折りたたみ式スマホ「Galaxy Z Fold5」「Galaxy Z Flip5」が国内発表。ヒンジの改良でより薄型軽量化を実現

　2023年8月22日，Samsung Electronics（以下，Samsung）は，「Galaxy」ブランドの折りたたみ式スマートフォン2機種「Galaxy Z Fold5」（以下，Fold5）と，「Galaxy Z Flip5」（以下，Flip5）を国内発表した。いずれも2023年7月に海外に向けて発表となった製品で（関連記事），筐体の設計を見直すことで，従来モデルと比べて，薄型軽量化を実現したのが見どころとなる。NTTドコモとKDDIが9月1日に発売する予定で，予約をすでに開始している。税込価格は以下のとおり。

●Galaxy Z Fold5

• NTTドコモ：25万7400円から
• KDDI：24万2660円から

●Galaxy Z Flip5

• NTTドコモ：16万820円から
• KDDI：15万4300円から

Galaxy Z Fold5

　Fold5は，本体を開いた状態の内側に約7.6インチで，解像度が2176×1812ドットのメインディスプレイと，たたんだ状態では外側の一部に約6.2インチサイズで，解像度が2316×904ドットのサブディスプレイを備えた折りたたみ式スマートフォンだ。

Fold5。筐体を開くと7.6インチサイズのメインディスプレイが現れる

ディスプレイを途中まで開き，角度を付けた状態で利用する「Flexモード」に対応するアプリも増えているという

折りたたんだ状態。横幅が狭いので持ちやすい形状だ

　本製品が新たに採用した「フレックスヒンジ」は，ヒンジが涙滴型に曲がることで，折りたたんだメインディスプレイの隙間がなくなった。折りたたんだときの厚さは約13.4mmで，従来製品の「Galaxy Z Fold4」（以下，Fold4）と比べて，最大で2.4mmの薄型化を実現したという。
　また，Fold4は，ディスプレイを開いたときの厚みが約6.3mmだったのに対して，Fold5では約6.1mmと，筐体そのものもわずかに薄くなっている。

折りたたんだ状態のヒンジ側

ヒンジとは逆の側。指紋認証センサー内蔵の［電源/スリープ］ボタンと音量調整ボタン，SIMスロットなどを備える

上側面。Fold4では，ヒンジ側が厚かったが，Fold5では全体的に厚みが均一となった

下側面。USB Type-Cポートを搭載する

　搭載SoC（System-on-a-chip）は，「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy」で，Fold4に採用する「Snapdragon 8＋ Gen 1」と比べて，CPU性能が17％，GPU性能が25％，機械学習処理を行うNPUの性能が20％向上したそうだ。

　メインメモリ容量は12GBで，内蔵ストレージ容量は256GBだ。なお，通信事業者のオンラインストア限定モデルを用意しており，NTTドコモ版では容量512GB，KDDI版では容量512GBと1TBが選択可能だ。なお，2023年4月に国内発売した「Galaxy S23」シリーズと同様に，期間限定で内蔵ストレージ容量の倍増キャンペーンを実施する予定で，512GBモデルを購入した場合，256GBとの差額を，1TBモデルは512GBとの差額をdポイントやau PAYギフトカードで還元するという。
　そのほかにも，Fold5を購入すると，Samsung製の完全ワイヤレスイヤフォン「Galaxy Buds2」がもらえる発売キャンペーンも行うとのことだ。

カラーバリエーションは，Phantom Black（左）とIcy Blue（右）の2色展開となる

Galaxyシリーズ用スタイラス「S Pen」を収納できる純正ケース

グリップ付きなど，さまざまなケースを用意する

表1　Galaxy Z Fold5の主なスペック

メーカー	Samsung Electronics
OS	Android 13
ディスプレイパネル	・メイン：7.6インチ有機EL，解像度1812×2176ドット，リフレッシュレート1〜120Hz ・サブ：6.2インチ有機EL，解像度904×2316ドット，リフレッシュレート48〜120Hz
プロセッサ	Qualcomm製「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」 ・CPUコア：Kryo（最大3.36GHz） ・GPUコア：Adreno
メインメモリ容量	12GB
ストレージ	256GB，512GB，1TB
アウトカメラ	3眼式 ・標準：約5000万画素，F1.8，光学式手振れ補正対応 ・広角：約1200万画素，F2.2 ・望遠：約1000万画素，F2.4，光学式手振れ補正対応
インカメラ	展開時：約400万画素，F1.8 折りたたみ時：約1000万画素，F2.2
対応5Gバンド	未公開
対応LTEバンド	未公開
対応3Gバンド	未公開
無線LAN対応	未公開
Bluetooth対応	未公開
バッテリー容量	4400mAh
連続待受時間	未公開
連続通話時間	未公開
USBポート	USB Type-C
公称本体サイズ	・展開時：129.9（W）×154.9（D）×6.1（H）mm ・折りたたみ時：71.1（W）×154.9（D）×15.1（H）mm
公称本体重量	約253g
本体カラー	Icy Blue，Phantom Black

Galaxy Z Flip5

　一方のFlip5は，ディスプレイの中央部から縦方向に折りたためるスマートフォンだ。Fold5と同じく，フレックスヒンジの採用により，筐体が薄くなっている。具体的には，従来モデルの「Galaxy Z Flip4」（以下，Flip4）では，ヒンジ側の厚みが約17.1mm，その逆側の端が15.9mmだった。Flip5は，筐体全体の厚みが約15.1mmと均一なので，最大2mmの薄型化を実現していることになる。

Flip5

折りたたむと手のひらサイズになる

左側面。指紋認証センサー内蔵の［電源/スリープ］ボタンと音量調整ボタンがある

右側面には，SIMカードスロットと，ミリ波の送受信に利用するアンテナ部分を備える

ヒンジ部分

ヒンジ部分と逆側には，USB Type-Cポートを搭載する

　また，Flip5は背面に備えたサブディスプレイ「フレックスウインドウ」のサイズが，Flip4の約1.9インチから3.4インチへと大幅に広くなった。サブディスプレイだけでも，プレビューしながらの自撮りが可能で，ミレニアル世代やZ世代といった比較的若い層の自撮り需要に応えるという。また，サブディスプレイの大型化により，利用できるウィジェット機能なども強化している。

サブディスプレイが大きくなったことで，ウィジェットの表示が見やすくなった。スワイプにより，表示するウィジェットを変更できる

　SoCは，Flip5と同じSnapdragon 8 Gen2 for Galaxyだ。メインメモリ容量は8GBで，内蔵ストレージ容量は256GBとなる。なお，KDDIでは，本体カラーがGraphiteのモデルで，内蔵ストレージ容量512GBも用意するそうだ。

カラーバリエーションは4色で，左上から時計回りで，Mint，Lavender，Cream，Graphiteとなる。通信事業者ごとに，販売するカラーが異なるとのことだ

Galaxy Z Flip5用ケース

表2　Galaxy Z Flip5の主なスペック

メーカー	Samsung Electronics
OS	Android 13
ディスプレイパネル	・メイン：6.7インチ有機EL，解像度1080×2640ドット，リフレッシュレート1〜120Hz ・サブ：3.4インチ有機EL，解像度720×748ドット
プロセッサ	Qualcomm製「Snapdragon 8 Gen2 for Galaxy」 ・CPUコア：Kryo（最大3.36GHz） ・GPUコア：Adreno
メインメモリ容量	8GB
ストレージ	256GB，512GB
アウトカメラ	2眼式 ・標準：約1200万画素，光学式手振れ補正対応F1.8 ・広角：約1200万画素，F2.2
インカメラ	約1000万画素，F2.2
対応5Gバンド	未公開
対応LTEバンド	未公開
対応3Gバンド	未公開
無線LAN対応	未公開
Bluetooth対応	未公開
バッテリー容量	3700mAh
連続待受時間	未公開
連続通話時間	未公開
USBポート	USB Type-C
公称本体サイズ	・展開時：71.9（W）×165.1（D）×6.9（H）mm ・折りたたみ時：71.9（W）×85.1×15.1（H）mm
公称本体重量	約187g
本体カラー	Cream，Graphite，Mint，Lavender

タブレットやスマートウオッチなども国内販売

　Samsungは，Android搭載タブレット「Galaxy Tab S9」シリーズや，スマートウオッチ「Galaxy Watch6」の国内販売も合わせて発表した。いずれも本稿執筆時点で，発売時期や価格は明らかになっていない。

　Galaxy Tab S9シリーズは，ディスプレイサイズとメインメモリ容量，内蔵ストレージ容量が異なる以下の3製品をラインナップする。日本市場向けのモデルは，ディスプレイサイズごとに，メインメモリ容量と内蔵ストレージ容量が1種類しかないので，かなりシンプルな製品構成だ。

• Galaxy Tab S9：11インチサイズ，解像度2560×1600ドット，メインメモリ8GB，内蔵ストレージ容量256GB
• Galaxy Tab S9＋：12.4インチサイズ，解像度2800×1752ドット，メインメモリ12GB，内蔵ストレージ容量256GB
• Galaxy Tab S9 Ultra：14.6インチサイズ，解像度2960×1848ドット，メインメモリ12GB，内蔵ストレージ容量512GB

左からGalaxy Tab S9，Galaxy Tab S9＋，Galaxy Tab S9 Ultra

　Galaxy Tab S9シリーズは，IP68準拠の防塵防水機能を備えるのが見どころである。付属するS PenにもIP68準拠の防塵防水機能があり，たとえばキッチンやバスルームでも，S9シリーズにスタイラス入力を行えそうだ。

表　Galaxy Tab S9シリーズの主なスペック

メーカー	Samsung Electronics
OS	Android 13
ディスプレイパネル	Galaxy Tab S9：11インチ有機EL，解像度2560×1600ドット Galaxy Tab S9＋：12.4インチ有機EL，解像度2800×1752ドット Galaxy Tab S9 Ultra：14.6インチ有機EL，解像度2960×1848ドット
プロセッサ	Qualcomm製「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」 ・CPUコア：Kryo（最大3.36GHz） ・GPUコア：Adreno
メインメモリ容量	Galaxy Tab S9：8GB Galaxy Tab S9＋：12GB Galaxy Tab S9 Ultra：12GB
ストレージ	Galaxy Tab S9：128GB Galaxy Tab S9＋：256GB Galaxy Tab S9 Ultra：512GB
アウトカメラ	2眼式 ・標準：約1300万画素 ・広角：約800万画素
インカメラ	展開時：約1200万画素×2
対応5Gバンド	未公開
対応LTEバンド	未公開
対応3Gバンド	未公開
無線LAN対応	Wi-Fi 6E（IEEE 802.11ax）
Bluetooth対応	5.3
バッテリー容量	Galaxy Tab S9：8400mAh Galaxy Tab S9＋：10090mAh Galaxy Tab S9 Ultra：11200mAh
連続待受時間	未公開
連続通話時間	未公開
USBポート	USB Type-C
公称本体サイズ	Galaxy Tab S9：254.3（W）×165.8（D）×5.9（H）mm Galaxy Tab S9＋：285.4（W）×185.4（D）×5.7（H）mm Galaxy Tab S9 Ultra：326.4（W）×208.6（D）×5.5（H）mm
公称本体重量	Galaxy Tab S9：約498g Galaxy Tab S9＋：約581g Galaxy Tab S9 Ultra：約732g
本体カラー	Graphite

　Galaxy Watch6シリーズは，「Galaxy Watch6」と「Galaxy Watch6 Classic」の2製品をラインナップする。LTE通信に対応するcellularモデルは，NTTドコモとKDDIから，Wi-FiモデルはSamsungオンラインストアなどで9月以降に販売する予定だ。
　いずれも従来製品と比べて，ディスプレイサイズが約1.2倍に大きくなっているという。その一方で，Galaxy Watch6は，ディスプレイ周囲にあるベゼルを，Galaxy Watch6 Classicは，ホイールを狭くすることで，本体サイズは従来製品とそれほど変わらない。

Galaxy Watch6

回転するホイールでの操作が復活したGalaxy Watch6 Classic

　日本市場向け製品では，初めてFeliCaを搭載したのが大きなポイントだ。ただし，対応するサービスは，いまのところ明らかになっていない。今後サービスを提供する各社と調整を進めて，改めて発表するとのことだ。

SamsungのFold5製品情報ページ

SamsungのFlip5製品情報ページ

Samsung日本語公式Webサイト