スマホゲームのセルラン分析（2023年8月17日〜8月23日）。1位は4週連続で「Fate/Grand Order」。インドにおける4月〜6月のランキングも

　データ分析を専門に行うSensor Towerによると，2022年におけるスマートフォン向けゲームの国内収益は約2兆1422億円に達している（関連記事）。そんな世界有数のスマホゲーム大国となった日本で，いま最も売れているタイトルを始めとした，さまざまなデータを毎週お届けするのが，本連載「スマホゲームのセルラン分析」である。

スマホゲームの国内収益ランキング
（2023年8月17日〜8月23日）

順位	前週	タイトル	DL数の前週比	収益の前週比
1	1	Fate/Grand Order	-15%	-16%
2	8	プロ野球スピリッツA	23%	218%
3	2	モンスターストライク	-46%	5%
4	10	原神	7%	65%
5	6	ONE PIECE バウンティラッシュ	21%	14%
6	13	Pokémon GO	-13%	77%
7	15	ブルーアーカイブ	-28%	28%
8	28	eFootball 2023	-27%	150%
9	5	ヘブンバーンズレッド	-44%	-38%
10	11	ウマ娘 プリティーダービー	4%	-4%
11	16	ロイヤルマッチ	-23%	10%
12	9	勝利の女神：NIKKE	13%	-30%
13	3	崩壊：スターレイル	-42%	-73%
14	42	雀魂	-22%	258%
15	18	パズルサバイバル	-6%	1%
16	4	ドラゴンクエストウォーク	-15%	-67%
17	14	パズル＆ドラゴンズ	-19%	-31%
18	12	荒野行動	-17%	-33%
19	24	メメントモリ	-27%	39%
20	19	ガーデンスケイプ	-17%	-2%
21	40	アイドリッシュセブン	25%	137%
22	7	ONE PIECE トレジャークルーズ	-48%	-62%
23	29	LINE ポコポコ	-28%	22%
24	20	プロジェクトセカイ	-24%	-26%
25	93	実況パワフルプロ野球	0%	363%
26	32	ドラゴンクエストタクト	-37%	20%
27	17	あんさんぶるスターズ！！Music	-19%	-50%
28	21	放置少女	-8%	-18%
29	27	ホームスケイプ	-8%	-6%
30	26	Pokémon Sleep	-25%	-12%
31	31	LINE：ディズニー ツムツム	-31%	-2%
32	400	マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝	436%	3149%
33	35	ブルーロック Project: World Champion	-44%	10%
34	30	ダダサバイバー	-19%	-15%
35	22	信長の野望 覇道	-11%	-34%
36	63	にゃんこ大戦争	-6%	80%
37	85	ディズニー ツイステッドワンダーランド	10%	160%
38	36	Age of Origins	-8%	-10%
39	37	フィッシュダム	-14%	-7%
40	38	グランブルーファンタジー	-61%	0%
41	39	おねがい社長！	9%	-2%
42	43	マフィア・シティ	-6%	9%
43	34	ロマンシング・サガ・リ・ユニバース	-27%	-21%
44	33	アークナイツ	-10%	-25%
45	49	トップウォー	2%	13%
46	55	プリンセスコネクト！Re:Dive	22%	30%
47	51	三國志 覇道	-13%	18%
48	61	エバーテイル	-7%	36%
49	23	妖怪ウォッチ ぷにぷに	-36%	-50%
50	99	アイドルマスター ミリオンライブ！ シアターデイズ	325%	157%

※掲載データはSensor Towerから引用したものです
※iOSとAndroidの収益の合計をもとにしたランキングです。マルチプラットフォーム展開を行うタイトルでも，PCや家庭用ゲーム機向けの収益は含まれていません

1〜25位の棒グラフ。縦軸（収益）の値は本連載では非公開

　1位は4週連続で「Fate/Grand Order」（iOS / Android）だ。8周年記念キャンペーン，サバフェス2023と立て続けに展開した施策が一段落したため，収益は前週比で16％減少したが，僅差で首位を維持した。

　今週は，8月23日に夏の甲子園・決勝戦が行われたこともあり，野球への注目が高まった。「プロ野球スピリッツA」（iOS / Android）では，8月18日から「プロスピセレクション 夏のヒーロー」と題したスカウトが実施され，松坂大輔選手や斉藤祐樹選手がゲーム内に登場した。結果として，前週比で218％の増収を達成し，2位にランクインした。


　また，「実況パワフルプロ野球」（iOS / Android）でも，8月17日から「甲子園大会（スター発掘大会）」が開催された。
　しかし，データによると収益が伸びているのは8月21日以降なので，パワプロの日（8月26日）を記念して展開中の「パワプロの日大感謝祭2023」（関連記事）が，363％増収の大きな要因だと思われる。


　一方，野球とは関係のない「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」（iOS / Android）も3149%の増収という驚異的な成績で，400位から32位まで順位を上げている。6周年記念キャンペーン（関連記事）が8月22日にスタートし，「悪魔ほむら」がピックアップガチャに登場した。

インドにおける4月〜6月の収益ランキング

　前回の記事では，「MONOPOLY GO!」と「崩壊：スターレイル」の各国における人気を調査した。そして今回取り上げるインドは，両タイトルともにあまり流行っていなかった珍しい国だ。

　今年半ばに，インドの人口は世界最多になったと推定されている。2021年の調査によるとゲーマー数も世界2位（関連記事）なので，市場のポテンシャルは世界でも有数といえる。
　しかし，映画人気の高さなど，さまざまな理由でゲーム業界は発展が遅れ，ここ数年で成長し始めたというのが現状だ（関連記事）。

　まずは，日本との比較で市場の全体像をイメージしてみよう。
　2023年8月17日〜23日の1週間で，スマホゲームの日本における収益は約240億円だが，インドでは約7億円だ。一方，期間中のダウンロード数は，日本が約1300万回，インドが約1億7300万回となっている。

　収益の大きいジャンルを上から3つ挙げると，2023年4月〜6月の期間で，日本では「RPG」「ストラテジー」「パズル」，インドでは「シューティング」「カジノ」「ストラテジー」なので，ここにも違いを感じる。

　それでは，インドにおける4月〜6月の収益ランキングを見てみよう。参考までに，収益の大きい順で各タイトルTop3の国を併記している。
　なお，カッコ内は各国の収益ランキングにおける順位だ。市場規模は国ごとに異なるため，「Garena Free Fire」を例に挙げると，アメリカで36位の収益が，インドで1位の収益よりも大きいと理解してほしい。

順位	タイトル	収益Top3 （カッコ内は各国での順位）
1	Garena Free Fire	アメリカ（36位），インド（1位），インドネシア（2位）
2	PUBG MOBILE	中国（2位），アメリカ（30位），サウジアラビア（1位）
3	コインマスター	アメリカ（4位），ドイツ（1位），イギリス（1位）
4	キャンディークラッシュ	アメリカ（1位），ドイツ（3位），イギリス（2位）
5	Call of Duty: Mobile	アメリカ（13位），中国（45位），日本（54位）
6	FIFA Soccer	韓国（8位），アメリカ（64位），中国（37位）
7	クラッシュ・オブ・クラン	アメリカ（11位），中国（46位），ドイツ（7位）
8	Teen Patti Octro 3	インド（8位），パキスタン（33位），アメリカ（圏外）
9	エボニー - 王の帰還	アメリカ（8位），日本（69位），イギリス（14位）
10	eFootball 2023	日本（12位），中国（53位），タイ（3位）
11	ガーデンスケイプ	アメリカ（5位），日本（20位），ドイツ（2位）
12	Roblox	アメリカ（2位），イギリス（3位），韓国（15位）
13	ロードモバイル	アメリカ（76位），日本（67位），ドイツ（30位）
14	Carrom Pool	インド（14位），サウジアラビア（113位），スリランカ（7位）
15	Teen Patti Gold	インド（15位），アメリカ（圏外），パキスタン（39位）
16	Yalla Ludo	サウジアラビア（2位），アメリカ（148位），UAE（2位）
17	原神	中国（4位），日本（9位），アメリカ（41位）
18	ロイヤルマッチ	アメリカ（3位），日本（35位），ドイツ（4位）
19	8 Ball Pool	アメリカ（109位），イギリス（25位），ブラジル（26位）
20	War Robots	アメリカ（112位），日本（239位），ドイツ（120位）
21	タウンシップ	アメリカ（7位），日本（58位），ドイツ（8位）
22	トップウォー	アメリカ（26位），中国（30位），日本（41位）
23	フィッシュダム	アメリカ（15位），日本（39位），ドイツ（6位）
24	Zynga Poker	アメリカ（108位），イギリス（40位），イスラエル（4位）
25	ホームスケイプ	アメリカ（9位），日本（28位），ドイツ（5位）

　1位の「Garena Free Fire」は，2位の「PUBG MOBILE」と同じくバトロワ系のシューティングゲームであり，Sensor Towerの全世界モバイルゲームダウンロード数ランキング（外部リンク）でも1位の常連だ。

確かなソースは見つからなかったが，類似ゲームと比べて低スペック向けだという評判

　全体的な市場の傾向はアメリカに近く，アメリカでTop10のタイトルのうち，「Jackpot Party」と「Pokémon GO」を除いた8タイトルがインドでもTop25にランクインしている。

　しかし，8位の「Teen Patti Octro 3」や15位の「Teen Patti Gold」など，ローカル限定人気のタイトルも存在する。Teen Pattiとはインド発祥のトランプゲームで，3枚のハンドでプレイするポーカーだ。

Teen Patti Octro 3

Teen Patti Gold

　14位の「Carrom Pool」や16位の「Yalla Ludo」も日本人にとっては馴染みのないタイトルだが，これらはボードゲームのようだ。
　ほかの地域と比べて，全体的に高性能な端末が不要なタイトルの順位が高く，経済的な事情がゲームの人気に大きく影響している印象を受けた。

Carrom Pool

Yalla Ludo

Sensor Tower 日本語公式サイト

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