プレイレポート
[プレイレポ]息継ぎしながら未知の世界を走り抜ける「Airhead」は“頭”と“体”の謎解きアドベンチャーゲーム
エアヘッドは,時間経過で中に蓄えられた空気が抜けていき,すべての空気がなくなると死んでしまう存在だ。ある日,謎の機械によってさらわれ,さらに捨てられてしまったことで絶体絶命のピンチを迎えるが,そんな彼を見かねて“体”だけの生命体が助けてくれる。そして彼らは,それぞれの特性を活かし,行く手を遮るギミックを解きながら洞窟を進んでいく。
本稿では,見知った生き物が一切出てこない不思議な世界で,絶妙な難度の謎解きを味わえる本作の魅力を紹介しよう。
「Airhead」公式サイト
未知の惑星を探検するかのようなワクワク感
まず,主人公を助けることになる謎の生命体について説明する。
名称は「体」だ。Steamストアページなどでは「ボディ」と表記されていることがあるが,本稿では作中の表記「体」で統一したい。「体」は文字通り人間の胴体を模したようなフォルムで,足が4本のヒトデに似ている。ただし二足歩行だが。
ゲームは,「体」が洞窟に落ちてきたところから始まる。なぜここにいるのか,何をすればいいのか,まったく明かされていない。周囲にはボンベなどの人工物があり,前人未到(人と言っていいのか疑問だが)の地というわけではないらしい。自ずと洞窟の上層,あるいは地上を目指したくなる。
プレイヤーはここから,さまざまなパズルを解きながら洞窟を進んでいくのだが,その過程で未知の生き物や,まるで意思を持っているかのような機械に遭遇する。手探りでこの世界の情報を集めていくのも本作の楽しみのひとつだろう。
高い段差も,大きな岩を移動させて足場にすれば登れるようになる。謎解きの第1歩だ |
ボンベは,丸いものや細長いものと,いろいろな形状がある |
画面奥に動いている生き物がいた。「体」の仲間か? でも手の先に指があったり中心部が光っていたりしてちょっと違うような |
遭遇したことでライブラリーに情報が追加された。さっき見た生き物はエアハンターと言う名前で,どうやら“家族思い”らしい |
「体」は水の中もスイスイ泳ぎ,息継ぎも必要ない。頭足類のような生き物がいたけど近づいていいものだろうか,と思っていたらこんなヒントが表示された。ヒントは画面左上にHマークやフキダシマークが表示された時に[H]キーを押すと確認できる |
岩をどかそうとするがエアハンターが邪魔をする。「もしや敵?」と思ったがヒントを見てみると…… |
遠回りしてみたら,川の中州にエアハンターの幼生が落ちていた。エアハンターは水が嫌いだとライブラリーに書いてあったので,自分で幼生を助けられないのだろう。担いで成体に渡したが,幼生を受け取るとどこかへ行ってしまった。弱ってしまったのだろうか,胸が痛い |
この世界の生き物の生態や出来事に思いを馳せながらしばらく洞窟を進むと,岩に潰された丸っこい生き物「頭」と出会った。点が3つあると顔に見えるというシミュラクラ現象なのか,はたまた本当に生き物の頭部にあたるのかは分からない。
「Airhead」では,次から次へと謎と未知が押し寄せてくる。そこが楽しい。
岩を引っ張ると中身がトローリ…… |
中身が出てしまっていいものかと戸惑いながらも岩をどけると,クレーンのような機械(生命体?)が「頭」の半分をもぎ取って行ってしまった。
そしてここから,彼の半身を取り戻すため,「体」が「頭」を体の上に乗せて進む冒険が始まるのだ。ここまでの道中と同様に先へ進むためのパズルがつぎつぎと目の前に現れるが,むしろここからが本番と言わんばかりにその難度はどんどん高くなっていった。
ライブラリーには「研究検体」と記されていた。クレーンが半身をもぎ取っていったということは……? |
「体」に「頭」が乗ったことで,あるべきものがあるべき場所にあるような安心感を覚える。かわいい |
「体」と「頭」の力を合わせてパズルを解く
理由ははっきりしないが,「頭」は定期的にボンベから空気を吸う必要があるらしい。また「体」は,「頭」を上に乗せているときは両手で支えているので,物を掴むようなことができない。手順という制約と空気残量という時間制限が,謎解きパズルをいい具合に複雑にするスパイスとなっている。
たとえば,移動して空気を吸い,任意の場所に頭を置いて(足場がない高所に置くと「体」だけでは取りに戻ってこられない),ギミックを解き,「頭」を拾いに戻って,空気残量が残っているうちに次のボンベのところまで走り抜ける……のように,謎解きの流れが複雑になったのだ。
移動したり「頭」を地面に置いたままにしたりしていると空気が抜けていく。空気残量は画面右下の白い丸で分かる |
空気を吸わないと画面がだんだんと暗くなり,目(?)も光を失っていく。最後は暗転し,セーブポイントにリスポーンした |
「頭」だけ,もしくは「体」だけなら通れる隙間。でも「頭」を転がすことはできない。ではどうやって2人とも向こう側に行けるのか……。ひらめきが試される |
「頭」を持ったままでは通れない道があり,掴めない物もある。また,水に入れば「頭」の中にある空気が浮きの役割を果たして水中に潜れない。
しかも,動いたり置いたりすると空気が減っていって「頭」はいずれ死んでしまう……。これでは「頭」を持ってもデメリットばかりで「体」の負担が大きすぎるじゃないかと思うだろう。
しかし,「頭」はただ運ばれているだけではないのだ。
道中にあるさまざまなボンベは,形ごとに違う気体が詰まっている。細長いものには通常の空気,丸いものには空気より軽い気体,黄色のものには空気より重い気体が入っているので,「頭」が軽い気体を吸えば空を飛び,重い気体を吸えば水中でも沈むのだ。
地形や状況に応じてそれぞれを使いわければ,「体」だけでは到達できなかった場所にも行けるようになる。
丸いボンベを吸うとふわふわと上空へ! |
また,道中で黒くて丸い「耳」を拾うと貯蔵できる空気量が増えたり,謎の装置に「頭」をセットすることで,空気を使って光を発したり二段ジャンプや空中ダッシュなどができるようになる。
洞窟を進むにつれて,パズルやギミックの難度が徐々に上がり,アクション性もだんだんと増していく。「体」と「頭」の力を合わせてひとつひとつ謎を解きながら進むのだ。
謎の装置。なぜ「頭」に装着できるのだろうか,誰が一体何のために,と疑問は尽きない |
できることが増えると「頭」の装飾も派手に |
この世界の生き物と機械の動きもヒントに
岩を高所から落として障害物をどけたり橋にしたり。そんな風に謎解きをしながら洞窟を進んでいると,エアハンターがまとわりついてきた。かといってこちらに攻撃を仕掛けてくる素振りもない。
「さっき幼生を助けたから懐かれた?」と,試しに「頭」を渡してみると「なるほど,君は“エアハンター”だ!」という結末になってしまった。端的に言うと,幼生に空気を吸われた。南無。
しかし,このようなエアハンターの習性を始めとして,ほかの生き物の生態や機械の行動パターンなどもこの長い洞窟を抜けるために必要なカギとなるのだ。
大きな生き物の背に乗って移動。もう少し進んでくれたら左側にある崖を渡れそう。頭部の赤いデコボコが感覚器なので,何か刺激を与えられそうなものは…… |
空を飛ぶ大きな生き物。食事を邪魔されるのを嫌うらしい。じゃあ邪魔するとどうなるのか……試してみたいような,怖いような |
画面左下のマシンを移動させたいので,レールの切り替えスイッチに空気を吹き込んで起動させるが…… |
スイッチを起動してレールを切り替えても,すぐ下の機械がスイッチを押し直してしまう。けれど,この機械が持つ「近づくと逃げる習性」とスイッチの切り替えのタイミングを掴めばなんとかなるかも……? |
コントラストが強い色鮮やかな画面と不思議な雰囲気も相まって,歯ごたえのある謎解きパズルに夢中になって何時間もプレイしてしまう。また,まるで「頭」のために置いたかのように洞窟内に点在するボンベ,「頭」の半分だけ必要とするクレーンなど,この世界の謎は深まるばかりで,「体」と「頭」がたどり着く先を早く見たくてプレイの手が止まらない。
悩んだ末に解くことのできたパズルやしかけは,いままでにない開放感だけではなく,謎が解けたという自信や,諦めずにトライし続けたことでの自己肯定感を味わえる。
我こそはと思う人,ヒントとひらめきを頼りに絶対クリアしてみせるぞという人,分からなかったことがだんだんと明らかになっていく様子が好きな人は,ぜひじっくりとプレイしてみてほしい。
なお,おそらくこの場所は到達できなくてもゲーム本編の進行に関わらないと思うが,筆者がどうしても気になっている箇所を紹介しておく。二段ジャンプと空中ダッシュができるいま,どういった動きをすればいいか頭では分かっているが反射神経と指が追いつかないのである。タスケテ。
地図上では行き止まりになっている,キャラクターの左側にある空間。丁寧に足場もある。絶対に何かある……! この場所に何が何でもたどり着きたいと思う気持ち,ゲームが好きな人には分かってもらえると思う |
ヒントには「精度と,目の追跡が鍵です」と書かれており,プレイヤーのプレイスキルが試される。腕に自信のある人はぜひ! |
「Airhead」公式サイト
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