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「パワプロ2020」を競技タイトルとしたオリンピックバーチャルシリーズが開催。PS4版トーナメントは劇的な満塁ホームランでショーラ選手が優勝
オリンピックバーチャルシリーズとは,IOCが各国際競技連盟と連携して主催するバーチャルスポーツイベントだ。「東京2020オリンピック競技大会」を盛り上げるべく開催されるプレイベントで,IOCにとって初のeスポーツ大会となる。
野球部門の競技タイトルに採用されたのは,KONAMIの「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」(PS4 / Switch)。Switch版を使用した「ホームランダービー」,PS4版を用いた3イニングでの対戦「ベースボールトーナメント」という2部門が6月20日に実施され,国内で活躍する実力派プレイヤーによる熱い戦いが繰り広げられた。
「Olympic Virtual Series」公式サイト
IOCとWBSCによる初のパワプロ大会は,
劇的な満塁ホームランで決着
PS4版を使用したベースボールトーナメントでは,各国の代表チームを使用した11人の選手によるトーナメントが行われた。ルールは,1試合3イニングで,延長5回までのコールドなし。4回,5回はタイブレーク制となり,延長5回で勝敗が付かない場合,試合中のヒット数が多いほうを勝者とし,ヒット数も同数の場合は抽選による勝敗決定となる。戦いの舞台となるのは,パワプロ2020のオリジナル球場である「クラウンスタジアム」だ。
日本野球機構(NPB)とKONAMIによるeスポーツリーグ「eBASEBALL プロリーグ」のプロ選手を中心とした強豪たちが揃ったトーナメントを勝ち上がって決勝に進出したのは,キューバ代表を使用したショーラ(森 翔真)選手と,オーストラリア代表のTAKU(加藤誉士典)選手。ショーラ選手は,eBASEBALL プロリーグの阪神タイガース代表で,2020シーズンのセ・リーグ首位打者。TAKU選手は同プロリーグの埼玉西武ライオンズ代表で,2020シーズンのパ・リーグ最多本塁打に輝いた。eベースボールファンにとって,セパの強豪同士という注目の対戦となった。
両リーグのトッププレイヤーの対戦は,1回オモテから試合がさっそく動く。先攻のショーラ選手が,2アウトから5番打者のライト前ヒットで1点を先制。ランナー2人を残し,なおもピンチが続くTAKU選手だったが,なんとか落ち着いてこの回は1点に抑えた。1回ウラ,なんとか1点を返したいTAKU選手だったが,ストライクゾーンギリギリを攻めてくる変化球を駆使するショーラ選手に抑えられ,三者凡退で劣勢のまま攻撃を終える。
2回は両者ともに無得点。3回オモテのショーラ選手の攻撃は,いきなりのライトスタンドのフェンス前まで伸びるツーベースで好スタートを切る。送りバントでランナー3塁まで進めてTAKU選手にプレッシャーをかけると,この機を逃すまいとスクイズを決行。会場から驚きの声があがったが,結果は空振り。ランナーは3塁とホームの間で挟まれアウトになり,この回も追加点はあげられなかった。
1-0のまま迎えた3回ウラ。ここで抑えられると試合終了という絶体絶命のピンチであるTAKU選手は,1アウトからのヒットでまずはランナー1塁。このチャンスを生かすため足の速い選手を代走に出すと,続くバッターのフルカウントからの一打は,打球が野手のグローブを弾いてフェアに。実況解説陣のどよめきの中,試合終了が見えた場面から一転して同点のランナーがホームイン。土壇場で試合をふりだしに戻す熱い展開となった。
なおもランナーを残し,TAKU選手にサヨナラへの期待が高まる。優勢から一転,逆に追い詰められることとなったショーラ選手は,パワーヒッターの長打を抑えるべく申告敬遠を選択して2アウト満塁に。この場面を冷静に抑えてピンチを脱出し,試合はタイブレークへと突入する。
WBSCが定めるタイブレークのルールに則り,4回以降はランナーが1,2塁に出塁した状態でスタートする。4回オモテ,先頭バッターの送りバントで,ランナー2塁3塁とするショーラ選手。この作戦が功を奏し,続く選手のライト前ヒットでランナー2人が生還し,3-1と2点差をつけることに成功した。
2点差とはいえ,2人ランナーを置いて始まるタイブレークでは,ホームラン一本で逆転サヨナラとなるため,ショーラ選手も油断できない状況であることは変わらない。4回ウラ,先頭打者でヒットを打ち,ノーアウト満塁としたTAKU選手は,次の打者で643のダブルプレーとなるも1点を返してスコアは3-2に。同点のランナーを3塁に残した場面から,フォアボールで出塁して2アウト1,3塁に。2人を返すことができればサヨナラとなるTAKU選手と,ここを抑えて優勝を勝ち取りたいショーラ選手。勝負がかかった1打席は,レフト前ヒットで3塁ランナーを返し,同点に追いついたTAKU選手に軍配が上がる。
試合を決定づけたのが,この2アウト満塁の場面だ。高めの球をバットがとらえ,打球はスタンドへと吸い込まれる。満塁ホームランが飛び出したことでスコアは9-3に。5回ウラ,なんとしても追いつこうと食らいつくTAKU選手だったが,無情にも三者凡退で勝負あり。最終回に満塁ホームランで勝負を決めるという劇的な展開で,ショーラ選手がトーナメントを制した。
予選は10位通過だったため,チャレンジャーとして試合に臨んだというショーラ選手。勝利直後のインタビューでは,「先制したものの同点に追いつかれて冷や冷やした」とコメント。タイブレークでは落ち着いてプレーができ,新しく取り入れた「つまみ持ち」(左スティックを親指と人差し指でコントロールする方法)も功を奏し,勝利をつかむことができたと話した。最後は「これがショータイムだ!」という決め台詞で優勝の喜びを表した。
本稿の締めとして,ショーラ選手の合同インタビューの模様をお届けしよう。
タイブレークの延長戦に,満塁ホームランという劇的なドラマが飛び出した決勝戦は,オリンピックバーチャルシリーズという特別な大会を飾るに相応しい試合となった。あくまで今回の大会は東京2020オリンピックを盛り上げるためのイベントではあるが,今回の盛り上がりを機に,今後もこう言った熱いドラマが楽しめる公式大会が開かれることに期待したい。
――優勝おめでとうございます。今回,オリンピックに関連した特別なイベントでしたが,思い入れはありましたか?
ショーラ選手:
バーチャルオリンピックという初めての試みで,その第1回から参加させてもらえたのは光栄なことですし,「オリンピックに出た!」と言えるのが自慢になりそうです。
――今回はキューバを使うことになりましたが,実際プレイしてみての印象はどうでしたか。
ショーラ:
ピッチャーがけっこう強いですね。バッティングも打線がつながりやすく,ホームランも狙えるバッターが多くて使ってて楽しかったです。
――試合を振り返ってみていかがでししょう。タイブレークになったときはどう思いましたか。
ショーラ:
先攻だったんですが,1点先取したもののピンチもけっこうあって,気持ち的には全然落ち着かなかったですね。タイブレークでも,3-1でリードしたけど本塁打が出ると逆転サヨナラという状況でもあったので,とにかく1球1球ドキドキしながら投げました。
――タイブレークでの満塁ホームランですが,打った瞬間の感想を教えてください。
ショーラ:
今日の大会では,ホームランがあの満塁打だけなんですよね。まさか,あのタイミングで出ると想像してなくて,ちょっと頭が真っ白になりましたね。
――あれで勝利はほぼ確定した感じでしたよね。
ショーラ:
(対戦相手のTAKU選手は)6点差でも逆転される可能性があると思えるくらい,バッティングが強いんですよね。オンライン対戦でさんざん負けていたので,全然気は抜けませんでした。
――この勝利の喜びを誰に伝えたいですか。
ショーラ:
両親ですね。やっぱり,オリンピックっていう名前が冠されたイベントで初代王者になったっていうところで,非常に嬉しいです。
――最後に,大会を見てくれたファンに向けてメッセージをお願いします。
ショーラ:
視聴者の方,あとは仲間や両親など,多くの世界の方々が観ていただける大会で,こういったプレイが出来たのは嬉しかったです。今後も,オリンピックはもちろん,このオリンピックバーチャルシリーズもさらに盛り上げられるよう,頑張っていきたいと思います。
「オリンピックバーチャルシリーズ」野球競技 決勝戦開催
「ホームランダービー」と
「ベースボールトーナメント」の優勝者決定
株式会社コナミデジタルエンタテインメントは,6月23日に放送された「オリンピックバーチャルシリーズ」野球競技にて「ベースボールトーナメント」と「ホームランダービー」の優勝者が決定したことをお知らせします。
6月23日に放送された「オリンピックバーチャルシリーズ」野球競技は,国際オリンピック委員会(IOC)と5つの国際競技連盟が主催する初めてのバーチャルスポーツ大会です。
ホームランダービーでは,大坂亮平さん(プレーヤー名:ポメ)が見事優勝しました。
ベースボールトーナメントの決勝戦では,森翔真さん(プレーヤー名:ショーラ 使用チーム:キューバ)と加藤誉士典さん(プレーヤー名:TAKU 使用チーム:オーストラリア)の熱戦が繰り広げられました。延長の末,9対3で森さんが勝利し,見事史上初のオリンピックバーチャルシリーズの優勝者となりました。
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