［TGS 2013］PlayStation 4ローンチタイトルの「KNACK」は，遊びやすくて骨太アクション。プレイレポート＆直撮りムービーを掲載

　2013年9月19日から22日まで幕張メッセにて行われた東京ゲームショウ2013では，PlayStation 4用アクションゲーム「KNACK」がプレイアブル出展されていた。PS4ローンチタイトルの1つであり，いやが上にも注目が集まる本作のプレイレポート，そして直撮りムービー4本をまとめてお届けしよう。

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアブース（のプレミアムラウンジ）には，PS4のリモートプレイでPlayStation Vitaをコントローラとして使った試遊台が用意されていた。今回のプレイレポートはこの環境で，試遊バージョン「スペシャルデモステージ」をプレイしたものだ

シンプルだけど，ちょっとテクニカルなバトル

　主人公の「ナック」は，身体の大きさを変化させられるロボットだ。あるときは巨体で敵を圧倒し，またあるときは小さな身体で危険なトラップを巧みにくぐり抜ける。操作方法は極めてシンプルで，左スティックで移動，□ボタンで格闘攻撃，×ボタンでジャンプ，右スティックで回避となっている。直感的な操作なので，すぐに慣れることができるだろう。

　試遊バージョンでは，ナックが複数の敵と戦う局面が多く見られた。敵は銃を持っているため，真っ正面からむやみに突撃したり，体力に任せてゴリ押しを試みたりするだけでは，格好の標的になってしまう。プレイヤーは敵の動きをしっかりと見極め，ナックの拳が届く距離まで間合いを詰めなくてならない。これがなかなかにスリリングだが，このときに有効なのが右スティックの回避だ。右スティックを倒した方向に，ナックが残像を残しながらショートダッシュするアクションは少年マンガのヒーローを彷彿とさせる。

バトルの一コマ。試遊バージョンでは，こうした複数と戦う場面が多かった

海沿いの道路にナックが飛び降りるカットシーン。海面の表現が美しい

　KNACKは「家族で楽しめて，さらにゲーマーも満足できる作品」を目指しているという作品だ（関連記事）。高い目標を掲げているが，「クラッシュ・バンディクー」や「ラチェット＆クランク」といった人気シリーズを生み出したマーク・サーニー氏の新作だけに，アクションゲームとしての骨格はしっかりしているように感じられた。

巨大なナックは戦車を持ち上げ，大暴れ

　タイトル名になっている「knack」とは，「技巧」や「コツ」といった意味があるそうだ。ただし，Knackを実際にプレイしてみると，そのゲーム性はテクニカルであるだけでなく，豪快な一面も持っていた。
　普段のナックは小さな銀色のロボットだが，落ちているパーツを吸収することでどんどん巨大化していく。いろいろな物体がナックの動きに合わせ，“ワサワサ”とまとわりついている様子は，次世代ゲーム機のパワーを強く感じさせる。また，洞窟のチャプターでは氷をまとって巨大化するなどのバリエーションが用意されているのも見逃せない。

小さな身体で通風口を走るナック（写真左）と，巨大なナック（右）。可愛さと迫力のギャップが面白い

氷の巨人に変身したナック

　試遊バージョンの終盤に差し掛かると，ナックは10メートル近い巨体になっていた。それまでのナックは人間サイズの格闘戦を繰り広げていたのが，こうなると戦車を引っつかんだり，車を持ち上げて飛行機に投げつけたりとやりたい放題。まるで大怪獣のように暴れ回れて，とても爽快だった。

大暴れする巨大なナック。戦車や車を小石のように投げつけるのが爽快

　ステージの合間には，巨大化したナックを目撃して驚く市民のカットシーンが挿入され，豪快さを印象づける演出も丁寧な印象だ。


　先ほどは「まるで大怪獣のように」と表現したが，ナックはあくまでも人間の味方だ。巨大化しても市民に危害を加えることはできないようで，「家族で楽しめる作品」を意識しているための配慮なのだろう。

小さくなったり，大きくなったり。メリハリのある探索

　試遊バージョンには，ナックが小さな身体を活かして活躍するステージもあり，△ボタンを押すと身体の一部となっていたパーツを自由に取り外すことができた。つまり，身体のサイズを自由に調節できるのだ。

仲間と共に屋敷に侵入するステージでは，小さなナックが大活躍

　このステージでは屋敷の中を探索することが目的だが，進路を遮るレーザーなどのトラップが随所に仕掛けられている。ここで身体を小さくすれば，レーザーの隙間をすり抜け，トラップを解除することができる。

屋敷の通路にはレーザーが張り巡らされているが，小さくなれば大丈夫

　屋敷の中で敵に遭遇すると，小さい身体のままでは危険だ。再びナックの身体を大きくして，立ち向かうことになるが，大きなナックはレーザーに触れただけでミスになるとのこと。場面に応じてナックの身体を調節するという要素が，探索の中でほどよいアクセントになっていると感じられた。

ステージに隠されているパーツの発見状況は，フレンドと共有できるようだ

　CGアニメ映画のようなグラフィックスや，ナックの身体の一部となったパーツの動き，レーザーの輝きといった部分で，PS4のパワーを存分にアピールしつつ，アクションゲームとしては堅実な作りというのが試遊バージョンをプレイした感想だ。日本における発売は，本体と同じ2013年2月22日とだいぶ先の印象だが，完成版の仕上がりが楽しみになる内容だった。

「KNACK」公式サイト