映画「ソニック・ザ・ムービー」はゲームとは違うソニックの魅力が光る！ 試写会で視聴を終えた感想をネタバレなしでお届け

　セガの人気シリーズ「ソニック」をハリウッドが劇場用映画化した「ソニック・ザ・ムービー」が，いよいよ2020年6月26日に公開となる。
　北米では今年2月に公開され，ゲーム原作映画史上最高の興行収入記録を樹立するヒット作となった本作。国内では3月27日に公開が予定されていたが，諸般の事情により延期となっていた。そして6月頭，ついに国内の公開日が6月26日に再決定したのだ。

　今回，公開に先駆けて関係者向けの試写会が行われ，一足早く作品を観ることができたので，現状で公開されている情報以外のネタバレは避けつつ，本作の魅力について紹介していきたい。

映画「ソニック・ザ・ムービー」公式サイト

試写会が行われた東宝東和の試写室。新型コロナウイルス感染症対策のため，マスクを着用したうえで，1回ごとの定員を減らしての実施となった

　1991年に誕生し，来年で生誕30周年を迎える，セガの人気キャラクター「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は，超音速のスピードで世界を駆ける，青い色のハリネズミだ。「ソニック・ザ・ムービー」は，そんな彼を主人公に据えた映画となるが，ゲームとは直接つながりのない，独自の世界観とストーリーが描かれている。

主人公となるソニックは，ゲームとは少し違ったキャラクターとして登場する

　最初に興味を惹かれるのは，映画におけるソニックの意外な設定だ。公式サイトのストーリー説明に「敵に狙われた彼は地球に逃げることに……」という記載があるように，ソニックは地球にいる人間とも動物とも違う別の世界で生きていた生命体であり，それに基づいたドラマが描かれている。
　ソニックは，地球で誰にも知られることなくたくましく生きていく姿の裏に，1人で生きなければいけない寂しさを抱えている。そんな彼と，相棒となる保安官トムとの出会いはなかなかドラマチックで，その後の2人の関係も映画の見どころとなっている。

アメリカの田舎町（町の名前に注目！）で保安官をするトム。その出会いは衝撃的だ

2人はひょんなことから一緒に旅をすることになり，絆を深めていく

　映画のソニックは，ゲームではあまり見せなかったちょっと人なつこい一面が描かれており，とても愛らしい。決してあざとい感じではなく，無邪気な子供のように自然なふるまいで，母性や父性をくすぐられる人もいるのではなかろうか。
　映画の発表時に一悶着あったルックスも現在の姿へと変更されたことで，その魅力はさらに高まり，筆者は鑑賞中に「ソニック，可愛いな〜」とニヤついてしまった。

　ただ，ゲームのイメージを壊してしまうようなことはなく，クールな性格もちゃんと押さえていて，ストーリーにうまくマッチさせた映画ならではのキャラクターとして昇華されていると感じられた。また，今回吹き替え版におけるソニックの声優に中川大志さんが起用されたことも話題となったが，映画のソニックのイメージとも合っており，演技もハマっていた。

ソニックが持っているリングも，物語のなかで重要なキーアイテムとなっている

　そしてもう1人，この映画で忘れてはならない存在が，Dr.ロボトニックである。立場もゲームとはかなり違い，ルックスもヒゲぐらいしか共通点がないが，そのマッドサイエンティストっぷりはゲーム以上で，演じるジム・キャリーさんと吹き替えの山寺宏一さんの怪演が光っていた。ドローン技術の先駆者というのも面白い設定で，打倒ソニックに情熱を燃やす様子や，部下のエージェントとのやりとりなどもぜひ注目してほしい。

自ら手がけたテクノロジーを使って，執念深くソニックを追い詰めていくロボトニック

　とにかく想像以上にワクワクする展開が続き，ゲームの設定も汲みあげて，違和感なくストーリーに盛りこんでいる点も，ファンとして嬉しかった点だ。
　また，本作にはソニックファンのみならず，セガファンに向けた小ネタが隠れキャラのように盛りこまれていることもお知らせしておきたい。具体的にどこにあるかは言わないでおくが，見つけることができたらきっと嬉しくなるはず。リピート鑑賞を念頭に置くこともオススメしたい。

ソニックが頭に巻いたハチマキに見えるマークは……！　細かなところにもネタがたくさん！

　映画の完成度は2月に公開された欧米でのヒットが証明済みだ。とにかく見どころはたくさんあるので，ラストシーンからエンドロールまで席を立たずに大いに楽しんで，ストレスをすっ飛ばしてほしい。

映画「ソニック・ザ・ムービー」公式サイト