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Metaの次世代VR HMD「Project Cambria」は年内リリースに。近日中に開発者向けのサポートを開始
マーク・ザッカーバーグによるプレビュー映像
2021年10月に開催されたオンラインイベント,「Connect 2021」で明らかになった「Project Cambria」(関連記事)。ザッカーバーグ氏は動画で「VRデバイス」と呼んでいるが,Metaのラインナップでは唯一,フルカラーのパススルー(HMDを装着したまま現実世界を見られる)機能を実装した,高解像度ARデバイスとしても使用可能だ。
今のところ正式名称だけでなく価格や発売予定日なども発表されていないが,動画では「Later This Year」とされている。
映像でザッカーバーグ氏は「まだデバイスをお見せすることはできない」と述べ,モザイクをかけた状態でプレイの模様を紹介している。すでに発表されているARゲームのThe Woeld Beyondを起動し,デバイスを通して見える室内をコントローラでファンタジー世界に変えたり,目の前の可愛いクリーチャーと遊ぶといった様子が確認できる。
また,仮想のディスプレイに映るSNSのメッセージを読んだり,それを現実世界のデスクに広げたメモ帳に書きうつしたりなどのオフィスワークや,バーチャルアバターを使ったミーティング,ホログラム風のバーチャルトレーナーと一緒に行うトレーニングの様子も紹介されている。
現実と仮想空間をブレンドした世界を構築するためのAPI「Passthrough API Experimental」や,機械学習型知覚システム「Machine Perception」,室内環境を固定する「Spatial Anchors」,そして新たなハンドトラッキングAPIなどをフルに活かしたソフトウェアの開発を支援するため,同社が用意する「プレゼンスプラットフォーム」でサービスを展開していくという。Mark gives us a preview of Project Cambria and its mixed reality capabilities pic.twitter.com/iCMGwcaIim
— Meta Quest (@MetaQuestVR) May 12, 2022
「Project Cambria」はMetaにとって,今後数年間のフラッグシップとなるハイエンドモデルであるため,高めの価格帯も予想できるが,今月初めから北米メディアが出し始めた情報では,もっとも安い場合で799ドル,しかし確実に1000ドルは超えるだろうと見るところが多いようだ。デバイスの演算能力は,Chromebookほどだろうとする見解もある。
動画のザッカーバーグ氏によると,ソフトウェア開発者がアプリの制作に取りかかれるように,近日中にプレゼンスプラットフォームで開発キットの配布を開始するとのことで,しばらくの間は,モノクロのパススルー機能を持つ「Meta Quest 2」などを使用して「Project Cambria」向けアプリを作っていくことになるようだ。
Metaは,これからの約2年で新世代の複合現実(Mixed Reality)デバイスを4種類程度リリースする予定だとも言われており,同社にとって「Project Cambria」は,新たなマイルストーンになりそうだ。
- 関連タイトル:
Meta Quest(旧称:Oculus Quest)
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