プレイレポート
オンライン海戦アクション「World of Warships: Legends」,PS4版クローズドβテストのインプレッションをお届け
現在WoWsはPC版とモバイル版が展開されているのだが,コンシューマ版「World of Warships: Legends」(PS4 / Xbox One)(以下,WoWsL)も開発中となっている。
さて,今回は,不定期に開催されているPS4版WoWsLのクローズドβテストに参加する機会を得たのでインプレッションをお届けしたい。
PC版のWoWsでは,キーボードの[W/A/S/D]キーで戦艦を前進させたり舵をきって艦の移動を制御し,マウスで艦砲の照準や魚雷の発射位置を調整するといった,よくあるPCゲームの操作スタイルが採用されていた。
コンシューマ版となるWoWsLではどうかというと,艦船の制御は当然,コントローラで行うことになる。
ざっくりと操作方法の説明を行うと,[左アナログスティック]で艦の向きを制御し,[右アナログスティック]で照準を含むカメラコントロールを行い,射撃や望遠鏡視点は[L2/R2]ボタンで可能,といった感じだ。コンシューマ向けにリリースされている,FPSやTPSと同じ感じだと思ってもらって問題ないだろう。
なお,クローズドβテスト時点ではボタンの割当などを任意で行うことができず,予め用意されているプリセットの中から自分に合ったものを選ぶ仕組みとなっていた。筆者の主観ではあるが「プリセット5」が使いやすく,快適かつPC版と比べても違和感なくプレイできた。
ただ,照準周りはマウスを使用して,素速く視点を操作するPC版とは異なり,一瞬で180度反対を見るといったことはできない。これが最初はどうにも慣れることができず,スティックの感度を上げて対応しようとしたところ,今度は照準の微調整が難しくなってしまった。
戦闘においては照準操作がキモとなるので,狙いやすい感度を優先し,感度はおとなしめにすることにした。個人的には特定のボタンと組み合わせて押すことで,視点が早くなったり,180度反対側が見える仕組みがほしいところだ。
また,プレイヤー側が自由にボタンの割当ができると「なお良い」のではないかと思う次第でして,正式サービスの暁には是非とも実装してほしい。
PC版WoWsでは駆逐艦,巡洋艦,戦艦,空母という大きく分けて4つの艦種の戦艦を操作できる。しかし,WoWsLはテストフェーズということもあり,使用できる艦種が駆逐艦,巡洋艦,戦艦の3つのみに限られていた。
空母はバランス調整が最も難しい艦種で,PC版において仕様の大幅な変更が予定されている。WoWsLに登場しないのは,その兼ね合いもあるのかもしれない。
なお,空母のリワークについてはライターの徳岡正肇氏が先立って記事にしているので,そちらを参照していただきたい。
「World of Warships」が変わる。大規模な“リデザイン”が行われる空母と,ついに登場する潜水艦について,ロシアの開発スタジオで聞いた
ロシアのサンクトペテルブルクにある「World of Warships」の開発スタジオを取材する,というプレスツアーが9月13日と14日に行われた。なぜいまWoWsの開発スタジオに行くのか,それは本作に“大きな変革のとき”が迫っているからである。開発者へのインタビューも合わせてレポートをお届けする。
WoWsを知らない人のために,艦種ごとにどういった特徴があるのかを簡単に説明しておこう。おおまかな特徴は以下の通りだ。
- 駆逐艦
被発見距離が短く速力も高い。艦砲は力不足だが,強力な魚雷を持っている。ヒット・アンド・アウェイスタイルが得意である。 - 巡洋艦
リロード時間が早い強力な艦砲を備えている。国によっては魚雷を搭載しているケースもある。比較的,オールマイティーに戦える艦種だ。 - 戦艦
リロード時間は長いが強烈な一撃を与える艦砲を備えた艦船。装甲が厚く耐久力もあるが航行速度がダントツで遅い。射程距離の短い魚雷を搭載した戦艦も存在する。 - 空母
多数の戦闘機,爆撃機,雷撃機といった艦載機で敵艦を急襲したり,戦場のあらゆる場所に艦載機を派遣できる特性を生かして偵察したりと,戦場を支配し得る力持った艦種。自衛能力に乏しいので,敵に発見され,肉薄されるとまず間違いなく沈む。上級者向けだ。
使用できる艦船にはそれぞれティアと呼ばれる階級のようなものがある。PC版ではティア1〜10まであったのだが,今回のテストではティア1〜7までとなっていた。
恐らくプレイヤーのマッチング幅を意図的に狭めることで,より素速く多くの対戦をこなし,そのデータを今後のアップデートに役立てるための仕様なのだろう。
今回のクローズドβテストで使用できるのはアメリカ,日本,ポーランド,ドイツの4か国。PC版には11か国の艦船が登場するので,WoWsLも将来的に増えていくはず。クローズドβテスト時点では主要な艦船をもつ日米が参戦しているだけでも十分だ。
基本はPC版に準拠しつつ,家庭用に合わせた改良
PC版WoWsは基本的に12人対12人で戦うルールで行われる。しかし,コンシューマ版となるWoWsLは,人数を少し減らした9人対9人での戦いとなっており,人数的に僅かにコンパクトにアレンジされている。
しかし,人数が少ないことは良いことばかりでなく負の側面もある。
本作の対戦ルールの中には,指定のエリアを制圧することで勝利となるものがある。PC版では,敵の防衛ラインの穴を突いて指定の場所を目指し,敵に反撃されるかもしれないというプレッシャーに抗いながら占拠する……といったスリルのある戦いが楽しめた。
だが,参加人数が少なくなると,当然,防衛ラインが薄くなり,穴ができやすくなる。そうなると,すんなり敵陣に侵入できてしまうわけで緊張感が薄れるのだ。序盤のお互いの艦隊の位置の探り合いも減り,開幕早々の熾烈な砲撃戦が行われ,ほとんどの艦が沈んでしまうこともある。占拠するまえに勝敗が決まることもざらだ。
これについては,せっかくのルールが轟沈していて「単なるチームデスマッチにしかなっていないなぁ」という印象を受けた。早期決着が付きやすいという点では,テンポよく遊べるので歓迎すべきなのだが,あのヒリつくような緊張感は薄味となったのは残念だ。
艦隊戦の楽しさは変わらず面白い
肝心のゲームプレイについても触れておこう。今回のクローズドβテストでは上で前述したとおり,ティア1から7までの艦船を使って対戦できた。
しかし,すべての艦船を初めから使用できるわけではなく,最初はティア1の艦船からスタートすることになる。対戦を重ねていくことで少しずつ報奨金として貰えるお金や経験値を貯めていき,艦をグレードアップしたり,次のティアの艦を買ったりしていく仕様で,この辺りはPC版と同様だ。
ティア1や2くらいだと搭載している兵装も心もとないもので,大口径砲による派手な艦隊戦とは少し遠い。しかし,チュートリアルも兼ねたティアともいえるので,ここでゲームプレイに慣れておきたい。
ティア3からは強力な兵装を搭載した艦船も使えるようになるので,「俺のWoWsLが始まったな」となること請け合いだ。
WoWsシリーズの特徴として,戦闘中の艦砲射撃により飛んでいった砲弾は放物線を描いて狙った場所に着弾する。距離が近ければ着弾までのタイムラグは少ないが,艦隊戦という特性上,超長距離での砲撃戦も頻繁に行われ,その場合は着弾まで10秒弱かかることもある。当然,敵艦も被弾しないように回避運動をしながら移動しているので,事前にこの辺を通るだろうという予測のもと偏差射撃をしなければならない。
慣れていないうちはなかなか射撃が当たらないのだが,戦闘を繰り返していくと,弾速と敵の位置関係からおおよそで狙うべき場所が分かってくる。
うまく敵艦にダメージが与えられ,さらに防郭(バイタルパート,損傷を受けると致命的な場所)を抜いて大ダメージを与え,撃沈したときはやみつきになる爽快感だ。
戦闘をこなしていくと,新たに艦長を迎え入れられるようになる。WoWsLでは歴史に名を残す艦長が登場し,日本の場合であれば東郷平八郎や山本五十六といった連合艦隊司令長官を,艦長として着任させることが可能だ。
それぞれの艦長にはそれぞれ基本特性という固有の能力とスキルのようなものが用意されている。例えば,東郷平八郎の特性はリロード速度の短縮と砲塔の旋回速度が上昇,山本五十六であれば魚雷の視認距離を上げ,田中頼三であれば隠蔽性が向上し発見されにくくなる……といった具合。
つまり,使用する艦種に合わせて適した艦長を着任させることで,より効率よく軍艦の運用が可能になる。
現在は駆逐艦,巡洋艦,戦艦の3つの艦種に向けた艦長しか存在しないが,空母の艦長として登場するのは一体誰になるのか,非常に気になるところである。
また,オンラインゲームにはかかせないデイリーミッションなども用意されており,達成することで様々なリワードを獲得できる。日々のプレイのモチベーションを保てるのは嬉しいところだ。
以上,長々としてしまったがWoWsLのクローズドβテストに参加してみたインプレッションとなる。
WoWsLはPC版WoWsを“ただ移植する”わけではなく,交戦するタイミングが早くなるよう手が加えられていたり,PC版のように目まぐるしく視点を動かして撃ち合うのではなく,眼前の敵艦にフォーカスできるような工夫がなされていたりする。
PC版では最初の接敵までを長く感じていた筆者としてはスピーディーに遊べるのは歓迎したい。
クローズドβテスト段階ではPC版とは少し違うテイストになっているので,よりテンポよく楽しみたい人にはこちらの方がおススメかもしれない。もちろん,コンシューマ版で初めてWoWsに触れる人も,新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。
正確なリリース時期は未定だが,その日を楽しみに待ちたいところである。
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