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[TGS 2013]最新のAR技術を駆使した次世代のスマートフォンゲーム「少女戦線」が,台湾から登場!
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印刷2013/09/22 18:52

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[TGS 2013]最新のAR技術を駆使した次世代のスマートフォンゲーム「少女戦線」が,台湾から登場!

 東京ゲームショウ2013には,アジアを中心とした諸外国からもさまざまなデベロッパやパブリッシャがブースを出展している。必ずしも日本語が通じるとは限らないということもあって,少し躊躇してしまう向きもあるかとは思うが,中には画期的で斬新なゲームやデバイスを展示しているブースもある。今回はそんな中から,AR技術を駆使する台湾のNoah Game Studioブースをご紹介したい。

画像集#005のサムネイル/[TGS 2013]最新のAR技術を駆使した次世代のスマートフォンゲーム「少女戦線」が,台湾から登場!


AR技術をスマートフォンゲームのUIに


 今のスマートフォンは,ある程度の3D表現が可能な処理能力を持ち,カメラを有し,かつ軽量であるという特徴がある。これは,現実空間に存在する物体をマーカーとし,そこに仮想空間を重ね合わせるようなAR(Augmented Reality,拡張現実)技術にとって,スマートフォンが理想のガジェットの一つであることを意味する。
 実際,AR技術を利用したゲームは増加傾向にあり,今回のTGSでもいくつかこの系統のゲームが出展されていた。カードをカメラで読み取るとそこからモンスターが出現,これを攻撃して撃退するといったゲームは,シンプルながらもインパクトがあるといえる。

 またカメラは,必ずしも現実世界にあるマーカーそのものを読み取るためだけのものではない。現実世界に置いたマーカーが,カメラの中でどう傾いているかを読み取ることで,スマートフォン内蔵のジャイロを併用し「スマートフォンを傾けると,それに追随してスマートフォンの画面も変化する」といった具合に,インタフェースの精度を上げることができる。マーカーに対してスマートフォンを近づければズームイン,遠ざければズームアウトといった処理も可能だ。

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 こういった「新しいUIとしてのAR」にはいくつかのメリットがあるが,なかでも最大のメリットは「操作するにあたって画面にタッチしなくてはならない面積を格段に減少させられる」ということではないだろうか。スマートフォンで複雑な操作をするゲームはしばしばバーチャルパッドを採用するが,バーチャルパッドは画面の相当の部分を指で隠してしまうため,画面全体が見づらくなるという弱点を有している(もちろん,物理的なゲームパッドのボタンや方向キー,アナログスティックのような「押した感覚」がまったくないのも弱点だ)。その点,AR技術を用いたUIを実際に使ってみると,バーチャルパッドよりも優れていると感じる部分が多かった。

 とはいえ,この方式にはこの方式なりの決定的な弱点もある。なにしろ「マーカーをカメラで読み込む」ことが必須となるため,マーカーなしではゲームができないのだ。これは当然ながら,ゲームをプレイするときの姿勢を限定する。またダウンロード販売が原則となっているスマートフォンゲームにおいては「どうやってマーカーを入手してもらうか」という点は,ほとんど致命的と言っていい問題だ。

 この問題に対する現状における妥当な解決策としては,マーカーそのものに付加価値を与え,「マーカーを購入したくなる」「マーカーを集めたくなる」ことを商品の大前提とし,そのマーカーを使ってARゲームも楽しめる,というモデルにすることが考えられる。この方法だと「全世界で幅広く売る」のは難しいかもしれないが,世の中には「付録とされているものが欲しいから買うゲーム」というものは厳然として存在する。まったく成り立たないビジネスモデルとはいえないだろう。


台湾紳士達が最新技術を駆使した結果がこれだよ!


 さて,いろいろと長い前置きをしたが,「AR技術を用いたゲーム」という命題に対し,「マーカーから出現したモンスターを倒す」ことを考えた人々がいる一方で,同じUIで別の表現ができるのではないかと考えた偉人達が,台湾のNoah Game Studioに存在した。

「共に世界を救おう!」とあるように,結構なバックストーリーが設定されている模様
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 彼らがTGSで公開したゲームの骨子は,「マーカーをカメラのレンズに収めると,画面内にプレイヤーが攻撃すべき対象が出現するので,プレイヤーはスマートフォンをティルトさせたりマーカーに近づけたり(あるいは遠ざけたり)して照準を合わせ,攻撃ボタンをタップして射撃を行う」というもので,とりあえずFPSと言えなくもないシステムだ。

 出現する「攻撃すべき対象」が女の子で,攻撃するとその女の子の服が脱げる,というギミックをのぞいては。

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「服破壊システムを楽しめる」と言われましても
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 ……まあ,その,あれだ,なぜ人間は同じUI,同じゲームメカニズムから,かくも違うゲームを作れてしまうのか。台湾始まったな,というか,台湾始まってた,というアレである。

 この「少女戦線」と題された作品は,ゲームとしてはまだ未完成/未成熟なところもあって,バランス調整なども含めてもう少し練り込みが必要か,という印象が強い。

 とはいえ発想の自由さと,発想を具現化するにあたって理性ではなく煩悩を優先する姿勢,そしてそれを支える確かな技術(ちなみにゲームエンジンとしてはUnityを使っているとのこと。Unityにもさまざまな評価が存在するが,かのエンジンが何か新しい扉を開いてしまったのは間違いないようだ)は,注目に値するように思える。もうちょっと理性を優先してもよかった気もするけど。

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なんとなく日本の特別なゲームショップでよく見る雰囲気を漂わせたパッケージデザイン

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左端がARカード。真ん中が「少女戦線」のストーリー紹介。右端が配布されていたクリアフォルダ。特製クリアフォルダを配布というあたりにも何かこう,手慣れたというか,そういう何かを感じる

 Noah Game Studioブースでは,これ以外にも「ARカードをスマートフォンのカメラで取り込むと,カードの上に美少女が3Dで表示される」という比較的よくあるARデモも展示していた。もちろん,こちらも「あっ,ハイ」という紳士的なギミックが組み込まれていた。

 「少女戦線」のリリース時期は,2014年第1四半期とのこと。最新のAR技術とUnityのパワーを徹底的に無駄遣いした台湾の紳士達の行状に,今後も期待したい。いやほんと,技術は無駄遣いしてナンボですよ。

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