［TGS 2013］ディズニー＋ピクサーの世界を自由に作れる無限のおもちゃ箱。「ディズニー インフィニティ」発表会レポート

　東京ゲームショウ2013初日の2013年9月19日，ディズニーとバンダイナムコゲームスがタッグを組んでリリースするWii U用ソフト「ディズニー インフィニティ」と，ニンテンドー3DS用（以下，3DS）ソフト「ディズニー インフィニティ トイ・ボックス・チャレンジ」（以下，トイ・ボックス・チャレンジ）のプレス発表会が行われた。ディズニーファン代表として，タレントの谷 花音さんと，総合格闘家の小川直也さんも登場したイベントの模様をお伝えしよう。

DLCで世界が広がる「ディズニー マジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ」

　発表会のメインはディズニー インフィニティだが，その前座として，まずは発売中の3DS用ソフト「ディズニー マジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ」について説明された。バンダイナムコスタジオのプロデューサー，小林 毅氏によると，同作は好調な売れ行きを示しているとのことで，累計国内出荷本数が30万本を突破したそうだ。
　また，同作のDLCとして，10月2日10：00から「パイレーツ・オブ・カリビアン・ワールド」の配信がスタートするという。海賊船ブラックパール号に乗って，ジャック・スパロウ船長と宝探しに行くというテーマで，パイレーツ・オブ・カリビアンの世界をモチーフとしたインテリアや衣装が用意されているとのこと。しかも，同作のセールスが好調ということで，2014年1月12日までの期間限定で通常の半額となる450円（税込）で提供される。


　さらに，同作では現在「ハロウィーンシーズン」というイベントを実施中だ。10月31日までにディズニーキャタクターをカフェに招待すると，キャラクターたちはハロウィーンの衣装に身を包んで登場するという。その衣装での写真撮影も可能だ。また，ジャック・スケリントンとゼロもカフェに呼べるようになっており，「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のアイテムが手に入る。
　また，アップデートで「みんなのカフェ」が追加される。これによりインターネット上に自分のカフェをアップロードすることができ，カフェに訪れたプレイヤーに「いいね！」の評価してもらうと，ポイントを獲得。このポイントに応じて，新しい衣装が手に入る仕組みだ。

創造力をかき立てる無限のデジタルおもちゃ箱。ディズニー インフィニティ

　続いては，本題であるディズニー インフィニティの紹介だ。本作は，ICチップが組み込まれたディズニーキャラクターのフィギュアやパワーディスクを，専用のリーダーで読み込んで遊ぶというゲームである。ビデオゲームと周辺機器の連携により，ピクサーとディズニーのキャラクターが，夢の共演を果たすゲームという位置付けになっている。
　北米では8月15日に発売された本作だが，音声とテキストをローカライズした日本語版は，Wii U版のディズニー インフィニティと，ニンテンドー3DS版のディズニー インフィニティ トイ・ボックス・チャレンジの2本が，11月28日に発売される予定だ。価格はWii U版が7980円，3DS版が6980円（いずれも税込）である。

ジョン・ヴィグノッキ氏（Disney Interactive，The Walt Disney Company）

　紹介の冒頭では，ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニーとディズニー・インタラクティブを代表して，エグゼクティブプロデューサーのジョン・ヴィグノッキ氏がスピーチを行った。
　ヴィグノッキ氏は，ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジョン・ラセター氏の「子供たちにとって，一番楽しいのはクリエイティブなことであり，ものを作り上げること」という言葉を紹介。これを踏まえて，ディズニーにしかできないこととして，「みなさんが大好きなキャラクターを1つのワールドに集めて遊び，あなた自身がディズニーのストーリーテラーになれる。それが『ディズニー インフィニティ』です」と，本作の魅力をアピールした。

　続いてステージに登壇したバンダイナムコゲームスのマネージャー，佐伯博史氏はゲームの基本パッケージやゲームの遊び方，ゲームモードの説明を行った。

　ディズニー インフィニティのスターター・パックには，「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウ，「モンスターズ・ユニバーシティ」のサリー，そして「Mr.インクレディブル」のMr.インクレディブルという，人気映画の主人公3体のフィギュアと，データを読み込む機器「ディズニー インフィニティ・ベース」が同梱される。フィギュアにプレイセット・ピースと呼ばれるパーツに取り付け，ベースに乗せると各キャラクターに合った世界でゲームが遊べる仕組みだ。

　ディズニー インフィニティでは，2つのメインモードが楽しめる。
　まず「プレイセット」というモードは，キャラクターたちと一緒にオリジナルストーリーを冒険する。ゲームを進めていくと，さまざまなゲーム内アイテムが手に入り，これらのアイテムは「トイボックス」という，箱庭の世界を自由に作れるという別のモードで使える。
　ヴィグノッキ氏によると，登場するアイテムの種類は，なんと1200種類以上もあるとのことで。トイボックスでは，アイテムを使ってステージが作れるというだけでなく，さまざまな仕掛けを利用して，独自のゲームを作ることもできるという。
　ちなみに，トイボックスはオンラインで4人まで同時に遊べるので，友人を自分の作成したゲームに招いて遊ぶといったこともできる。


　一方，3DS版のトイ・ボックス・チャレンジは，登場するキャラクターで3人1組のチームを編成し，ライバルたちと競い合うボードゲームタイプのパーティゲームだ。サイコロを振ってすごろく風ボードの中を進みながら，さまざまなミニゲームをクリアしていく。もちろん友人との対戦プレイも可能だ。ボードゲームのシナリオは全12種類，ミニゲームは50種類以上とのこと。ちなみに，両機種版のフィギュアは共通で，どちらでも使える仕様になっている。

　遊び方が広がる対応玩具も，順次発売される予定だ。プレイセットのワールドを追加できる「プレイセット・パック」は，「カーズ」「ローン・レンジャー」「トイ・ストーリー」の3種類があり，それぞれフィギュアが2体同梱される。価格はいずれも3480円（税込）。

プレイセット・パック

「カーズ」（同梱フィギュア：ホリー・シフトウェル，ライトニング・マックィーン）

「ローン・レンジャー」（同梱フィギュア：ローン・レンジャー，トント）

トイ・ストーリー」（同梱フィギュア：バズ・ライトイヤー，ジェシー）

　セットのほかに，単体のキャラクターフィギュアも発売される。これらもゲームで使うことが可能で，価格はそれぞれ1200円（税込）。

キャラクターフィギュア

「カーズ」より，メーター（左），フランチェスコ（右）

「パイレーツ・オブ・カリビアン」より，デイビー・ジョーンズ（左），キャプテン・バルボッサ（右）

「トイ・ストーリー」より，ウッディ

「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」より，ジャック・スケリントン

「モンスターズ・ユニバーシティ」より，マイク・ワゾウスキ（左），ランドール

「ミスター・インクレディブル」より，ミセス・インクレディブル（左上），バイオレット（右上），ダッシュ（左下），シンドローム（右下）

　そのほかにも，プレイセットで能力を強化したり，トイボックスで乗り物や背景などを追加したりできる，「パワーディスク・パック シリーズ1」も発売される。価格は1パック500円（税込）で，全20種類中，ランダムで2枚封入される。


　プレイセットのデモでは，モンスターズ・ユニバーシティでのプレイが披露された。モンスター・ユニバーシティが，ライバルのフィアー・テック大学と“おどかし競争”をするというストーリーで，ステージ上にある仕掛けを，サリーがショルダーチャージで壊したり，おどかしたりして取り除いていく。
　最初は簡単そうに見えるが，ステージを進んでいくとさまざまなアクションを駆使する必要が出てくるとのこと。ちなみに，キャラクターはいつでも変更可能で，フィギュアを交換すると，ゲームの操作キャラクターも変化する。


　ヴィグノッキ氏は，同作がアメリカで発売されたときのエピソードを披露した。それによると，ロサンゼルスでは街中のビルボードやバスが，ディズニー インフィニティ一色になったほか，ニューヨークのタイムズスクエアがディズニー インフィニティで彩られるなど，目を惹くプロモーションが行われたようだ。
　発売日の前週には，ニューヨークのロックフェラーセンターにあるニンテンドーワールドで盛大なイベントが開催され，発売日の前日から，ファンが長蛇の列を作っていたそうだ。ディズニー人気の高さを，あらためて感じさせるエピソードだろう。そして「日本でも高い評価が得られることを期待している」とヴィグノッキ氏は語っていた。

ロサンゼルスを走る路線バスをラッピング（左）。ロックフェラーセンターではラウンチイベントを開催して大盛況だった（右）

　プレイセットに続いては，ヴィグノッキ氏がもっとも気に入っているという，トイボックスモードで作った独自ストーリーが披露された。
　レースを開催しようとしたところ，バズ・ライトイヤーがミッキーの車奪って，追いかけっこになってしまったり，メーターがモンスタートラックラリーに出場しようとしたものの，バスの上を飛ぶのはつまらないから溶岩の上をジャンプしたりするといった具合で，プレイヤーの発想を自由にゲーム中で再現できるようだ。


　また，トイボックスでステージを作成する，ゲームプレイ映像も紹介された。ディズニーらしくお城を作ったり，カリブ海風のリゾートを作っていく過程が示されたのだが，基本的にはアイテムを選んで設置していくだけでできるという，シンプルなシステムになっているようだ。


　最後には，トイボックスで作ったディズニーランドが紹介された。これはゲームの発売日に，無料でダウンロードできるとのことだ。

ディズニーファンの谷 花音さんと小川直也さんがディズニー インフィニティを体験

谷 花音さん（左）と小川直也さん（右）

　イベントの後半では，ディズニーファンを代表してタレントの谷 花音さん，総合格闘家の小川直也さんが登場。ディズニー インフィニティを体験してみることになった。

　小川さんは，好きなキャラクターだというMr.インクレディブルを選んでプレイ開始。操作にはすぐ慣れた様子で，自由にステージを駆け巡っていた。また「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーが付けているジェットパックとブラスターを装備して，空を軽快に飛び回ってみせた。こうしたアイテムは，ほかのキャラクターでも共通して使えるとのことで，なかなか面白い要素といえるだろう。


　続いて，谷さんがパワーディスクを交換すると，ステージの空は，「塔の上のラプンツェル」に登場する，彩り鮮やかな夜空へと一瞬で切り替わった。さらにキャラクターを「モンスターズ・ユニバーシティ」のマイク・ワゾウスキにチェンジして，谷さんに操作も交代。「シンデレラ城に行ってみたい」という谷さんの要望に応えて，佐伯氏がマップ上にシンデレラ城を設置した。
　さっそくカボチャの馬車に乗ってシンデレラ城へ。城内を自由に動き回れるだけでなく，城の上階へと上がれる仕掛けを発見したりと，探検する楽しさが伝わってきた。


　短い時間ながら，ディズニー インフィニティを体験した谷さんは，「実際に行けないシンデレラ城の上階に上がれて楽しかった」とコメント。一方の，小川さんは「自分でアトラクションを作って，並ばずに遊んでみたい」と感想を述べた。

　とにかく，簡単かつ手軽にディズニーの世界が楽しめるうえに，自分の思いどおりにステージを作れるというのは，じつに創造力を刺激させられる。ディズニーファンならキャラクターを動かしているだけでも楽しめるし，トイボックスでは夢中になれるはずだ。
　ディズニーがタイトル名に「インフィニティ（無限大）」と付けたのも素直にうなずける。世界中のプレイヤーによって，どんな世界が作られていくのかも，興味深いところだ。

ディズニー インフィニティ 公式Webサイト