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「え,手で描くの?」リメイク版ウィザードリィ発売記念。今どき小学生と声優・保志総一朗さんがFC版“狂王の試練場”の初見プレイに挑む!【PR】
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印刷2024/05/23 13:00

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「え,手で描くの?」リメイク版ウィザードリィ発売記念。今どき小学生と声優・保志総一朗さんがFC版“狂王の試練場”の初見プレイに挑む!【PR】

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 「ウィザードリィ」,なんと甘美な響きだろうか。薄暗い迷宮をさまよい,奇怪な怪物と血みどろの死闘を繰り広げながら,奥へまた奥へと探検を続ける……そんな冒険者たちを演じるRPGの古典。

 1981年にアメリカのSir-Tech Software(現:SirTech Entertainment)から発売され,数多くのフォロワーを生み出した同作のフル3Dリメイク版「Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord」PC / PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Switch)が,2024年5月23日に正式リリースされた。これは初代Apple II版の内容はそのままに,グラフィックスや操作性を改良したタイトルとなる。


 古参ゲーマーにはおなじみのウィザードリィだが,そのプリミティブな面白さは,果たして現代でも通用するものだろうか。本稿は,その魅力について改めて検証すべく,同作を“現役小学生”にプレイしてもらい,感想を聞いてみようというものだ。そして用意したプレイ環境は今回のリメイク版ではなく,我々がよく知る“ファミコン版”である。さらにはガイド役として,レトロゲーム好きとして知られる声優・保志総一朗さんにも同席いただいている。
 いまどきの子供の目に,ファミコン版「ウィザードリィ」は果たしてどう映るのか。二人の駆け出し冒険者が協力して挑む「狂王の試練場」を,共に見守ってもらえたら幸いだ。

今回「狂王の試練場」に挑む,小学5年生のすばるくん。好きな教科は算数で,趣味はダンスとサッカーとのこと。ゲームは「Minecraft」や「ポケットモンスター」を遊ぶくらいで,あまり詳しくはないそうだ。ファミコンは,もちろん目にしたのも初めて
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ガイド役を引き受けてくれたベテラン声優の保志総一朗さん。「機動戦士ガンダムSEED」のキラ・ヤマト役,「ひぐらしのなく頃に」の前原圭一役などで知られる。YouTube番組「保志総一朗のレトロゲームサンデー」ではゲーム実況も行っている,筋金入りのレトロゲーマーでもある
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 ドリコムは本日,同社が商標権を保有するIP「Wizardry」の第1作のフル3Dリマスター版「Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord」を,Digital Eclipseが5月23日に正式リリースすると発表した。アーリーアクセス中のPC版に加えて,コンシューマ版も登場し,日本語を含む6か国語に対応している。

[2024/04/25 14:13]

「Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord」公式サイト



今日から始める迷宮探索。まずはキャラクター作成から


 ゲームを開始する前に,今回の趣旨を改めて説明しておこう。

 レトロゲームファンの保志さんだが,「ウィザードリィ」は意外にも初プレイだという。もちろん小学生のすばるくんも初プレイなので,共に初見で挑むことになる。
 目標は地下1階を探検し,地下2階へと続く階段を見つけること。プレイ経験のある読者なら簡単そうに思えるだろうが,今回は4時間の時間制限がある。加えて手探りの冒険を味わってもらうため,事前の説明は最低限に留めることにした。分からないことは,基本的にカセットに付属の説明書を見て解決してもらう方針だ。

懐かしのファミコンとゲームカセット,そして意味深な方眼紙……
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「どちらかといえば,僕はウルティマ派だったんです」と話していた保志さん。すばるくんも最初は緊張していたようだが,すぐに打ち解けた
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 では始めていこう。保志さんが黒地に竜の意匠が描かれたゲームカセットを手に取り,ファミコン本体に差し込むと,すぐにタイトル画面がテレビに映る。

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「起動,早いねえ」

 思わず保志さんがつぶやく。カセットならではの待ち時間のなさは,ファミコンならではのメリットだろう。一方,すばるくんは英文だけが並ぶタイトル画面に目を白黒させている。先の画面に進んでも,表示されるのはひらがなとカタカナだけだ。

「……文字しかないの?」
「そう。ビジュアルは自分で想像するしかないんだ」


起動の瞬間。たちまち画面にWizardry(ウィザードリィ)の文字が!
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「なになに……えーと,最初に訓練場でキャラクターを自分で作るのか!」

 「ウィザードリィ」は,テーブルトークRPGをコンピューターで再現することを目指して生まれたゲームだ。ゆえに,黎明期のRPGの多くは自らのキャラクターを創造するところから始まる。

 すばるくんはさっそく,新しいキャラクターを作成して「すばる」と命名。初めて遊ぶゲームに自分の名前を付けるのは,ファミコン世代にもなじみ深い光景だ。続いて種族を決定する。エルフにドワーフ,ノームといった異種族に最初は戸惑うも,保志さんのアドバイスもあってすぐにイメージできたようだ。とはいえ最初は分かりやすく,人間を選ぶことに。

画面上の説明は最小限なので,説明書が欠かせないのはファミコン時代ならではだ
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 次は性格だ。善・中立・悪の3パターンから選ぶのだが,さすがに保志さんは慣れたもの。

「善というのは,社会のルールを大事にする人。悪というのは,世間よりも自分の信念を優先する人で,中立というのは,どちらにも偏らない人といったところかな。どれにする?」

 すばるくん,ここは中立を選択。するとボーナス・ポイントは9点となり,これを「ちから」「ちえ」「しんこうしん」「せいめいりょく」「すばやさ」「うんのつよさ」の各特性値に振り割っていく。「ウィザードリィ」では,職業によって必要な特性値が決まっているので,この割り振りが,すなわち職業の選択につながる。

 二人はまず「せんし(戦士)」を作るべく,「ちから」を11まで上げ,ほかはバランスよく割ることに。いったん要領を飲み込んだら早いもの。すばるくんは,続くキャラクターに「なかまに」「なかまさん」……と,明快このうえないネーミング(笑)で,サクサクと仲間を生み出していった。

特性値の割り振っているところ。名前だけじゃなく,イチからキャラクターを作っていくのだ
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 ここで説明書とにらめっこをした保志さんが,戦士ばかりじゃなく,色々な職業を組み合わせていこうとアドバイスする。しかし……

「あれ,信仰心にポイントを割り振っているのに『そうりょ(僧侶)』が作れない……」
「……あ,分かった。性格が中立だからか。僧侶は善か悪じゃないとダメなんだ。盗賊は中立か悪なんだ」


 こうして,無事に6人のキャラクターが生み出された。

「じゃあいよいよダンジョンに……あれ,入れない」
「酒場でパーティを編成しなきゃダメみたい。そういえばドラクエ(III)もそうだったっけ。あ,酒場って分かるかい?」


 保志さんの問いかけに,頷くすばるくん。なんとなくのイメージはつかんでいるらしい。ギルガメッシュの酒場に移動し,作成したばかりのキャラクターをスカウトして,パーティを組み上げる。ところが,盗賊の「なかまよん」を選んだところ……。

「あれ? 残りが(選択肢から)消えちゃったよ?」

 そう。性格が善のキャラクターと悪のキャラクターは,「ウィザードリィ」では同じパーティに入れることができない。性格の不一致というやつだ。さすがにこれに気付くのには時間がかかりそうだったため,こちらからアドバイスを入れる。

「そんな罠があるの!?」

 こうして,すばるくんと保志さんは,またもや訓練場へ戻る羽目となった。


いざ迷宮へ!


 新たに中立の盗賊「なかまご」を作成し,見事にパーティを完成させた二人。キャラクターごとの初期所持金を使ってボルタック商店で買い物をするのも,とくに詰まらずサクサク進んでいく。戦士に「けん」と「くさりかたびら」,盗賊に「たんけん」と「かわのよろい」などを買い与え,冒険の準備は整った。

ボルタック商店でのショッピングは,実にスムーズに進んだ
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 いよいよ,町外れにある迷宮へと進むときだ。
 目的は迷宮の最奥――地下10階に潜む魔術師ワードナを倒し,狂王トレボーより奪われた魔除けを取り戻すことだが,もちろん一朝一夕で成し遂げられることではない。街と迷宮を行きつ戻りつ,少しずつキャラクターを成長させて,探索の幅を広げていくのだ。

「ENTERING PROVING GROUNDS OF THE MAD OVERLOAD」

 英文が出たあと,すぐに「キャンプ」画面が現れる。多少まごつきながらも装備を整え,主観視点で描画される迷宮の奥へと足を踏み出していく。

「これ,すぐに迷いそうなんだけど……」

 そんなことを話しながら,おっかなびっくり歩を進めていくと,最初に現れたのは,「ゆうこうてきなアンデッドコボルド」。どんなモンスターなのか,画面に絵は出てこない。

「“たたかう”か“たちさる”かを選べって……」
「正体が分からないから,とりあえず“たちさる”にしよう。あ,戦闘が回避できたね」


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 右も左も分からぬまま,次に遭遇したのは「スライム」4体。

「スライムは弱そうだから,ここは逃げずに戦おうか」
「“たたかう”コマンドを選べるのは,パーティで最初の3人までなんだね」
「あ,敵の名前が変わった。“バブリースライム”って出てる」
「これで不確定名から,敵の本当の名前が分かったって話なのかな」


 駆け出しの冒険者でもバブリースライムは楽に倒せる。すると,扉にぶつかった。

「“いてっ!”だって」
「Aボタンで開けないと先には進めないみたい」


 扉を開けると,目の前には「がいこつ」2体が。

「不気味だな……あ,こいつの正体がさっきのアンデッドコボルドなんだね」
「うわっ,“なかまに”がダメージを受けた」
「回復は……この“ディオス”って呪文かな」


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 戦闘のコツをつかんだと思いきや,次に出てきた「にんげんがたのいきもの」ことコボルド4体の集中攻撃を受け,あっけなく,ノームの僧侶「なかまさん」が死亡してしまった。もともとHPは7しかないので,数回攻撃が命中したらお陀仏なのだ。

「回復できるキャラがやられちゃったね」
「……これは街に戻るしかないなあ」


 幸い,帰り道では敵は出ず,すんなりリルガミンの街に帰還できた。

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新たなる冒険者


 街に戻ったパーティは,死んだ「なかまさん」を生き返らせるべく,カント寺院へ。しかし……。

「生き返らせるのに250GP!? 装備に使っちゃったから,そんな大金持ってないよ!」

 案の定,“ケチな背教者”呼ばわりされて寺院を追い出される。

「ひどいお寺だな〜」
「こういうときは,いちからキャラを作り直したほうが早いみたいだね」


 そう言って訓練場へ向かって新しい冒険者「なかまろく」を作ると,なんとボーナス・ポイントが19! いきなり上級職が作れる値で,さっそくビショップ(魔法使いと僧侶の呪文が使える,いわゆる賢者枠)にすることを選んだ。しかし1レベルのビショップは僧侶呪文が使えないので,「なかまなな」も作ってパーティを再編成する。

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 減ったヒットポイントを回復するには,冒険者の宿で休むのが早いが,いちばん安い簡易寝台でも,1週間で10GP(金貨)かかる。そのうえHPは1しか回復しない。

「これは“ディオス”で回復して,無料で止まれる馬小屋で呪文を補充するほうがいいね」

 迷宮の入口で回復し,馬小屋に戻るルーチンを何周かすると,パーティはほぼ全快となった。再び探検を開始する。オーク5体を倒したはいいが,アンデッドコボルド5体に不意を打たれ,今度は魔法使いの「なかまに」が死亡してしまう。

「あっ,魔法使いなのに前に出していたからやられちゃったのか」
「パーティの並び順はキャンプで変えられるみたいだ」


 今度の「なかまに」は経験値が溜まっている状態だったので,カント寺院で復活させてもらうことに。

「でも,この復活も失敗することがあるんだって」
「え〜っ,そんなのアリかよぉ!」


 ぼやきながら,また迷宮に入っていく。こうしてトライアンドエラーを繰り返しながら,少しずつ生き残る術を憶え,成長していくのだ。

カント寺院で生き返らせる料金は高額!
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やっぱりマッピングは大事


「どうも同じ場所をぐるぐる回っているような……。入口に戻ってきちゃった」
「そのために,こちらの方眼紙に地図を描いていくみたいだよ」
「えっ,手で描くの?」
「……そうみたいだね。ダンジョンは20×20マス,出発点は東に0,北に0の場所から始まる,と」


 これまではすばるくんがゲームを操作し,保志さんが説明書を読みながらアドバイスする体制だったが,ここでバトンタッチ。保志さんがゲームを操作し,すばるくんがマッピングを行う役割分担となった。「いち,に,さん,し……」と数を数えながら通路を歩いて,地形を地図に描き込んでいく。その眼差しは真剣そのものだ。

マッピング開始。「ウィザードリィ」は1人用のゲームだが,二人で協力するのもまた楽しい
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 苦戦していたアンデッドコボルドも,敵1グループを眠らせる呪文“カティノ”や,アンデッドにのみ有効な「のろいをとく」などのオプションを活用して倒せるようになってきた。戦闘後に見つけた宝箱を,盗賊が罠を探して解除する流れも,板に付いてきたところである。

「けっこう敵を倒したけど,強くならないの?」
「そろそろレベルアップしてもおかしくないけど……あ,宿に泊まらないとダメみたい。そういえば『マイト・アンド・マジック』も街に帰らないとダメだったっけ」


 すばるくんには分からない小ネタを挟みながら,何度目かに街へ戻ると……。

「おお,やっとレベルが2に上がったよ! でも『すばる』の『ちから』が下がったんだけど!」

 そういうこともある。とはいえHPが増えて新たな呪文も覚えたので,総体として確実に強くなっている。何より,ディオスで回復できる回数が増加したのは嬉しいところだ。

「でもレベルアップして弱くなるって,そんなのアリ?」

レベルアップの瞬間。おおかたの特性値は上がるが,なかには下がってしまうものも
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思わぬ仕掛け


 レベル2になるとスライム程度のモンスターには手こずらないので,少しずつ行動範囲を広げることにした。しばらく進んでいくと,見慣れない場所に辿り着いてしまった。しかも,マッピングしていたにもかかわらず,帰り道が分からない。

「地図と合わない……どうして?」

 考え込む二人。どうも,ワープゾーンを踏んでしまったようなので,助け船を出すことにする。何せ「ウィザードリィ」ではマッピングした地図と見比べない限り,ワープしたことにすら気づけない。そして扉が3つ並んだ今の地点は,地下1階の再重要ポイントでもあるのだから。

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「そんなー,何の音もしなかったのに……」
「とりあえず,向かっていちばん左の扉に入ってみよう」


 これは正解で,キーアイテムの「どうのかぎ」を入手できた。しかし,戦いを重ねたせいで呪文は尽きてしまっている。とにかく帰り道を探して彷徨っていると……。

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「まっくら!」

 ダークゾーンと呼ばれる領域に出た。こうなってはどの方角を向いているかも分からないので,壁にぶつかりながら当てずっぽうに進むしかない。敵も構わず出てくるが,なんとか対処しつつ,幸運にもゾーンを抜けられた。

「でも,ここからどうやって帰ればいいんだろう」
「このあたりの地形には見覚えがあるけど,こっちじゃないかな?」


 その道は帰路ではこそないものの,ある意味で正解だ。地下2階への階段を見つけたのである。怪我の功名で今回のミッションを達成してしまった!

地下2階への階段を発見!
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1階の“主”との死闘


 地下2階ではさらに強力な敵が出現する。足を踏み入れたら,間違いなく全滅する。そこで回れ右し,消去法で帰路を探り当て,無事に街で回復をすることになった。ひとまず目的は達成したが,まだ余力はある。そこでエキシビション・マッチとして,1階の“主”との対決に挑むことにする。
 3つ扉が並んだ場所に再び足を踏み入れ,今度は向かって右(北の扉)を開ける。そこには怪しげな描写が……。

「なんか色々書いてあるけど……“さがしますか?”だって」
「ここは“はい”だよね!」

テーブルトークRPGを彷彿とさせるテキストも,「Wizardry」の魅力だ
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「“ゆうこうてきなしょうたいふめいのそんざい(友好的な正体不明の存在)”だって」
「これがボスみたいだけど,逃げたらやり直しだから,戦おっか(笑)」


 こいつの正体はマーフィーズゴースト。駆け出しの冒険者が1度は“お世話になる”中ボス的な存在だ。倒すとけっこうな経験値が手に入るからである。殴り合ってみると,マーフィーズゴーストの攻撃で受けるダメージは,わずか2に過ぎない。これなら倒せそうだ。しかし,こちらの攻撃もなかなか当たらない! 5〜6ターンに1回当たれば,まだよいほうである。

「あ,やっと当たった。8ダメージを与えたって!」
「これならいけるかな……」


「しょうたいふめいのそんざい」は,シリーズの顔ともいうべきマーフィー先生。名前の由来は原作者の一人,ロバート・ウッドヘッド氏の学生時代の友人だとか
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 かくして50ターン経っても敵は倒れず,対して相手からのダメージはわずかであっても,少しずつ蓄積していく。回復手段も尽き,パーティの面々が,1人,また1人と倒れていく。100ターンを超える頃には後衛しか残っておらず,やがて最後に残った魔法使いもトドメを刺され……。

「ああ〜,全滅しちゃったー」
「こういうときは別のパーティを作って,死体を救助に行くんだって」


 しかし,ここで時間切れ。今回の冒険はいちおうの目標達成をみて,一先ずの中断とあいなった。

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日本語対応の3Dリメイク版は5月23日発売


 ファミコン版をプレイした後はドリコムの厚意により,発売前の3Dリメイク版を少しだけプレイさせてもらった。
 ハードの性能向上によって描き直されたグラフィックスは美しく,ファミコン版では文字表現から想像するしかなかった街の様子やダンジョンの細部,モンスターの動きなどが手に取るように分かる。ユーザーインタフェースも大幅に改良が施され,かなり遊びやすくなっているようだった。

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リメイク版のゲーム画面。迷宮内では,右下にApple II版の画面が同時表示されるのも面白い
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先ほど敗北したマーフィーズゴーストに,リメイク版で再挑戦するすばるくんと保志さん。ビジュアルは向上しても,ゲームの基本ルールは変わらない。ファミコン版とは構成が異なるテストプレイ用パーティを用いての挑戦だったが,やはり苦戦しているようだった
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 短いながらの冒険を終えた二人に,ファミコン版をプレイした率直な感想を聞いてみた。

保志さん:
 そうですね。名前は知っていたけどちゃんとやったことのなかった「ウィザードリィ」を体験して,RPGの基本を再確認した想いです。デジタルゲームなんだけど“アナログのにおい”みたいなものが,ちゃんと残っていて。もちろんファミコン版は古いものだから,色々と不親切なところもあって慣れるまでが大変でしたが,説明書を見ながら手探りで進めていくのも,また懐かしい。ただ,やっぱり今,時間がない社会人が遊ぶんだったら,細かな設計が親切な3Dリメイク版の方が遊びやすいでしょうね。

すばるくん:
 いつもは家族と一緒にゲームをしないから,二人で話し合って進めるのが楽しかった。メモを取りながらゲームをするのも初めてで……そこがよかった,です。あとはダークゾーンがびっくりした。こんなのもあるんだなって。

 ちなみにリメイク版の感想を聞いてみると……。

すばるくん:
 絵がすごく綺麗だけど,ちょっとしか触ってないから分かんない。(ファミコンを指さして)こっちは難しいけど,いろいろ想像できるのがよかった。

 とのこと。どうやら今どきの小学生にも,我々がかつて感じた灰と青春の日々の魅力は,しっかりと伝わるようである。

 思えば「ウィザードリィ」シリーズは,版権などの問題で初期タイトルに触れるのが難しい時期が続いていた。中古で遊ぼうにも値段がしばしば高騰しており,プレイ環境を再現するのも難しい。それがリメイク版の登場により,ぐんとハードルが下がるのはありがたい。
 さらにリメイク版では,ファミコン版よりも古いApple II版の画面も表示でき,オールドファンから小学生まで,幅広い層が楽しめるタイトルに仕上がっている。これまでシリーズに触れる機会がなかったという人も,この古くて新しい「ウィザードリィ」の世界に飛び込んでみてはいかがだろうか。

共に冒険した“仲間”として,ガッチリ握手を交わす二人
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【3Dリメイク版概要】

タイトル:「Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord」
配信日:2024年5月23日(木)00:00(JST)開始
※PC(Steam)のみ、日本語対応含む正式リリース版へのアップデートが5月24日(金)01:00(JST)となります。

ジャンル:RPG
対応プラットフォーム:
 Nintendo Switch
 PlayStation 4 / PlayStation 5
 Xbox One / Xbox Series X|S
 PC(Steam) ※2023年9月よりアーリーアクセスを開始。

価格:3980円(税込)
対応言語:英語、日本語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語



「Wizardry」関連タイトル紹介


「ブレイド&バスタード」


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 「ゴブリンスレイヤー」の蝸牛くも氏が執筆を手がけ,「オーバーロード」のso-bin氏がイラストを担当する,「Wizardry」の世界観をベースとしたダークファンタジー小説。最新第4巻「ブレイド&バスタード4 -迷宮街冒険奇譚-」は7月10日頃に発売予定だ。
 また無料Webコミックサイト「DREコミックス」では,楓月 誠氏(代表作に「Re:ゼロから始める異世界生活 第二章 屋敷の一週間編」)によるコミカライズも連載中。こちらのコミックス第3巻は,5月24日頃に発売予定となっている。

◆シリーズ紹介:https://drecom-media.jp/drenovels/series/blade
◆DREコミックス:https://drecom-media.jp/drecomics/series/blade
◆公式X(旧Twitter):https://x.com/BladeandBastard


「Eternal Crypt - Wizardry BC -」


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 「Eternal Crypt - Wizardry BC -」iOS / Android / PC)は,「Wizardry」のエッセンスを受け継いだ,戦略的なプレイスタイルとシンプルで手軽に遊べるクリッカーゲームを掛け合わせたブロックチェーンゲームだ。
 プレイヤーはギルドマスターとして,最大36体の冒険者と共に謎に包まれた神秘のダンジョン「ダドエルの穴」の深淵を目指す。ダンジョンから帰還すると,宝箱やBlood Crystal($BCトークン)を獲得でき,また冒険者(NFT)は職業/種族/性格の組み合わせによる,さまざまな特徴を持つ。

◆公式サイト:https://wiz-eternalcrypt.com
◆公式X(旧Twitter):https://x.com/WizardryBC


「Wizardry Variants Daphne」


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 開発中の「Wizardry」シリーズ完全新作「Wizardry Variants Daphne」iOS / Android / PC)。スマートフォン向けの3DダンジョンRPGで,プレイヤーはさまざまなクエストや謎解きをこなしながら,「奈落」と呼ばれるダンジョンの最奥を目指していく。現在は2023年10月に開催されたクローズドβテストのフィードバックを踏まえた,クオリティアップのためにブラッシュアップが行われている。
 マッピングはもちろんオートで,今回の取材中にテストバージョンをプレイした保志さんも,電車内などで手軽に遊べそうなところを評価していた。曰く「ここを入口に,ドップリとハマっていけそう」とのことだった。

◆公式サイト:https://wizardry.info/daphne/
◆公式X(旧Twitter):https://x.com/Wizardry_Daphne

「Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord」公式サイト

「Wizardry」シリーズポータルサイト

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集計:11月30日〜12月01日