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ハロー!Steam広場 第345回:ハエトリグモがかわいい横スクロールアクション「Webbed」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ルマルシャンの箱を拾ったら躊躇なく開ける上級サバイバーにジョブチェンジできるかも。
※来週のハロー!Steam広場は,筆者取材のため休載いたします。次回は10月1日に掲載予定です。
ハエトリグモがかわいい横スクロールアクション「Webbed」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はオーストラリアのインディーズ系デベロッパ,Sbug Gamesが手掛ける「Webbed」を紹介しよう。
本作はハエトリグモを主人公にした,2Dの横スクロールアクションゲームだ。物語は,恋人ならぬ恋グモが,アオアズマヤドリに連れ去られるところから始まる。なんとか彼女を助け出したいハエトリグモは,同じくアオアズマヤドリに悩まされるアリやガといった虫たちの協力を仰ぎながら,敵の根城(巣)を目指すことになる。
ゲームの舞台は草木が生い茂る森林がメインだが,工場と化したアリの巣や,迷路のように入り組む木の内部といった場所に足を運ぶこともある。ゲームの難度は易しめで,ライフのようなものは存在せず,ダメージを受けるとすぐ近くで即座に復活する。何度失敗してもゲームオーバーにはならないので,そうしたところでストレスが溜まることはない。ストーリー的には一刻を争う状況だが,ゲーム自体の雰囲気はのほほんとしているので,肩の力を抜いてプレイできるだろう。
そんな本作の特徴は,クモの糸を使った移動にある。本来,ハエトリグモは糸を張らない生き物だが,本作ではオブジェクト同士を糸でつないで自由に足場を作り出せる。糸は制限なしに好きなだけ放出できるので,歩くところがまったくないようなステージでも,足場には困らないというわけだ。
糸を壁や天井に引っ掛けて,グラップリングフックのように使うこともできる。糸の飛距離はかなり長いので,移動は非常に快適だ。
また,糸は自分より重い物を運んだり持ち上げたりするのにも使える。糸で物同士をつなげると,軽い物が重い物の方に引っ張られるので,壁とつなげれば横に,天井とつなげれば上に引き寄せられる。前述したとおり糸の数には制限がないので,一本だけではビクともしないような大物でも,糸を何十にも重ねればやがて動き出すわけだ。
こうした糸の性質を利用する謎解きが本作にはたくさん用意されており,どれもひねりが効いていて面白い。
そして,このゲームのハエトリグモはもう1つ特技を持っている。なんと目からビームを出せるのだ。このビームは,間違って張ってしまった糸を切るのに使えるほか,小さなオブジェクトであれば遠くにふっ飛ばせるので,糸で引っ張るよりも早く運べる。糸と同じくビームも無制限に撃てるので,うまく活用しよう。
本作の魅力は,プレイヤーの思ったとおりに糸を使えるところにある。好きな場所に好きなだけ糸を張り巡らすことができ,クモになりきって遊べるのがシンプルに楽しい作品だと感じた。なによりハエトリグモの仕草が愛らしく,ほかの虫の近くで[Q]キーを押すとダンスができるなど,こうした遊び心もプレイヤーの胸をキュンと突いてくる。
ちなみに,オプションの「クモきょうふしょう たいさくモード」をオンにすれば,主人公の見た目が毛玉みたいになるので,クモが苦手だという人も安心して遊んでみてほしい。
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