プレイレポート
デッキ構築にパズルにバトル。1人でも楽しめるボリューム満点な「ハースストーン」のソロ・アドベンチャーモードを紹介
多々あるデジタルカードゲームの中からどれを遊べばよいのか悩み,そこで本作の名前を知った人は多いことだろう。しかし「原作も知らなければ出てくるカードも分からないとなれば,どこから手を付ければ良いのかわからない」という声も聞こえてくる。カードゲームの宿命として,先行プレイヤーとの資産差が埋まりにくいという問題もあり,既存のプレイヤーとしても頷ける話だ。
しかし,ハースストーンはオンライン対戦を楽しむだけのゲームではない。というわけで本稿では,ハースストーンというゲームの概要や世界観を大まかに紹介するとともに,ゲーム開始からすぐに1人で(もちろん無料で)楽しめる遊べるソロ・アドベンチャーモードを紹介していく。
「ハースストーン」公式サイト
World of Warcraftの酒場で繰り広げられる
ミニオンと魔法のお気楽なカードゲーム
ハースストーンは,Blizzard Entertainment社が展開するMMORPG「World of Warcraft」(以下,WoW)を題材としたデジタルカードゲームだ。同社による人気RTS「ウォークラフト」の世界観を採用したWoWは,2004年のサービス開始から現在に至るまで世界中で絶大な人気を誇り,ギネスブックにも“登録者数が最も多いMMORPG”として登録されている。
重厚なWoW世界で生まれたハースストーンは,さまざな種族が入り乱れる酒場でワイワイと楽しむ“魔法のおもちゃ”のような存在だ。そして,プレイヤーは酒場にやってきた客のひとり。たまたま居合わせた仲間達と勝負し,アゼロスに住むモンスターや神々が描かれた「ミニオン」と,ド派手で美しい「呪文」をぶつけ合うのだ。
ルールも実に単純で,ゲームの目的は相手が使う「ヒーロー」の体力を0にすることだけだ。ヒーローは全部で9種類のクラスに分かれており,それぞれ独自の「ヒーローパワー」と呼ばれる能力を使用できるほか,固有のカードプール「クラスカード」を持っている。固有カードを中心にデッキコンセプトを構築できるので,初心者でもデッキを作りやすいのも嬉しいポイントだ。
強大なミニオンで体力を削り切るか,呪文で相手の攻撃をいなしてカウンターに転じるか,それとも必殺のコンボを手札に揃えて一気に叩き伏せるか――それはプレイヤーの戦略次第である。
本作の大きな特色は,その場その場での判断が重要になる“ランダム性”にある。例えば「発見」という効果を発動すると,効果によって指定された検索条件に合うカードから3種類のカードが表示され,プレイヤーはその中から1枚を選んで手札に加えることができるのだ。
こうしたランダム性をゲームに取り込み,気軽に開いて気軽に遊び,スナック感覚で一喜一憂。深く考えて遊べば,普通のカードゲームではあり得ない劇的なドラマすら生まれるのがハースストーンの魅力だと言えよう。
多種多様なソロ・アドベンチャーモード
独自ルールでのハースストーンを楽しもう
ここからは,ハースストーンの世界観を存分に楽しめるソロ・アドベンチャーモードの内容を紹介していく。ソロ・アドベンチャーは新しい拡張パックの発売に合わせて公開されている1人用のゲームモードだ。
以前は新カード付きの有料コンテンツとして配信されてきたが,2017年にリリースされた「凍てつく王座の騎士団」からは無料コンテンツとして誰でも楽しめる形式となった。ここでは,主に無料で遊べるゲーム内容を中心に紹介していく。
ただし,ハースストーンは1年ごとにスタンダード・ローテーションを行っており,2年以上前にリリースされたカードはスタンダード環境では使用できない。その関係もあって,ゲームを開始した時点では現在のスタンダード範囲内でリリースされたアドベンチャー以外は選べなくなっている。
環境区分 | 拡張名称 | タイプ | デッキ |
---|---|---|---|
ワイルド | 凍てつく王座の騎士団 | バトル | 必要 |
ワイルド | コボルトと秘宝の迷宮 | デッキ構築 | 不要 |
スタンダード | 妖の森ウィッチウッド | デッキ構築 | 不要 |
スタンダード | 博士のメカメカ大作戦 | パズル | 不要 |
スタンダード | 天下一ヴドゥ祭 | デッキ構築 | 不要 |
スタンダード | 爆誕!悪党同盟 | デッキ構築 | 不要 |
スタンダード環境から外れたアドベンチャーをプレイしたい場合は,PCからBattle.netを介してダウンロードする必要がある。それぞれの項目には,ダウンロードが必要なものを「ワイルド」,不要なものには「スタンダード」と表記しているので,参考にしてほしい。
もちろん,気になったものから順番に遊んでいっても問題はない。ビジュアルや世界観が好きなものを探して,そこからハースストーンの世界に入り込もう。
●ワイルド:凍てつく王座の騎士団
最初に紹介するのは「凍てつく王座の騎士団」のソロ・アドベンチャーモード。アゼロスを恐怖のどん底に叩き落した不死の城塞「アイスクラウン」の“凍てつく王座”に座す死霊達の王「リッチキング」との戦いが楽しめる。
こちらでは,自分で組んだデッキを使ってさまざまな能力を持つ敵キャラクター達に挑戦し,アイスクラウンの王であるリッチキングの討伐に挑むことになる。
最初の戦いをクリアすれば,ワイルド環境で使用できる“デスナイト”と化したヒーローカードが貰える。ワイルドを遊ぶ予定がなくとも魔素に変換すればレジェンドカード1枚相当の価値があるほか,本アドベンチャーの攻略にも役立ってくれるので,とりあえずプレイしてみて損はないだろう。
本アドベンチャーの攻略においては,自分でデッキを組み上げて戦う必要がある。出現する敵はいずれも強力なヒーローパワーを持っているので,その能力に合わせてデッキ内容を調整するのが攻略への近道だ。カードリストのテキスト検索などを駆使して攻略に必要な能力を探し,トライ&エラーを繰り返すのがアドベンチャーの醍醐味といえよう。
ゲームを始めたばかりで資産が少ないのであれば,メイジやハンターといった強力なベーシックカードを多く持つヒーローを使うのがオススメ。もちろん,最初のリッチキング戦で入手したヒーローカードを中心にデッキを組むのもアリ。
……と言われても,初心者はどうデッキを組めばよいかは分からないだろう。というわけで,1戦目と2戦目のデッキ構築の考え方を大まかに紹介してみる。この後に登場する敵については,相手のヒーローパワーをチェックして,その解決方法をカードリストから見つけ出す形で対応していこう。
デスブリンガー・サウルファング | |
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武器以外のダメージを受け付けない常時発動型のヒーローパワーを持ち,本人も武器の扱いに長ける。こちらも武器をしっかり用意したウォリアーやローグのデッキを組み,武器の能力を強化してくれる種族:海賊系のミニオンで対抗しよう。相手の武器を破壊できる「酸性沼ウーズ」を組み込むのも良い対策になる |
6体の敵を撃破したら,ついにリッチキングに挑戦できるようになる。実際に戦ってみれば分かるが,リッチキングはあまりにも強力で,行動パターンをよく理解した上でデッキを組まなければ勝つのは難しい。
バトルが始まると,リッチキングは相手の(プレイヤーの)クラスに応じた特殊な呪文「デスナイトカード」を自動で使用する。この効果が滅茶苦茶に強烈で,例えばハンターなら“デッキ内に存在するミニオンの数×2ダメージを与える”など,理不尽としか言いようのない効果が発揮される。
しかし,根本的なデッキ構築方針を考えれば資産が少なくとも十分に攻略が望める難度ではあるので,本アドベンチャーの完全攻略を目指す人は挑戦してみてほしい。カードリストから重要なカードを選び出す体験は,初心者にとってもデッキ構築の練習として十分な意味をもたらしてくれるだろう。
●ワイルド:コボルトと秘宝の迷宮
「コボルトと秘宝の迷宮」のアドベンチャーは,頭にロウソクをのせたコボルト達が掘って掘って彫りまくった洞窟で宝探しをする「ダンジョン攻略」だ。
ダンジョン攻略においては,プレイヤーは選んだクラスに応じて配布される“基礎デッキ”を少しずつ強化しながら戦い,その最奥に隠されるお宝を目指す。そして,敗北したら強化状態がリセットされて再挑戦せねばならない。毎回違う展開が楽しめる,いわゆるローグライク的な要素が盛り込まれたアドベンチャーと言える。
挑戦にあたって事前にデッキを組む必要はなく,ダンジョン攻略にプレイヤーの資産差は影響しない。数分前にアカウントを作ってチュートリアルを済ませたばかりのプレイヤーも,毎月レジェンドに到達している熟練プレイヤーも,ダンジョンの前には平等なのだ。
基本のルールは単純明快。各ステージごとに出現する敵を倒し,全8ステージを攻略すれば晴れてダンジョン攻略成功となる。1つのステージをクリアすると,戦利品として3種類のカードセットが出現し,その中から1種類をデッキに加えられる。出現するカードセットはランダム(クラスごとに出現するセットは異なる)なので,戦いの中でうまくデッキの方向性を形作っていかねばならない。
また,2ステージごとに“宝物”と呼ばれる強力な報酬をデッキに加えられる。こちらも3枚の中から1枚を選ぶ形式なので,これまで作ってきたデッキとのシナジー(相乗効果)をよく考えて選ぶのが重要だ。
ダンジョン攻略の魅力はなんといっても,デッキと宝物の能力が噛み合った時に,通常のプレイでは絶対にあり得ない強烈な(そして爆発的に面白い)シナジーを実現できるという点だ。
例えば,常時発動型の宝物「魔術師のローブ」(呪文ダメージ+3)を取得したメイジであれば,「フレイムストライク」は敵全体に7ダメージを与える強烈なリセット能力を持ち,「魔力の炸裂」は常時1マナで8ダメージを叩き出す化け物呪文となる。通常の構築戦では絶対に味わえない“ぶっ壊れ”の快感を存分に味わえるのだ。
もちろん,出現する敵も負けず劣らず恐ろしい連中ばかり。誰も彼もが強力かつユニークなヒーローパワーやデッキを持っているので,最初に出会った時は「なんだこのインチキ野郎は!」と叫びたくなるだろうが,対策はどこかにあるものだ。何度も挑戦を繰り返す中で敵を覚え,毎回違ったデッキでそれに対処する感覚は,まさにローグライクな遊びだと言えるだろう。
●スタンダード:妖の森ウィッチウッド
続いてプレイヤーが訪れる地は,かつてナイトエルフの呪いを受けて“獣人”と化した人々の末裔が住む街「ギルニーアス」。戦いの舞台となるのは,魔女ハガサが呪いを振りまく恐ろしい森「ウィッチウッド」での「怪物狩り」である。
基本的には「ダンジョン攻略」と同様のゲームシステムが採用されたアドベンチャーだが,最大の特徴は登場するヒーローにある。怪物狩りで選べるヒーローは「ダリアス・クロウリー」「猟犬使いショー」「時の匠 トキ」「テス・グレイメイン」の4種類で,それぞれ独自のヒーローパワーを所持しているのだ。
ダリアス・クロウリー | |
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ヒーローパワーを使用すると,ゲームボード上に最初から配置されている“大砲”が正面,もしくは斜め前にいるミニオンにダメージを与えてくれる(対象が複数いる場合は両方にダメージを適用)。この攻撃で敵を倒すと再度使用可能になるので,相手の体力と配置をうまく調整して有利に立ち回ろう |
猟犬使いショー | |
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急襲を持つ小型の「ブラッドハウンド」を召喚するヒーローパワーを持つ。これだけでは少々地味なのだが「腐肉食いのハイエナ」や「カルトの教祖」といったカードと組み合わせることで,柔軟な戦い方が楽しめる |
時の匠 トキ | |
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0マナのヒーローパワーで,使用すると1回だけターンの最初に戻ってやり直すことができる。ランダム性のある呪文や能力と組み合わせることで,望んだ結果が得られなかった場合は“なかったことに”できるのだ。ランダム中毒者にはたまらないヒーローと言える |
ダリアス・クロウリー | |
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対戦中に使用した呪文を発見し,何度も同じ呪文を再利用できるヒーロー。唱えるたびにサイズアップしていく「翡翠のゴーレム」を召喚する“翡翠”系のカードや,武器を強化できる呪文と「大逆の刃キングスベイン」を併用する戦略も強力 |
“宝物”についてもダンジョン攻略に引き続き登場し,怪物狩りにおいては各ヒーロー専用の宝物が追加されている。これらヒーロー専用の宝物は,いずれもヒーローパワーと強烈なシナジーを発揮するものばかりなので,現在の戦略に見合う宝物を見つけたら積極的に採用したい。
また,このアドベンチャーではヒーローごとに“仇敵”が決まっており,最後のステージでは必ず同じ仇敵が出現する。例によって反則クラスに強烈な能力を持つ仇敵達だが,何回挑戦しても仇敵のデッキ内容は同じなので,道中で対策を練りながら攻略を進められるのも面白いポイントだ。
そして4人がそれぞれの仇敵の討伐に成功した後に待つのは,大ボスである魔女・ハガサへの挑戦だ。こちらでは固定のデッキを使用し,これまで戦いを繰り広げてきた4人のヒーロー達が協力して挑むことになる。ハガサとの戦いは何度でも行えるので,今までの攻略で得た知識を総動員して攻略に挑もう。
●スタンダード:博士のメカメカ大作戦
ところ変わって,今度は「ドクター・ブーム」が居を構える研究所が舞台となる「博士のメカメカ大作戦」のソロ・アドベンチャー「パズル研究所」だ。
パズル研究所ではその名の通り,出題された盤面をお題(相手を倒す,ボードをクリアするなど)に合わせて調整するのがゲーム目的となる。もちろん,盤面の初期配置や初期手札などはステージごとに固定されているので,挑戦にあたって特別な資産などは必要ない。いわば,詰め将棋ならぬ“詰めハースストーン”といったところだろうか。
区画 | 目標 |
---|---|
リーサル | ターン内に敵ヒーローを倒す |
ミラー | ターン内に自陣を敵陣と一致させる |
盤面クリア | ターン内にボード状を空にする(手札は残っていてよい) |
サバイバル | ターン内に自分の体力を最大値まで回復する |
かなり難しい問題も用意されているので,最初から完璧な回答を導き出すのはなかなか難しいだろう。普段は「ターン終了」のボタンがある場所に,ボードの状況を初期状態に戻す“やり直し(リセット)”ボタンが配置されているので,何度でもリトライして正解を探し出すのだ。
そして,各タイプのパズルをすべてクリアすると,ドクター・ブームが直接出題する難関パズル「ブーム・パズル」に挑戦できる。これまた強烈に難度が高いが,やる事はそれ以前と変わらない。時間制限などはないので,ゆっくりと考えて計算しつつ答えを導こう。
細かな攻略情報を語るとネタバレになってしまうので言えないが,コツは最終的に求める結果から手順を逆算していくことだ。起因から結果を推測するのは容易ではないが,結果からその流れを導くのは案外難しくない。最低限必要な条件を導き出せば,もう答えは出たようなものだろう。
ハースストーンでありながらランダム性が完全に排除され,理詰めで解き明かせるパズル研究所は,ある意味で異端のアドベンチャーと言える。しかしながら,カードの効果をしっかりと読み解いて「最終的に目指す盤面を作るにはどうすれば良いのか」を計算をする経験は,初心者にとっても既存プレイヤーにとっても十分な意義がある。ランクマッチに飛び込む前の頭の体操として,パズル研究に挑んでみるのも面白い。
●スタンダード:天下一ヴドゥ祭
お次は,グルバシ闘技場で繰り広げられるトロルの祭り「喧嘩祭」を楽しむ「天下一ヴドゥ祭」。プレイヤーの目的は,若手のトロル「リッカー」を喧嘩祭のチャンピオンへと導くことだ。
トロル達は9つの派閥に分かれており,それぞれが“ロア”と呼ばれる神聖な存在を崇めている。喧嘩祭はそれぞれの派閥が大乱闘を巻き起こし,最強の派閥を決める催しなのだ。9つの派閥はハースストーンにおける9つのクラスを表現しており,リッカーはいずれかの派閥の代表として喧嘩祭に参加することになる。
基本ルールは「ダンジョン攻略」や「怪物狩り」と同様だが,喧嘩祭の特徴はクラスごとに3種類ある“ミコシ”にある。喧嘩祭にエントリーすると,リッカーは自身が使用するミコシを選ばなければならない。ミコシは全種類の中から3つが提示され,リッカーはここで選んだミコシごとに設定されたデッキを使用するクラスに変化するのだ。
そして,ここで選んだミコシはバトル中,最初からゲームボード上に配置されて強力な効果を発揮してくれる。また,ミコシはすべて攻撃力が0だが,破壊されても3ターン後に復活するという特徴を持っている。もちろん破壊されてから復活するまでの休眠状態のミコシは効果を発揮しないので,ミコシを守ることも考えながら戦わねばならない。
ほかのデッキ構築型アドベンチャーの“お宝”にあたるのが,デッキに加わってくれる強力なミニオン「チームメイト」と,ミコシの効果を強化する「アップグレード」。アップグレードで獲得できる常時発動型の能力はミコシが生き残っていなければ効果が発揮されないので,よりいっそうミコシを活用した戦いが重要になる。
出現する敵は,自身が選んだ派閥を除く8名の闘技者達。出現する敵の種類自体は少なめだが,後のステージで出現するほど体力が増えてデッキが強力に変化していくので「まだ出現していない派閥の長」を覚えておいて,それらへの対策を意識したカードが選べるようになれば勝率も上がってくるだろう。
●スタンダード:爆誕!悪党同盟
過去の拡張セットやアドベンチャーモードで登場した“悪党”達。すなわち「ドクター・ブーム」「ハガサ」「トグワグル」「ラズール」「ラファーム」の5人が勢揃いして浮遊都市ダラランの“強奪”に挑む「爆誕!悪党同盟」のアドベンチャーが「ダララン大強奪」だ。
先に紹介した「コボルトと秘宝の迷宮」や「妖の森ウィッチウッド」「博士のメカメカ大作戦」のアドベンチャーをプレイしておけば,本作の登場キャラクター達が(プレイヤーに)どんな煮え湯を飲まされて来たかが分かるだろう。
基本は「コボルト」や「ウィッチウッド」と同じデッキ構築タイプのアドベンチャーだが,ダラランは極めて広大な魔術都市だ。戦いの舞台は章立てに分割されており,第1章とメイジのアドベンチャー・ヒーローを無料で楽しめる。2400円で残りの4ステージ(2〜5章)と8ヒーローを解放でき,各章の5番目のボスまで到達すれば「悪党同盟」を3パックもらえるので,まずは第1章をプレイしてみよう。
ダララン大強奪の大きな特徴は,各章ごとに異なる独自ルール“どんでん返し”と,ヒーローごとに用意された3種類のヒーローパワー,そして同じく4種類の初期デッキ(うち1種類はランダムに構築されるデッキ)だ。事前に調整可能な組み合わせの幅が極めて広く,自分の好みに合わせた遊び方が楽しめる。
デッキを組み上げるシステムは過去に登場したダンジョン攻略と同様だが,ダラランでは攻略中に“有効的な遭遇”が発生する。こちらでは,手持ちのコイン(マナと同様に使用)を使って“デッキの改造”を行えるのだ。
酒場に出現するカードをデッキに加えるだけでなく,すでにデッキに入っているカードを強化したり削除することも可能で,デッキ構築の幅が大きく広がっている。どんなアクションが行えるかは酒場ごとにランダムなので,それまで組み上げてきたデッキのコンセプトに合わせて調整を行おう。
章が移れば異なるルール“どんでん返し”が待っている。今回のアドベンチャーは章ごとに購入することも可能なので,遊んでみたいルールがある人はそれだけ購入するのもアリ。それぞれの章で楽しめるルールを以下にまとめておいたので,個別に買いたい人は参考にしてみよう。
章 | どんでん返し |
第1章 | ゲームボードに「宝箱」が現れ,破壊すると双方のプレイヤーが「コイン」を2枚獲得できる |
第2章 | 敵陣と自陣の両方にランダムな休眠状態のミニオンが配置され,規定ターンが経過すると使用可能になる。どんなミニオンが休眠しているかはオンマウスで判別可能 |
第3章 | 敵陣と自陣の両方に「カート」が3枚配置された状態で戦う。カートは特に効果を持たないが,配置できるミニオンの上限が減ってしまう |
第4章 | すべてのミニオンの攻撃力と体力が入れ替わる |
第5章 | 特殊ルールなし。ただし,8ステージではなく合計12ステージを攻略せねばならない |
一度クリアした章では「異常モード」と呼ばれる特殊効果を付与した状態での戦いが楽しめる。ここで発生する“異常”は敵味方関わらず影響を与えるため,適するデッキ構築の方向性も変わってくる。
さらに,高難度モード「ヒロイック・モード」も搭載されており,こちらではより厳しい条件での攻略が楽しめる。ひと通りのステージをクリアして,より歯ごたえのある“悪事”に身を投じたくなったら,そちらに挑戦してみるのも悪くない。
このように,クリアした後にも挑戦できるやりこみ要素が充実しているのもダララン大強奪の大きな特徴だ。ダンジョン攻略や怪物狩りでデッキ構築のシステムに慣れ,ダラランの強奪にも成功したら,これらの要素にも挑戦してみよう。
●新拡張:突撃!探検同盟
2019年8月7日には,最新拡張パック「突撃!探検同盟」がリリースされ,現在はまさに新デッキの開発が行われている最中だろう。もちろん,こちらの拡張パックでもソロ・アドベンチャーが展開される予定なので期待しておこう。
簡単に補足しておくと,突撃!探検同盟に登場する“探検同盟”とは,2015年11月に配信された有料ソロ・アドベンチャーの名称(League of Explorers/探検同盟)であると共に,その登場キャラクターである探検家「レノ・ジャクソン」と仲間達を指す言葉だ。
悪党同盟の盟主にして“頂点たる考古学者(自称)”であるラファームの仇敵も,もちろんこの探検同盟。かつての戦いでは,プレイヤーからデッキそのものを奪い取ってプレイした挙げ句,負けそうになると「お前のデッキはクソだな!」と暴言を吐くという見事な邪悪っぷりを見せつけていたが,今回はどんな戦いを展開するのだろうか。
有料アドベンチャーの「探検同盟」はBattle.netから購入可能なので,より彼らの物語を深く楽しみたい人はそちらも合わせてプレイしておくと良いかもしれない。
「ハースストーン」公式サイト
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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