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PC用電源ユニットはついに出力1600Wに突入。12VHPWR&ATX 3.0対応電源をXPGが披露。小型ファン付きのPCIe 5.0対応SSDにも注目だ
12VHPWRコネクタを2系統備える定格1600Wの電源が登場
自作PCパーツの中では,地味なポジションだが欠かすことのできない重要パーツである電源ユニット。かつては,故障さえしなければ比較的長く使えるパーツの一種であったのだが,絶え間なく進化するPCプラットフォームのなかで,新しい技術への対応も迫られている。
今回XPGが披露したのは,定格出力が1600Wというデジタル電源ユニット「XPG FUSION 1600」で,電源ユニットやACアダプターでは最大手のDelta Electronicsとの協業で開発した製品だ。
1600Wという大出力が最大の特徴であるのは言うまでもないが,窒化ガリウム(GaN)ベースのパワー半導体技術を採用して,制御系をデジタル化することで,電源の出力をWindows上で監視したり,任意にコントロールできる点も特徴だ。
もうひとつの特徴は,12+4ピン仕様の「12VHPWR」補助電源コネクタを採用していること。
現在市場に出回っているGeForce RTX 40シリーズ搭載グラフィックスカードは,いずれも12VHPWRを採用している。しかし,既存の電源ユニットは,12VHPWRの出力端子を持っていない。そのため,8ピンタイプのPCIe補助電源コネクタを3〜4本を束ねて12VHPWRに変える変換ケーブルを使うのが一般的だ。
それに対してFUSION 1600は,ATX 3.0規格に対応する12VHPWRの電源ポートを2系統備えており,グラフィックスカード1枚ごとに,1本のケーブル接続で運用できるわけだ。
なお,XPGではエンスージアスト向けに,1600WのXPG FUSION 1600を先行して市場投入するものの,近日中に同一のコンセプトで,定格出力800Wクラスの製品――名前は「XPG FUSION 800」になるのだろうか――も投入する予定とのことだ。
XPGではほかにも,定格出力1300W,または800Wで,12VHPWRが1系統の電源ユニット「CYBERCORE II PLATINUM」と「CORE REACTOR GOLD」を出展していた。
ヒートシンクに小型ファンを組み込んだPCIe 5.0対応SSD
2022年では開発中だったPCIe 5.0対応M.2 SSDが,小型空冷ファンを搭載する「XPG PCIe Gen5 SSD」(仮称)として出展されていた。
SSDコントローラはSilicon Motion製の「SM2508」を採用しており,逐次読み出し速度は最大14000MB/s,逐次書き込みは最大12000MB/sという高い性能を誇る。最大容量は8TBに達するそうだ。
ストレージ関連では,試作品ではあるが,PCIe 3.0 x2で接続する「SD 8.0」メモリカード規格に対応するストレージモジュールが展示されていた。逐次読み出し速度は最大1600MB/s,逐次書き込みは最大1300MB/sと,SDカード系としては読み書きともに高性能だ。既存のSDカードとの後方互換性もある。
そのほかに,メモリモジュールの新製品としては,最大読み出し速度8000MT/sに達する「CASTER RGB」シリーズが登場した。「XMP 3.0」に対応しているのでオーバークロックが容易だ。
余談だが,XPGのアンバサダーキャラクターである「MERA」(日本市場ではメイラ,CV:植田佳奈)推しも一層進んでいる。MERAがプリントされたDDR5メモリやキーボード,マウスパッド,さらにはスナック類まで展開しているほどだ。
そのほかに,Ryzen 7000シリーズ搭載の16インチ級のゲーマー向けノートPC「XENIA 16P」,静音性に重点を置いたE-ATX対応ケース「STEALTH SILENT」,四面強化ガラスの「BATTLE CRUISER II」などが展示されていた。
XPG公式Webサイト
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