メディアも絶賛するという,同社を代表する作品になった。
そんなゾンビラッシュの中,この「ウォーキング・デッド」は先行発売された欧米でなぜ,それほど高い評価を獲得したのだろうか? 個人的に,2011年12月に開催された「Spike TV Video Game Awards」で,並み居る強敵を押しのけて本作がゲーム・オブ・ザ・イヤーに選出されたとき,「マジで?」と驚いた経験を持つだけに,興味深いところだ。
崩壊した世界で出会った,殺人犯と少女
上記の人気ゾンビタイトルのほとんどはFPSまたはTPSだが,冒頭にも書いたように本作はアドベンチャー。ところどころアクションを要求されるシーンは出てくるが,もっぱらさまざまな問題を解決しつつ物語を追っていくという内容だ。ストーリーは一応,グラフィックスノベルをベースにしており,ジョージア州で起きた「ゾンビ大発生」を中心に描かれる。とはいえ,キャラクターやストーリーはほとんどゲームオリジナルで,一部に共通するキャラクターなどが登場するものの,グラフィックスノベルとも,またテレビシリーズとも異なるストーリーになっている。同じ出来事を背景にした,もう一つの「ウォーキング・デッド」というわけだ。
主人公のリー・エヴェレットは殺人犯。ジョージア州立大学教授というインテリだが,妻の浮気相手だった州議会上院議員を殺害した罪に問われ,パトカーで刑務所に移送される途中だ。パトカーの警察無線にはひっきりなしに緊急連絡が入り,上空をヘリコプターが飛んでいくという物々しい雰囲気。それにも関わらず,おしゃべりに夢中になった警官が脇見運転をしたとき,路上にフラフラと出てきた何者かと接触したパトカーはハイウェイを飛び出してしまう。
大破したパトカーの中で九死に一生を得たリーだったが,投げ出された警官は死亡。ところが,死んだ警官が化け物となって蘇ったばかりか,無数の歩く死体,ウォーカーがリーに迫ってくる。わけも分からず逃げ込んだ家で,リーは少女クレメンタインと出会う。
ツリーハウスに隠れて両親の帰りを待っていたクレメンタインだが,留守番電話を聞いたリーは,彼女の両親が戻ってくる可能性がほとんどないことを知っていた。かくして,リーとクレメンタインは安全な土地を求めて旅を始める……というのが物語の発端だ。
プレイヤーはリーを操作しつつ,ゲームを進めていくことになる。
掲載したスクリーンショットにもあるように,グラフィックスはコミックスを意識したものになっており,キャラクターはデフォルメされて太い輪郭線で描かれる。とはいえ,斧を振るってウォーカーの頭を叩きつぶしたりなど,かなりエグい場面も正面から描かれており,ゲーム画面はリアル系グラフィックスとはまた違った迫力を持っている。
ゲームシステムとしては,海外のPC向けアドベンチャーで一般的なポイント&クリック式が採用されている(コンシューマ機の場合“クリック”ではなく,ボタンを押すわけだが)。見るべきものや,拾えるアイテム,会話できる相手などにアイコンが表示されるので,リーを移動させてアイコンをチェックすればいいわけだ。
ほかのキャラクターと会話してフラグを立てることも重要で,会話は,表示された候補から一つを選択するスタイルになっている。ただし,いくつかの会話選択には制限時間が設けられており,時間内に選択しないと無言のままだったりする。会話することで各キャラクターの人格も分かるし,状況もつかみやすくなる。ヒントをくれる場合もあるので,機会があれば積極的にお話ししたいところ。ただし,リーは殺人犯なので,過去を聞かれて口ごもり,相手の警戒心を誘ってしまうこともある。
以上,文章で説明するとややこしく聞こえるかもしれないが,ちょっとプレイすればすぐに理解できるはずだ。
プレイヤーに問いかけられる「究極の選択」とは
ゲームはこんな感じで進んでいく。例えば,通りの向こう,倒れた電柱の下敷きになったウォーカーが動けずにもがいているとしよう。会話をしたり証拠を集めることで,そのウォーカーが現在必要なアイテムを身に付けていることが分かるが,通りはウォーカーだらけで容易に近づけない。手元にあるのは汎用リモコンで,通りに面した電気店のショーウィンドウには売り物のテレビが並んでいる。何か音をたてて,ウォーカーの注意をひきつけ,そのスキに倒れたウォーカーからアイテムを奪えばいいはずだが,さて,どうするか? という感じだ。
そこのあなた,簡単だと思ったでしょ? ところがどっこい,リモコンを使ってうまくテレビをつけたとしても,ショーウィンドウのガラスのせいで通りに音が聞こえてこず,ここで,もう一つ考え込まなければならない。このあたりの緩急自在ぶりは,さすがアドベンチャーに慣れたTelltaleという感じで,試行錯誤の末にうまくいったときはかなり気持ちがいい。
もっとも,ガチなアドベンチャーに比べれば,パズルの難度は低め設定。いつもこっそりと海外サイトのウォークスルーなどをカンニングする筆者も,本作は自力でオッケーだったほどだ。
また,ウォーカーに押し破られそうな扉を押さえる,襲ってきたウォーカーを撃退する,あるいはウォーカーの背後に忍び寄って脳天にドライバーを突き刺すといったアクション場面は,タイミングよく決められたキーを押していくQTE(クイックタイムイベント)か,ターゲットにカーソルをうまく合わせてボタンを押すというものになっている。
しばしばうっかりウォーカーに食われてゲームオーバーになっている筆者に言われても説得力はないかもしれないが,いずれもそれほど難しくはないものの,油断しているといきなりアクションシーンが始まってビックリするという演出が割と憎い。
余談ながら,原作コミックスやテレビシリーズと同様,本作も必ずしもウォーカーに噛まれなくても,普通の死者がウォーカーになってしまうという不気味な設定が採用されている。我々人間はすでに何かに感染しているということなのか,あるいはまた別の理由なのかは語られないが,そのため,仲間の死に際して厳しい選択を迫られる場合がある。
■次々に突き付けられる,厳しい選択
おそらく,本作の評価を決定的にしたのはそうした究極の選択の存在だろう。ゲームを進めていくと,例えば二人の仲間がウォーカーに襲われたとき,どちらを助けるかといった重い選択を強いられることがある。一人は仲間,一人は子供,時間は限られている。どちらにも家族がおり,愛する人がいる。どうすべきなのか。といった感じだ。どうします?
このほか,例えばウォーカーに噛まれ,もう終わりだと悟った女性に銃を貸してくれと頼まれたとき,渡すか,渡さないか。あるいは,今日の配給分である食糧4つを10人の生存者に配給しなくてはならないが,誰に配ればいいのか,といった選択を突き付けられるのだ。電気も食べ物もなく,ウォーカーが徘徊する状況下,リーはしばしば厳しい判断を迫られ,そのたびに,自分達がいかに崩壊した世界に生きているかを強く感じることになる。
しかも,決断の末に助けた相手がのちのエピソードで死んでしまうこともあり,そうなったときの救いのなさはハンパではない。そのためリーは,いつも眉間にしわを寄せ,次々にやってくる苦しい判断を,悩みつつ下していく。すべては,生き残るためなのだ。
あなたの選択がゲームの流れを変える
ゲーム的には,こうしたプレイヤーの選択(「選択しない」という選択もある)によって,基本的な物語の大枠は変わらないものの,展開の細部が違っていく。そのため,本作のリプレイ性はかなり高い。
あのとき,自分はああしたけど,それは正しかったのか。いや,果たしてこの世界に正解などはあるのか,ということを考え始めると夜も寝られなくなり,どんどん物語にのめり込んでいくという寸法だ。このあたりが,本作が高い評価を獲得した理由なのだろう。
二人は,旅を続けるうちに何人もの生存者と知り合うが,当然ながら,いい人ばかりではない。モラルも価値観も崩壊した世の中で人々は互いにエゴをぶつけ合い,ささいなことで対立してしまうのだ。ちょっとステレオタイプすぎるところもあるが,こういう人っているよね,と思わせる人物造形が巧みで,ドラマを盛り上げてくれる。そして,イヤな人物でも親近感を覚えるキャラクターでも,ときとして本当にあっさり死んでしまったりするところが,なんとも切ない。
■おもな登場人物
リー | クレメンタイン |
主人公。元大学教授で,妻の浮気相手を殺した罪で刑務所に移送される途中,ウォーカー騒ぎに巻き込まれる。クレメンタインと出会い,彼女を助けて生きていくことを決意する |
ウォーカーに囲まれながら,ツリーハウスに隠れて生き延びていた少女。リーに助けられ,その後,彼と行動を共にする。口数は少なく内気で,いつか両親に会えると信じている |
ケニー | カーチャ |
農場で出会った一家の父親。家族のことを第一に考えているが,そのため,ときとしてエゴをむき出しにする |
ケニーの妻で獣医。生存者の中で医者の代わりを務める。優しい性格で,短気なケニーをなだめる場面も多い |
ダック | グレン |
10歳になるケニーの息子。おしゃべりで,クレメンタインにはやや煙たがられている |
ドラッグストアの生存者の一人。常に周囲を助けようとする性格で,行動力がある |
カーリー | ダグ |
ドラッグストアの生存者で,ニュースレポーター。銃の扱いに長けており頼りになる |
ドラッグストアにいた生存者の一人。ややのんびりした性格で,電化製品に詳しい |
リリー | ラリー |
ドラッグストアに立てこもっていた生存者の一人。空軍基地の地上勤務をする軍人で,常にリーダーシップをとろうとする |
リリーの父親で,威圧的な人物。娘を守るためには手段を選ばず,その利己的な態度のせいで,しばしば周囲と衝突する |
ショーン | ハーシェル |
クレメンタインの家を出たときに出会った青年。実家の農場へ二人を案内してくれる |
ショーンの父親で農場を経営している。街の様子を見ていないので,騒ぎには懐疑的 |
生存者の中には,盗賊を初めとして人間性さえ失ってしまった者も多数おり,ぶっちゃけ,ウォーカーよりずっと怖い。
本当に怖いのは人間なのだ。だが,リーはクレメンタインのためにも,人としての尊厳を保ったまま生き続けようとする。そして,プレイヤーはそんなリーの姿に強く感情移入し,物語の続きが知りたくてたまらなくなる。少なくとも,筆者はそうなった。リー・エヴェレット,あんたカッコいいよ。
果たして,二人を待ち受ける過酷な運命とは? たくさんの登場人物のうち,生き残るのは誰なのか? 安住の地はあるのか? 彼らの旅路が気になる人,さらに,なぜ本作が北米でこれほど評判になったのか知りたいという人は,日本語字幕付きでストーリーも分かりやすくなったことだし,ぜひ遊んでほしい。
「ウォーキング・デッド」公式サイト
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ウォーキング・デッド
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(C) 2012-13 Telltale, Inc. THE WALKING DEAD is (C) 2012-13 Robert Kirkman, LLC. Based on the Comic Book by Robert Kirkman, Tony Moore and Charlie Adlard. Telltale and the Telltale Games logo are trademarks of Telltale, Inc.
(C) 2012-13 Telltale, Inc. THE WALKING DEAD is (C) 2012-13 Robert Kirkman, LLC. Based on the Comic Book by Robert Kirkman, Tony Moore and Charlie Adlard. Telltale and the Telltale Games logo are trademarks of Telltale, Inc.