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満員のヒカセンで横浜アリーナが揺れた!「THE PRIMALS Live in Japan - Darkest Before Dawn」レポート
そして,その2か月後にTHE PRIMALSの軌跡とファンフェスのライブの裏側の模様を配信したスクウェア・エニックス公式番組「スクエニの創り方」で,FFXIVのサウンドディレクターでありTHE PRIMALSのメンバーでもある祖堅正慶氏が,「次は横浜アリーナあたりでやるか!」と発言していたことをご存じだろうか。
あれから月日は流れて2024年9月21日と22日に,「THE PRIMALS Live in Japan - Darkest Before Dawn」が実際に横浜アリーナで開催されたのだ。
配信での祖堅氏の言葉は,“東京ドームでファンフェスもやったし,いずれ横浜アリーナでのライブも実現するんだろうな”くらいにとらえていたので,まさかその半年後に実現するとは思っていなかったのが正直なところ。というか,同年内に東京ドームと横浜アリーナでライブするとか,もはや人気バンドと言わざるを得ないのでは……いや,まさに大人気バンドなのだが。
ともあれ,日本での単独ライブは,2022年の「Beyond the Shadow」以来,実に2年ぶりとなる。「Beyond the Shadow」ではレジェンドクリエイターの植松伸夫氏がゲスト出演するというサプライズがあったが,今回のライブも豪華なゲストが多数参加している。本稿では2日間を通して行われた公演のうち,DAY1(21日)の模様をお届けしよう。
なお,本稿では楽曲名を含むライブのセットリストや,メインストーリーなどの一部についてネタバレとなる映像の画像があるのでご注意を。
今回のライブ開演前のアナウンスやMCは,ヤミセンことアルバートが担当。前回のエメトセルクは皮肉たっぷりな語り口だったが,アルバートはユーモアあふれるしゃべりで会場を沸かせていた。
そんなアルバートの語りが終り,開幕を飾ったのは最新拡張パッケージ「黄金のレガシー」のトレイラーや,オープニングで流れる「Open Sky - The Theme from Dawntrail」。ステージ前面に巨大なスクリーンが張られ,そこに映し出されるトレイラーの映像とシンクロするように演奏が行われた。曲が終るとともに巨大スクリーンは幕を下ろし,間髪入れずに「エスケープ 〜次元の狭間オメガ:アルファ編〜」へと続く。そのテンションに当てられたファンは総立ちとなった。
「エスケープ」を終え,ギターを交換する祖堅氏は「疲れたら座ってもいいから,今日は最後まで自由に楽しんでね」と話し,「ここからはレイドの曲とか,どう?」と「此処に獅子あり 〜万魔殿パンデモニウム:辺獄編〜」「Scream 〜万魔殿パンデモニウム:煉獄編〜」を続けて演奏した。
2曲を終えた祖堅氏は頭に“レギュレーター”を装着し,会場から驚きの声が上がる。このレギュレーターは,中国ファンフェスでスフェーン(のコスプレヒカセン?)にもらったものだとか。そして,これを付けて奏でる曲は,ライブでは初となる「Bee My Honey 〜至天の座アルカディア:ライトヘビー級〜」だ。ポップでキュートでハートが飛び交う曲を男性ボーカルで熱演したのだが,演奏するにあたって原曲だと「Ah-ah」となるところを,ロックらしく「オーライ!」にしてコールアンドレスポンスへの協力を仰ぐ。
そして「Give it All 〜至天の座アルカディア:ライトヘビー級〜」に続くが,ここでAmanda Achen(以下,アマンダ)さんが参戦。炎が飛び交うステージでアマンダさんは,キックやパンチを交えながらパワフルに歌い,会場からも大歓声が飛ぶ。この瞬間,誰もがステージにライトヘビー級4のバトルステージが見えたことだろう。
アマンダさんとバトンタッチするかのように,バイオリニストの伊藤友馬さんがステージに上がり「月満ちる夜 〜喜びの神域 エウプロシュネ〜」を奏でる。バイオリンの音色が響くこの曲は,アライアンスレイド「ミソロジーオブエオルゼア」のなかで筆者も一番好きな曲だ。
演奏後の祖堅氏とのトークで,伊藤氏は「Shadowbringers」や「Endwalker」のトレイラー,「Dawntrail」のフィールドバトルのほか,まだ言えない曲などにも協力しているとのこと。また,1年8か月ほど前に光の戦士になったと話し,このライブまでに「黄金のレガシー」をクリアしたいと思っていたが間に合わなかったと残念がっていた。ちなみにメインジョブは竜騎士とのことだ。
拍手に包まれて伊藤氏が退場したあと,ストリーマーによる極蛮神の討滅戦の配信を見てグッときたと話す祖堅氏は,今日はライブでそれをやろうかな! とスモークに包まれながら「忘却の彼方 〜蛮神シヴァ討滅戦〜」を披露。
演奏後に祖堅氏は,「みなさんもいろいろな蛮神に挑んだでしょうが,僕的に蛮神は誰かというと(FFXIVプロデューサー兼ディレクターの)吉田直樹でしょうね」,と来場している吉田氏に話を振る。祖堅氏が「たくさんヒカセンいるから,なんか話す?」と振ると「マイクくれよ!」と返答のあと,声を張り上げて「会場の皆さんもありがとうございます!」と吉田氏の声が響き,ファンから歓声が上がった。
トークを挟んでライブ中盤戦の嚆矢(こうし)となったのは,「千年の暁 〜朱雀征魂戦〜」。歌うのはもちろん,朱雀役の南條愛乃さんだ。2019年の「FFXIV ファンフェスティバル in 東京」のライブ以来,5年ぶりとなる南條さんは着物ドレス姿で熱唱する。
そして,南條さんが「試してみたかった」と来場者の協力のもと,上手側のケミカルライトを白,下手側を紫にという蛮神ツクヨミのイメージで染めあげた会場に「月下彼岸花 〜蛮神ツクヨミ討滅戦〜」の悲しみが混じる歌声を響き渡らせた。この曲の背景でスクリーンに映し出されていた彼岸花の散るさまと真っ赤な月は,今回のライブでもっとも美しかった映像だったのではないかと思う。
南條さんと入れ替わりでステージに立ったJason Charles Miller(以下,ジェイソン)さんは,「Shadowbringers」「Close in the Distance」を続けて披露した。
「Shadowbringers」ではスクリーンに「漆黒のヴィランズ」の映像が,そして「Close in the Distance」ではスクリーンに「新生エオルゼア」から「暁月のフィナーレ」までを振り返るシーンが投影され,曲と歌声,そして映像が一体となったステージとなっていた。
その余韻を引き継ぐように演奏された「Flow Together」では,アマンダさんが再登場し,その歌声で会場を魅了した。
「Flow Together」のあとは,バンドメンバー紹介を挟んで「混沌の渦動 〜蛮神リヴァイアサン討滅戦〜」「魔神 〜魔神セフィロト討滅戦〜」「過重圧殺! 〜蛮神タイタン討滅戦〜」と怒涛の連続討滅戦。なかでも「過重圧殺!」は炎が飛び交うステージに会場のボルテージも最高潮に達した一曲だった。
討滅戦後の「ロングフォール 〜異界遺構 シルクス・ツイニング〜」では,2021年のデジタルファンフェス以来,伝統となりつつあるダンスをプロのダンサーが披露して会場を沸かせた。それにしても,さすがはプロダンサーというか,キレッキレの“紳士の舞”に思わずクスッっとなった。
そしてラストナンバーに選ばれたのは「暁月のフィナーレ」の「Endwalker - Footfalls」だ。演奏にあわせてジェイソンさんとアマンダさんのボーカル,そして伊藤氏のバイオリンヘとリレーする進行は,東京ドームで行われたファンフェスライブでの感動の再現となった。
スクリーンには,プレイヤーから募集された日常からバトル,そしてエターナルバンドの様子などの映像が流され,ラストには歴代拡張パッケージのロゴが連続で表示されるという演出が心憎かった。
ステージと来場者,そして寄せられた映像とライブの締めを飾るのにふさわしい「Endwalker - Footfalls」だったが,常々「ライブを聞いて,元気になって帰ってほしい!」と語っていた祖堅氏らしくない終わり方でもある。
その杞憂は鳴り響く祖堅氏のトランペットによって払拭される。アンコールの1曲めの「メタル:ブルートジャスティスモード」は開始からハイボルテージで,演奏終わりにはゴールドとシルバーのテープが宙に舞う。間髪入れずに始まった「ライズ 〜機工城アレキサンダー:天動編〜」では,お馴染みとなった時間停止ギミックもバッチリ決まり,さすが歴戦のヒカセンばかりと舌を巻くばかりだ。
そしてトリの「ローカス 〜機工城アレキサンダー:起動編〜」はダンサーがステージで踊ったり,祖堅氏がステージを降りて演奏したりと最後の最後までファンサービスを行い,曲の終わりには全ゲストがステージに上がってフィナーレを迎え,ライブは幕を閉じた。
なお,この日(9月21日のDAY1公演)のライブの模様は,ライブストリーム放送のチケットを購入することで視聴可能だ。チケットは2024年10月7日の20:00までTHE PRIMALSの公式サイトで購入でき,10月7日の23::59まで視聴できる。当日のチケットが買えなかった人やリアルタイムで視聴できなかった人,またライブ開催を知らなかったけど視聴してみたいという人は購入を検討してみてもよさそうだ。
ライブストリーミング情報
配信日時:2024年9月21日(土)
料金:4,400円(税込)
チケット販売期間:2024年9月9日(月)18:00〜10月7日(月)20:00
アーカイブ視聴可能期限:2024年9月22日(日・祝)18:00〜10月7日(月)23:59
販売先:https://cdn.tixplus.jp/feature/theprimals_stpass_202409/
■セットリスト(DAY1)
1. Open Sky - The Theme from Dawntrail
2. エスケープ 〜次元の狭間オメガ:アルファ編〜
3. 此処に獅子あり 〜万魔殿パンデモニウム:辺獄編〜
4. Scream 〜万魔殿パンデモニウム:煉獄編〜
5. Bee My Honey 〜至天の座アルカディア:ライトヘビー級〜
6. Give it All 〜至天の座アルカディア:ライトヘビー級〜
7. 月満ちる夜 〜喜びの神域 エウプロシュネ〜
8. 忘却の彼方 〜蛮神シヴァ討滅戦〜
9. 千年の暁 〜朱雀征魂戦〜
10. 月下彼岸花 〜蛮神ツクヨミ討滅戦〜
11. Shadowbringers
12. Close in the Distance
13. Flow Together
14. 混沌の渦動 〜蛮神リヴァイアサン討滅戦〜
15. 魔神 〜魔神セフィロト討滅戦〜
16. 過重圧殺! 〜蛮神タイタン討滅戦〜
17. ロングフォール 〜異界遺構 シルクス・ツイニング〜
18. Endwalker - Footfalls
●アンコール
19. メタル:ブルートジャスティスモード
20. ライズ 〜機工城アレキサンダー:天動編〜
21. ローカス 〜機工城アレキサンダー:起動編〜
●出演者(敬称略)
祖堅正慶(ギター&ボーカル)
GUNN(ギター)
イワイエイキチ(ベース)
たちばなテツヤ(ドラム)
マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(ボーカル)
●ゲスト
朱雀(CV.南條愛乃)
Jason Charles Miller(ボーカル)
Amanda Achen(ボーカル)
伊藤友馬(バイオリン)
「ファイナルファンタジーXIV」公式サイト
カメラマンクレジット:関口佳代 / 高田真希子
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