［インタビュー］「Path of Exile2」は，各クラスがプレイヤーの理想を体現した動きをできるように。開発ディレクターに前作との違いを聞いた

　Grinding Gear Gamesは2024年3月21日に，ハックアンドスラッシュアクションRPG「Path of Exile」（「PoE」）のメディアブリーフィングを実施した。すでにこちらの記事でその内容は紹介しているが，本稿ではその後に実施したJonathan Rogers氏へのインタビューをお届けする。
　内容は主に「Path of Exile2」についての情報を深掘りするようなものとなっているので，本作が気になる方はぜひともご一読いただきたい。

「PoE2」が目指すのは，最大規模のオンラインARPG
各クラスのアクション面も大幅に変更

4Gamer：
　よろしくお願いします。
　PoE2の新クラス“レンジャー”ですが，遠距離攻撃が主軸，かつ範囲攻撃が豊富なクラスのように見受けられ，初心者でも取り扱いやすいような印象を受けました。そういった意図をもって設計したのでしょうか。

Jonathan Rogers氏：（以下，Rogers氏）
　たしかにレンジャーは範囲攻撃を多く持ってはいますが，レンジャーだけではなく，さまざまなクラスが初心者にとってよい選択となるようなものにしています。
　PoEに存在したクラス――中でもマローダーはいろいろと進化しており，スタンを使って被弾する機会を減らすこともできるので，より初心者にふさわしいのではないかと思います。

4Gamer：
　各クラスが前作より進化しているんですね。たしかに映像ではレンジャーの動きにさまざまな変更点が見られました。もう少し詳しくPoEとの違いを教えてください。

Rogers氏：
　レンジャーの最大の変更としては，動きながら攻撃ができるようになっている部分ですね。今まで以上にダイナミックなプレイができるようになりました。

　全体の変更点としては，前作は1種類のスキルを使い続けるという動きがメインになりがちでしたので，PoE2では複数のスキルをうまく組み合わせることを重視してもらえるような変更を加えています。
　クールダウンなしでたくさんのスキルを使えるような，なるべく多くのスキルを使っていくという理由を生み出したいと考えて，いろいろとデザインを行いました。

　後は先ほどのブリーフィングでも紹介したような，自然関係のスキルでしょうか。植物を使って毒を植え付けていくような部分は，PoEにはまったくなかった点ですので，そこは大きな違いになると思います。


4Gamer：
　PoEに比べてゲームプレイ体験がかなり違うものになりそうですね。

Rogers氏：
　PoE2の開発で重視したこととしては，それぞれのクラスが各プレイヤーが抱いているイメージを実現できるものにする，ということです。
　レンジャーに関しては――こちらは先ほどのブリーフィングでも少しお伝えしましたが，「ロード・オブ・ザ・リング」のレゴラスのような動き回りながら機敏に戦うイメージだったリ，ドルイドであれば，熊のように大地を踏み鳴らして回れるようなイメージだったりですね。

　PoEではあまりプレイヤーがイメージしているものに沿うようなものにできていませんでした。PoE2ではそういった面を達成できるよう開発を行いました。

4Gamer：
　Jonathan Rogers氏としては，開発中にそういった理想が達成できたなと感じられるような，お気に入りのクラスはありますか。

Rogers氏：
　モンクですね！　ダッシュなどを交えたスピーディな動きや，エレメンタルのスキルを扱う戦闘アクションなど，理想に近いような形で開発できました。
　開発段階でも，最初に私たちが期待していた通りの戦闘アクションを実現できたクラスなので，お気に入りです。


4Gamer：
　なるほど。スピードの速いキャラを使うのが好きなので，新たなモンクを使える日が楽しみです！
　6月に行われるアルファテスト，そして年末のベータテストに関してですが，どこまでの範囲が遊べるものになる予定でしょうか。

Rogers氏：
　アルファの段階では6クラス，act5か6あたりを予定しています。もちろんその時点での開発段階で変化することもあり得ますが。
　年末のベータテストに関してですが，こちらはすべてのコンテンツをプレイしていただけるようにしていきたいと思っています。

4Gamer：
　全要素ですか！　年末のベータテストがより楽しみになりました。ではそんなPoE2について，「ここが気に入っている！」「ここがオススメだよ！」という点があれば教えていただきたいです。

Rogers氏：
　PoEを振り返った時に，アクションゲームという面ではどうしても弱い部分があったんです。新しいユーザーを引きつけるための，ツカミとなる魅力が足りないといいますか。私自身も満足がいっていない部分がありましたので，まずPoE2ではその部分にフォーカスして開発を行いました。

　PoE2では各クラスの動きやアニメーションのレベルを引き上げ，しっかりアクションゲームとして楽しめるものにしています。


4Gamer：
　まずアクションの見せ方に注力されたわけですね。
　それでは最後に，本作を心待ちにしているファンに向けてなにかメッセージをいただけますか。

Rogers氏：
　私としましては，PoE2が間違いなく素晴らしいものになるという自信があります。ベータに関してのスケジュールが遅れているというのは少し残念な点ではありますが，その分待つだけの価値があるものをお届けできるかと。

　PoE2は，オンラインのARPGとしては最大の規模であり，最も素晴らしい品質のものになるでしょう。その点は私自身もワクワクしています。皆様もぜひ，楽しみにしていただければと思います。

4Gamer：
　ありがとうございました。

「Path of Exile 2」公式サイト