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「バトルフィールド ハードライン」をレビュー。シリーズ異色の最新作はマルチプレイはもちろん,シングルプレイも見逃せない出来
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印刷2015/04/07 12:00

プレイレポート

「バトルフィールド ハードライン」をレビュー。シリーズ異色の最新作はマルチプレイはもちろん,シングルプレイも見逃せない出来

 エレクトロニック・アーツからついにリリースされた,「バトルフィールド」シリーズ最新作「バトルフィールド ハードライン」PC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360。以下,「ハードライン」)。押しも押されもせぬ世界的人気FPSシリーズの最新作として,4Gamerではβテストの模様も含めて何度も記事で取り上げてきたため,製品版の発売を指折り数えて待っていた読者も多いはずだ。

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「バトルフィールド ハードライン」公式サイト


 そんな本作の大きな特徴としては,開発がDICEからVisceral Gamesに変更されたことと,シリーズの伝統だった「国家間の戦闘」から,新たなテーマである「警察vs.犯罪者」に大きく舵が切られたことが挙げられる。
 制作発表の当時は,あの「Dead Space」のVisceral Gamesが開発を手がけるということで,シリーズでは今一つ地味な存在だったシングルプレイが大幅に刷新されるのではないかと期待された。その一方,警察と犯罪者の戦いということで,戦闘のスケールが小さくなったり,地味になったりするのではないかと心配する向きもあったように記憶している。
 しかし――過去に行われたβテストに参加したプレイヤーは,ご存じだと思うが――戦車や戦闘機といった大型兵器こそオミットされたものの,シリーズのDNAはしっかりと受け継がれており,マルチプレイでは日々,重武装の警察と犯罪者集団が入り乱れて撃ち合い,上空にはヘリが飛び交い,武装車両が火を噴くという,派手なバトルが繰り広げられている。シリーズ恒例の「お祭り感」が好きな人も心配無用,と言っていいだろう。
 今回は筆者がプレイしたPC版の日本語製品版について,そのレビューをお届けしたい。

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大きく生まれ変わったシングルキャンペーン
その出来は想像以上


 2002年にリリースされた「バトルフィールド1942」以来,「バトルフィールド」シリーズにはマルチプレイを楽しむプレイヤーが多く,どうしてもシングルプレイモードは目立たない存在だった。ちなみにこれは,現在の欧米のミリタリーFPSに共通する傾向でもあり,今や,シングルキャンペーンを終わらせるプレイヤーは非常に少ないという。
 「バトルフィールド」シリーズのマルチプレイの熱中度が非常に高いことの裏返しでもあるわけだが,個人的にシングルプレイ好きの筆者としては,今回の「ハードライン」にその充実を期待していたのだ。
 結論から先に書いてしまうと,その仕上がりは筆者の想像を超えており,「これをやりたかったために,テーマを警察vs.犯罪者にしたのではないか」と思ってしまったほどだ。

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 シングルキャンペーンの舞台となるのは,現代のマイアミだ。行ったことはないが,有名な観光地であり,同時に犯罪が多発する都市であるのは,映画やテレビドラマなどでおなじみだろう。本作のマイアミでも麻薬汚染が広がり,利権をめぐってギャング同士の抗争も起きているという,まさに「麻薬戦争」といえる事態に陥っている。状況は混乱の一途をたどり,警察も手に負えなくなっている。

主人公であり,プレイヤーの分身となるニック。少々乱暴なところはあるが,持ち前の正義感でマイアミのギャング達を追っていく
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 主人公の“ニック”ことニコラス・メンドーサは,そんなマイアミ市警で麻薬捜査にあたる若手刑事だ。貧しい移民の家庭で育ち,念願だった刑事の職に就くことができた彼だが,なぜか囚人服を着て護送されている場面から物語は始まる。どうして彼は「犯罪者」になってしまったのか? 場面は3年前,ニックの回想シーンに変わっていく……。

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 シングルプレイは,アメリカの刑事モノのテレビドラマを思わせる作りになっており,例えばゲームを再開すると「前回のあらすじ」が,また1つのエピソードを終わらせると「次回予告」が入るなど,ニクい演出が施されている。
 物語について詳しくは述べられないが,ニックはおおむね誰かと行動を共にすることになるため,バディムービー(相棒ものの映画)さながらの展開で進んでいく。その内容も,つい先が気になってしまうというものだ。
 シングルプレイに登場するステージは,実はマルチプレイをプレイした人にとってはおなじみの場所がほとんどなのだが,ストーリーの流れや演出が自然なので,繰り返しの感じはほとんどない。ただ後半,少し駆け足気味に話が進んでしまうのが,ちょっと気になった。

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再開時には「前回のあらすじ」,中断時には「次回予告」とニクい演出が入るだけではなく,海外ドラマファンならニヤリとするようなネタも
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 「バトルフィールド」というと,筆者を含めて“敵対勢力とドンパチ”というイメージが強い人が多いはずで,さまざまな局面を銃撃戦で切り抜けていく姿が想像される。
 だが,主人公のニックは兵士ではなく刑事であるため,基本的に警察官としての理性的な行動が求められる。具体的には容疑者は殺すより逮捕すべきで,撃ち合いよりは職務としての捜査を優先させる方が望ましいわけだ。犯人との銃撃戦はどちらかといえば非常手段で,ゲームの流れとしては,いわゆるステルスもののようなバランスとシステムになっている。

敵に隠れて近づき,相手の不意を突けば,簡単に逮捕できる。左下のミニマップに敵の視界が表示されるので,常時チェックしておきたい。殺すより逮捕したほうが,高いスコアと報酬が得られる
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 敵にはそれぞれ視界が設定されていて,その視界に入るか,大きな物音を立てない限り,攻撃されることはない。視界の外から近づいて取り押さえれば,まわりに気づかれることなく瞬時に逮捕できるし,後述する「警察バッジ」を使えば,武器を持つ複数の敵をまとめて降参させることも可能だ。
 さらに,そもそも最初から敵を相手にせず,ずっと隠れたまま指定された目標だけ達成してもいい。シングルキャンペーンにおいて直接的な戦闘は,あくまでも「手段の1つ」に過ぎないわけだ。

 警察活動を円滑に進められるように,シングルプレイには,マルチプレイにはないいくつかのフィーチャーが用意されている。簡単に説明すると以下のようなものだ。

犯人に気づかれない状態で所定の距離に近づき,「手を挙げろ!」と警察バッジを見せると,最大3人の敵を同時に降参させられるバッジ。この状態で近接距離まで近づくと,簡単に犯人を逮捕できる。ただし,相棒が銃を向けていないと反撃してくる場合もあるので注意
・警察バッジ
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敵をマーキングしたり,警報器を見つけたり,証拠品を分析したりなど,マルチに使えるハイテク機器がスキャナーだ。敵陣への突中前に一通り周囲をスキャンしておくと,敵やオブジェクトなどがミニマップに常に表示されるようになるので,ステルスでの攻略が一気に楽になる。まさに,潜入捜査の友
・スキャナー
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単なる空の薬きょうで,武器ではなく「意図的に音を立てるための道具」として使う。巡回中の敵は音にも反応するので,遠くに投げて敵を遠ざけたり,逆に手近に投げておびき寄せたりできる。2人1組の敵を分断する場合,とくに有効だ
・薬きょう
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 マップには通常の敵のほか,特別な指名手配犯がおり,逮捕することによって報酬を得られる。一度戦闘状態になると無傷で逮捕するのはかなり難しくなるので,報酬が欲しい場合,やはりステルス行動が必要だ。
 強制的な戦闘を求められるシチュエーションもあるものの,多くの場面では敵に察知されていない状態で始まるので,ゲーマーなら筆者のように「絶対に見つからずに全員逮捕してやる」と熱くなってしまう人も多いのではないだろうか。

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 シングルキャンペーンはプロローグを除いて10のエピソードで構成されていて,プレイスタイルにもよるが,それぞれのプレイ時間はだいたい1時間程度だ。したがって,総プレイ時間も10時間ほどになる。このボリュームについては賛否両論あるかもしれないが,シナリオとステージのメリハリが効いているため,個人的には十分に楽しめた。
 上記のように,同じエピソードでも攻略方法はさまざまに考えられ,リプレイアビリティもそれなりに高い。シングルプレイに,いつも以上の力を入れて制作されたという本作だが,その努力は結果に結びついているという印象だ。

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恒例のマルチプレイは
多人数バトルによるドンパチの楽しさが健在


 続いてマルチプレイについて。上記のとおり「ハードライン」は警察と犯罪者のバトルがテーマであり,マルチプレイに関しても,同様のチーム分けで対戦が行われる。参加できるプレイヤー数はPC,PlayStation 4,Xbox Oneで最大64人,PlayStation 3とXbox 360が最大24人となっている。
 ゲームモードは,以下のとおりだ。

・コンクエスト
 「バトルフィールド」シリーズの定番中の定番モード。乗り物を駆使しつつマップ上に複数ある陣地を奪い,相手側の「チケット」と呼ばれる数値をゼロにすれば勝ち,という分かりやすいルールが持ち味だ。陣地を占領するほか,相手をキルしてもチケットを減らせる。

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・チームデスマッチ
 名前のとおり,より多く敵を倒せば勝ちというシンプルかつおなじみのモード。乗り物は登場せず,総じて使用マップはコンクエストより狭いため,リスポーンした瞬間に撃たれることも珍しくない。

・ハイスト
 マップに設置された現金入りのバッグを警察側は守り,犯罪者は奪うことを目指す,というキャプチャー・ザ・フラッグの変形ともいえるモード。参加プレイヤー全員がバッグの位置を常に確認できるため,ほぼ全員が激しくバッグを奪い合うという,アツい戦いが繰り広げられる。
 犯罪者側はバッグを拾って所定の場所に持って行けるが,警察側はバッグを移動させることはできず,それを一定時間確保して(自動的に)元の場所に戻すことになるなど,警察側と犯罪者側で,やるべきことがかなり異なるモードだ。

・ブラッド・マネー
 マップの真ん中あたりに破壊された金庫(あるいは現金輸送車)があり,その中の現金を自チームの金庫に集めることが目的のモードだ。先に所定額に達したチームの勝利となるが,敵に倒されるとその場に現金をドロップしてしまうほか,自チームの金庫に納めた現金も敵に奪われてしまうことがあるなど,気が抜けない展開が続く。激戦区はもちろん金庫の周囲だが,現金の輸送ルートで起こる偶発戦も手強い。

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・ホットワイア
 マップ上に点在する指定された車を,警察と犯罪者で奪い合ってカーチェイスを繰り広げるというもの。少しでも長く運転を続ければスコアが加算され,相手側のチケットも減る。奪われた車を追う側は,少しでも早くドライバーを倒すか,車ごと破壊しなくてはならない。同乗者が追いすがる敵を攻撃できるので,ドライバーとの連携が重要だ。

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・レスキュー
 警察側は犯罪者側の人質になった市民の救出を目指し,犯罪者側はその阻止を目的とする。e-Sportsを強く意識して作られているため,参加人数は少なく,またリスポーンもないうえに,制限時間も短い。そのため,たいてい,かなりあっさり決着がつくという印象だ。テクニックとマップの理解の両方が必要なので,ハードルはかなり高い。

・クロス・ヘア
 同じくe-Sports向けのモードで,警察側はプレイヤーの1人が扮するVIPを守って所定の場所に連れて行くことを目的とし,犯罪者はVIPの抹殺を試みる。
 レスキューと同様に参加人数は少なくリスポーンもないが,レスキューの市民と異なり,保護対象が自由に動け,かつ(ピストルのみだが)敵へ攻撃することができる点が異なる。犯罪者側はVIPさえ倒せばいいので,終了直前での一発逆転が起きる。

 サーバーの状況を見る限り,一番人気はやはりコンクエストで,次に「ハードライン」で新規に作られたホットワイアやブラッド・マネー,さらにおなじみのチームデスマッチが続くという印象だ。何でもありのコンクエストには定番ならではの面白さがあるが,筆者個人は,警察vs.犯罪者というテーマを強く意識できる,ホットワイアとブラッド・マネーが楽しい。


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 ホットワイアは目標が車なので,一度奪ってしまえば基本的に「移動しっぱなし」になる。したがって「戦線が膠着する」といった事態は起きようがなく,常にマップ中でカーチェイスが起こるというスピーディかつ,きわめて流動的なバトルが繰り広げられる。車を奪い合たり破壊し合ったりという展開が派手で面白く,射撃の腕が今一つという筆者のようなプレイヤーでも運転手に徹することで,結構勝利に貢献できてしまったりするのだ。

 ブラッド・マネーは,現金を奪って走るのもいいが,相手の金庫を襲撃する部分がアツい。両チームとも,どうしても真ん中の金庫に目がいき,自チームの金庫が手薄になる場面が多いので,隙を突いて敵の金庫を空っぽにしたときの爽快感は相当なものだ。
 敵金庫の襲撃には味方と十分に連携する必要があり,割と失敗しやすくもあるのだが,成功して形勢を逆転できた場合,ヘンな声が出てしまう。とはいえ筆者の場合,欲張りすぎて敵金庫から逃げるタイミングを逃し,倒されることも珍しくない。

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 マルチプレイのそのほかのシステムについても,簡単に触れておこう。まずクラスだが,警察側も犯罪者側も,同じく「オペレーター」「メカニック」「エンフォーサー」「プロフェッショナル」に分かれている。これらはそれぞれ「バトルフィールド 4」の「突撃兵」「工兵」「援護兵」「偵察兵」に相当するものだが,突撃兵の装備だったグレネードランチャーがメカニックの標準装備になったり,援護兵に相当するエンフォーサーの装備がショットガンに変わっていたりと,かなり調整されている。
 また,RPG-7などの強力な兵器を装備して出撃することができず,マップ上のポイントでそれらの武器を拾う「バトルピックアップ」のシステムに変更された点も,違いとしては大きいだろう。

 さらに,「同一クラスなら,陣営や見た目が違っても中身は同じ」という不文律が微妙に変更され,警察は警察用の武器/装備,犯罪者は犯罪者用の武器/装備に分かれている。それぞれの武器や装備にはそれなりの性能の違いがあるうえ,アンロックも個別に行う必要がある。
 アイテムのアンロックは「バトルフィールド 4」のランダム要素の強いやり方から,プレイを重ねることで得られる「キャッシュ」を消費することで任意にできるようになった。したがって,欲しい武器や装備を狙って早めに入手することが可能だ。ちなみに,武器を使い続けてキル数を稼げば,「武器ライセンス」という形で,異なる陣営でも使えるようになるのだが,必要なキル数はかなり多い。

共通の武器やガジェットを除いて,警察は警察らしい,犯罪者はいかにも犯罪者的な武器を使う。アイテムや武器のアンロックは,ゲーム内マネーを消費して行う
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 敵味方で武器の性能が異なるという点は賛否両論を呼びそうだが,ゲームのテーマに合わせ,あえて大胆に調節してきたのではないかと思っている。そもそも警察と犯罪者では立ち位置が違い,βテストで警官と犯罪者が同じ武器で戦っているのに若干の違和感もあったりしたので,筆者としては好意的に受け止めている。

 「バトルフィールド 4」のフューチャーである「レボリューション」は,本作でも引き続き使われている。これは建物の破壊や自然現象によってマップが変化し,戦い方や戦術の変更が必要になるというシステムで,「バトルフィールド 4」では巨大なビルが倒壊したり,地区が丸ごと水に沈んだりなど,かなり大がかりな仕掛けが用意されていた。
 本作では,仕掛けとしてはそこまで大きな変化は見られないという印象だが,例えば砂漠の町「Dust Bowl」では砂嵐が発生して屋外の視界が大きく制限されるなど,確実にプレイに影響を与える変化が発生する。任意で起こせるタイプのものは,どうすれば自分のチームに有利になるのかを確かめつつ活用したい。

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 同じく「バトルフィールド 4」で復活したコンクエストの「司令官モード」は,「ハッカーモード」と名前を変えて登場している。戦場を俯瞰的に見て間接的に支援するという基本システムは変わらないが,味方が占領中の陣地とは関係なく支援が実行できるなど,ルールがシンプルになっている。レベルが上がることによって支援が強化されるため,以前より“赴任する”ことへのモチベーションが上がるのではないだろうか。

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 以上,主に前作との違いを中心にざっくりと見てきた。全体的には「一見しただけではテーマ以外の違いが分かりにくいが,プレイしてみるとかなり大胆に修正されている」という印象だ。多数の敵味方が入り乱れ,派手なドンパチが繰り広げられるお祭り騒ぎの戦場という基本は守りつつ,クラス装備の変更やマップのコンパクト化は確実にプレイフィールに変化を与えている。新設されたブラッド・マネーやホットワイアのルールでプレイすれば,なおさらそのイメージは強くなるだろう。
 経験に左右されず楽しめる間口の広さは変わらずなので,初心者は勝敗や成績にこだわらず,みんなとワイワイプレイし,経験者は従来作との違いをじっくり味わいつつ,プレイヤーごとの楽しみ方を見つけてほしい。


あえて伝統を打ち破った「ハードライン」
さあ,銃弾と札束が飛び交う戦場に赴こう


 簡単にまとめると,本作の大きなトピックといえば,やはりシングルプレイの大幅な強化ということになりそうだ。「シングルとマルチのプレイは根本的に違う」という前提に立ち,マルチとは完全に逆のステルスものに近い形で仕上げてきたのは意外ではあったものの,実際遊んでみると納得の完成度に仕上がっている。繰り返しになるが,ストーリーや演出の質も高く,無視するには非常にもったいない出来なので,従来作でシングルプレイモードに興味がなかった人にも,ぜひ一度試してもらいたい。
 ボリュームという点では若干物足りない印象はあるものの,メインのマルチプレイもあるわけで,これぐらいの分量がちょうどいいのかもしれない。

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 マルチプレイは,基本のコンクエストを中心に置きつつも,「警察vs.犯罪者」というテーマ“らしさ”を追求した新ルールを追加したことで,新たな楽しみ方が広がっている。大型兵器のバリエーションが減ったことで,戦場っぽさは減少したかもしれないが,今回の「金をめぐる戦争」にはまた違った面白さがあり,プレイヤーをかなり熱くしてくれる。
 バランス調整という点では,クラスの特徴と装備が変更されたほか,「グラップリングフック」「ジップライン」で上下移動の自由度が増し,高所に陣取った敵を襲撃しやすくなった。この2つは直接攻撃できる武器ではないし,意外と使いどころも難しかったりするのだが,せっかくの新要素,試してみるのも悪くないはずだ。

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 人気FPSシリーズの最新作ながら,大胆な変更が試みられた本作。シリーズらしさについては意見が分かれる部分もあると思うが,個人的には十分にアリだと考えている。シングルプレイから始めるもよし,もちろんマルチプレイから始めるもよし。さあ,筆者と一緒に「金庫の中に落ちてる金」を拾いに行こうじゃないか。

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