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[E3 2015]「DARK SOULS III」のディレクターは宮崎英高氏。本作のポイントや進化した剣戟アクションが披露されたプレゼンテーションをレポート
Xbox E3 2015 briefingにおいて,その存在が明らかにされた本作だが,どのようなものになるのかが気になっている人も多いと思う。今回,フロム・ソフトウェアの宮崎英高氏がその一端を紹介してくれたので,さっそくプレゼンテーションの模様をお伝えしたい。
E3 2015会場の入り口に設置されていた,DARK SOULS IIIの彫像。「主に祈る」がテーマになっているそうだ。なお,残念ながらプレゼンテーション中の写真撮影は禁止されていた |
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「DARK SOULS III」公式サイト
宮崎氏の名前が出たところでピンと来たかもしれないが,DARK SOULS IIIでは,氏がディレクターを務めるという。前作「DARK SOULS II」では「スーパーバイザー」という肩書きで,一歩引いた形になっていたので,第1作以来のディレクター復帰というわけだ。
最初に宮崎氏は,DARK SOULS IIIにおける3つのポイントを挙げた。
1つめは「世界のスケール感と没入感」だ。本作は,DARK SOULSシリーズとしては初の最新世代機(PlayStation 4,Xbox One)専用タイトルであり,シリーズの特徴である立体的な探索マップはさらにスケールアップしているという。また,動的な光源や風に舞う灰,布の表現といった演出によって,プレイヤーの没入感はより高まっていると説明された。
2つめは「終末の世界と,そこで展開される英雄譚」。本作では,これまでよりも終末感のある世界観を押し出しているという。終末といっても,ただ暗いだけでなく,色あせた太陽や宙を漂う灰などに象徴される,独特の枯れた美しさを持つ世界になるそうだ。
そして,そんな世界の中で,シリーズの象徴的な英雄である「薪の王」と,それを殺す者の物語が描かれることになる。デビュートレイラーでは,最後のシーンで燃える巨人の姿が確認できたが,これは薪の王が蘇るイメージなのだそうだ。
3つめは「シリーズコンセプトの継承と,その先に進化」である。DARK SOULSといえば,達成感のある難度や,ゆるくつながるオンラインプレイなどが特徴だが,そうした要素はもちろんDARK SOULS IIIにも引き継がれる。
では,その先の進化はどこにあるのか? 今回のプレゼンテーションでは,その一例として「剣戟アクション」が挙げられた。剣戟アクションはシリーズのゲーム性を支える重要な柱だが,IIIではそれを構成するさまざまな要素――直剣,槍,弓などの武器カテゴリやアイテムなど――をさらに深掘りし,その特徴を押し出していくという。これにより,戦術の幅だけでなく,キャラクタービルドやロールプレイの幅も広がり,アクションゲームとしてもRPGとしてもDARK SOULSが進化するというわけだ。
続いて,α版によるデモプレイが披露された。
スタート地点は,遠くに巨大な城が見え,眼下には城下町が広がるマップだ。城は,これまでにないスケール感と立体感があるだけでなく,もちろん足を運んで探索することもできるという。
DARK SOULS IIIでは終末の世界が表現されるとのことだが,今回披露されたマップのイメージをそのまま言葉にするなら「黄昏色」といったところか。色あせた光に照らされ,あたりに灰が舞い,不気味な亡者達が太陽に向かって祈りを捧げている光景には終末感が漂うが,その一方で黄昏の色使いから美しさも感じられる。
ちなみに,灰はかつて城を守っていた竜の死体から発生しているという。本作の世界設定において,灰は重要な要素になるのかもしれない。
マップを進んでいくと,暗がりの死角から突然敵が現れた。「プレイヤーを殺す気満々の配置は健在なので安心してほしい」と宮崎氏は笑いを誘っていたが,「やった! 死ねる!」と喜ぶ我々メディア陣もどうかと思う。
ただ,殺しにくるといっても,そこに理不尽さはなく,きちんとマップを観察すれば逆襲の機会が得られるようになっているという。デモプレイでは,高台から先に敵の存在を把握し,襲われる前に爆弾で吹き飛ばしてしまうといった戦法を取っていた。
敵が出てきたところで,剣戟アクションの進化も披露された。その最も大きな要素は,すべての武器に新たなアクションが追加されているということだ。
今回はロングソードを右手に持っていたのだが,この武器には新アクションの「構え」が追加されている。攻撃する前に武器を構えることで,盾を崩すなどの特殊な攻撃が放てるようになるのだ。これは,1vs1の戦いにおいて万能なロングソードの特徴を拡張するものとして用意されているという。
次に紹介されたのはグレートソードだ。この武器の追加アクションは「踏み込み」で,これによりダメージを受けることを覚悟しての大きな一撃を叩き込むという,いかにも特大剣らしい戦い方が可能になる。イメージしているのは「ベルセルク」の主人公ガッツの戦い方だそうだ。
さらにもう1つ,シミターも紹介された。シミターは2刀流が可能な武器で,「回転」のアクションが用意されている。攻撃の事前動作として回転しておくことで,両手の剣で踊るように広範囲を切り裂ける。うまく使えば,柔らかい敵に囲まれたシチュエーションで一網打尽にできる……という話だったのだが,デモプレイでは取り囲む敵にタコ殴りされるという残念なことになっていた。
道中で出現した特徴的な敵にも触れておこう。
本作でプレイヤーを苦しませてくれそうなのは騎士だ。素早く,硬く,構えのアクションなども活用してくる強敵としてデザインされているという。剣で戦う騎士だけでなく,シリーズ経験者であれば見ただけで「やべぇ」と思える槍の騎士と戦うシーンもあり,宮崎氏は「『Demon's Souls』の恐ろしい騎士が帰ってくる」と述べていた。
太陽に祈る亡者が突然変質した,巨大な黒い塊のような化け物も強敵になりそうだ。この敵は,城で何が起きているのかに関わるキャラクターとのことだが,非常に攻撃が激しく,恐ろしい存在だった。
本作には,こうした騎士や黒い塊といった強敵に対して「ストレスのないアクションで,全力で存分に挑んでもらう」という方針を掲げているという。この方針に基づき,これまでのシリーズよりもプレイヤーキャラクターのアクション速度が増し,サクサク動けるようになっているそうだ。
さらにデモプレイでは,「岩の古竜」の末裔だというドラゴンの姿も確認できた。城の上に陣取ったドラゴンが,炎のブレスで焼き払うというシチュエーションだったのだが,これが宮崎氏のお気に入りとのこと。「僕のディレクションタイトルでは,最初の城でドラゴンを出してユーザーを殺す」と話していた。
終盤には「冷たい谷の踊り子」とのボス戦も公開された。このボスは,巨体に全身鎧を装備していながらシルエットは細く,花嫁のヴェールのようなものと燃える剣を身に着け,ゆっくりと踊るように向かってくる。かなり独特のビジュアルを持つ敵だ。本作でもキャラクターデザインのオリジナリティにはこだわっており,さらに新しい,あるいは気持ち悪い敵が登場するそうだ。
なお,ボス戦は「Bloodborne」のように,戦いの後半になるにつれて敵が強化されていく。冷たい谷の踊り子の場合,2本めの灰の剣を取り出して激しい攻撃を繰り出すようになっていた。
ボスを倒したときの達成感は,実際にゲームをプレイして味わってほしいということで,デモプレイはここまで。その後,Q&Aセッションが行われたので,最後に気になった回答をいくつか紹介しておこう。
――DARK SOULSは世界的な人気作となり,今ではその良い部分を取り入れようとするタイトルが増えましたが,それに対してどのように感じていますか。
宮崎氏:
実感としては,それほど影響を与えていないと思っていますが,もし与えているのだとすれば,すごく嬉しいですね。僕自身はハードなゲームが好きなので,増えてくれれば嬉しいし,もしそこから刺激を受けて新しいものを作れたら,すばらしいことだと思います。
――協力プレイは,Bloodborneのようなシステムになるのでしょうか。それともDARK SOULS IIのような形になりますか。
宮崎氏:
どちらを採用するかは検討中ですが,フレンドとマッチングするための手段は盛り込む予定です。
――DARK SOULSでは死ぬとHPの最大値が半分になり,DARK SOULS IIでは徐々に減っていくという形でした。DARK SOULS IIIではどうなるのでしょうか。
宮崎氏:
デスペナルティ周りの仕組みはリファインします。ただ,HP管理については本作でもエスト瓶で行います。
――各武器の新アクションをいくつか紹介していただきましたが,すべての武器にアクションが追加されるのでしょうか。
宮崎氏:
できるだけ追加しようと思っています。どちらかと言えば,新しいアクションを増やそうというより,武器そのものの個性を戦術とロールプレイの両面で押し出そう,というのが本作の方針です。
たぶん聞かれると思うので答えてしまいますが,魔法についても同様の発想で調整をしていきます。
――マップのデザインは,BloodborneとDARK SOULS IIのどちらに近い感じになるのでしょうか。
宮崎氏:
マップについては,全体設計から個別のものまで僕が監修しています。なので,僕のクセが出て,DARK SOULSやBloodborneに近い立体感やつながり方になると思います。移動するシステムとしては,拠点は明確にあり,DARK SOULS IIで採用した篝火間のワープも用意します。
「DARK SOULS III」公式サイト
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