［プレイレポ］NCSOFTの新作RPG「護縁」は，ポジティブな主人公・ユキと新たなプレイスタイルで再解釈したアクションRPGだ

　NCSOFTは2024年7月11日，同社の新作RPG「護縁（ごえん）」（PC / iOS / Android）の最新情報を発表した。2024年8月28日リリース予定の本作は，“ドラマティック縁バトルRPG”と銘打たれており，MMORPG「ブレイドアンドソウル」の3年前の世界を舞台に，主人公が家門再興を目指して多くの仲間と共に冒険を繰り広げていく。
　今回，一部を実際にプレイする機会を得たので，インプレッションを交えてその概要をお伝えする。

「護縁」公式サイト

レア度はあれどハズレなし

どの英雄にも活躍できるシーンが存在

　本作の主人公は，護縁門の最後の後継者であるユッシ・ユキ。しかしあるとき，とある人物によって道場が焼き払われ，護縁門は壊滅状態となってしまう。そこでユキは，護縁門の再興を果たすべく冒険に出るのだった……というのが冒頭の展開だ。
　「ブレイドアンドソウル」は重厚なストーリーが特徴の1つだったが，本作の主人公・ユキはポジティブでエネルギッシュな明るい性格が魅力となっており，ストーリーも彼女と仲間達との愉快な冒険を描いていく。


　上記のとおり，本作の舞台となるのは「ブレイドアンドソウル」の3年前の世界とあって，おなじみのキャラクターや地名などが本作にも登場する。
　本作の大きな特徴は2つあり，1つは多種多様な「英雄」の存在である。リリース時点で用意される英雄は60名以上となり，そのラインナップは美少女と美少年ばかりでなく，老若男女幅広く取りそろえられており，中には動物型のキャラクターも含まれている。もちろん「ブレイドアンドソウル」に登場したキャラクターも，本作の英雄として登場する。英雄はガチャのほか，後述する「友好度」によっても獲得できる。


　そうした英雄達には，それぞれレア度が設定されている。しかし本作のレア度は便宜上のものであり，低レア度の英雄であっても固有の特徴を駆使したり，ほかの英雄と組み合わせたりすることで大きな効果を発揮する。スタッフいわく，「最終的にはすべての英雄が欲しくなる」そうだ。


　もう1つの特徴は，デッキ構築要素である。後述するように本作のバトルは2種類あるのだが，いずれも5名の英雄で構成したデッキで攻略していく。その5名が持つ特徴をうまく組み合わせることにより，シナジーが生まれて有利にバトルを進められるようになるというわけだ。

ストーリーを進める「フィールド戦闘」と

育成に不可欠な「戦術戦闘」

　本作には，「フィールド戦闘」と「戦術戦闘」という2つのバトルが存在する。基本的にはフィールド上をリアルタイムで移動し，フィールド戦闘でシームレスに敵とのバトルを繰り広げることとなる。
　フィールド戦闘でプレイヤーが操作するキャラクターは，リーダーに設定した英雄1名で，デッキに入れた残りの4名はいわゆるスキル扱いとなる。したがってデッキは，スキル（武功）同士のシナジーや，敵の攻撃・防御手段や弱点などを踏まえたうえで適宜組み替えていったほうが有利になる。

敵のスキル発動前には攻撃範囲が示される，このスクリーンショットだと少々分かりにくいが，ダッシュなどで範囲外に移動すれば回避できる

　スキルを連続で使用すると「協力技」が使えるようになる。敵のスキルの中には，発動ゲージが溜まりきる前にこの協力技を使うと発動をキャンセルできるものがある。発動キャンセルに成功すれば，同時に大きなダメージを与えられるので，かなり有利にバトルを進められる。

協力技を発動させて敵のスキルをキャンセル

　そのほかフィールド戦闘には，敵のスキル詠唱をプレイヤーの攻撃でキャンセル（遮断）したり，敵の突進攻撃をうまく誘導してフィールド上の岩にぶつけスタンさせ，プレイヤーが一方的に攻撃できるようにしたりといったギミックが用意されている。

　また，強敵の範囲攻撃スキルはキャンセルできないこともある。その場合は，敵のスキル発動に合わせてダッシュを使えば受け流すことが可能だ。受け流しに成功すると，ダメージを軽減できるうえに，状態異常に対する抵抗を得られる。ただしダッシュは，2回使ってしまうとクールタイムが発生してしまうので，使用タイミングを見極めるのも重要となる。

「遮断不可」と表示されている敵のスキルはキャンセル不可能。発動のタイミングでダッシュすれば受け流せるが，このスクリーンショットではダッシュがクールタイム中で使えない

　戦術戦闘は，「心象修練」と名付けられたコンテンツでプレイできるほか，ストーリーを進行することで特定ボス戦でもプレイすることになる。ステージ形式で進行するこのコンテンツは，一般的なパーティ編成の要領で構築したデッキを用いたコマンドバトルで，用意された敵を倒していくと次のステージに進めるというもの。また戦術戦闘にも，フィールド戦闘と同じく協力技を活用する場面が登場する。

戦術戦闘では，デッキに組み込んだ英雄5名を行動順に操作していく。オートプレイも可能だ

ステージをクリアするにあたっての挑戦課題が設定されている

効果の異なる4つの「陣法」が用意されているので，いずれかを選ぶ

　心象修練の報酬には，英雄に経験値を付与するアイテムが含まれている。実は本作，このアイテムを使用することでしか英雄は経験値を獲得できない。フィールド戦闘では経験値を得られないので，効率よく進行するためには必然的にストーリーと心象修練を交互に進めていくこととなる。


　なおストーリー上でも，特定のボスバトルなどに戦術戦闘が採用されていることもあるという。またフィールド戦闘で戦ったボスがのちに心象修練に登場し，戦術戦闘で攻略できるような展開もあるそうだ。

「クロスプレイ」を使うと，心象修練をオートプレイしながら，フィールドでストーリーなどを進めることも可能。ただし，一部のコンテンツには対応していないとのこと

フィールドボスとのバトルやコンテンツ「ネームド」では，プレイヤー同士の協力プレイが可能となる

英雄のさまざまな面を掘り下げる

多彩なコンテンツにも注目

　本作には，ほかにもさまざまなコンテンツが用意されている。「図鑑」は獲得した英雄の性能などを確認できるものだが，最も重要なのは「連鎖効果」だ。
　連鎖効果はバトル中，ある英雄のスキルのあとに，特定の英雄のスキルを発動すると追加効果が発生するというもので，フィールド戦闘でも戦術戦闘でも有効となる。
　例えば主人公・ユキは，ほかの英雄が属性スキルを使ったあと，自身のスキルを発動すれば必ず追加効果が発生するので，かなり使い勝手がいい。こうした連鎖効果は，英雄を獲得していく中で特定の組み合わせを実現することで発動可能となるので，その意味でも多くの英雄を集めたくなるようになっている。


　また，英雄にはそれぞれストーリーがあり，その英雄を獲得すると確認でき，ストーリーを読むことで友好度が上がる。本作では各英雄の友好度が100になると，その英雄を再度獲得でき，同じ英雄を複数獲得することで「超越」（いわゆる限界突破）が可能となるので，ぜひストーリーを読んでおこう。


　英雄のステータス画面では，ほかの英雄とのつながりを示す「絆」を確認できる。いずれかの絆を選択すると，2人の英雄がどういった関係なのかが分かるようなストーリーが表示され，スキル威力増加などバトルにおける有利な効果が発動する。この絆は，1人の英雄につき最大2つまで選択可能だ。
　さらに，条件を満たすことで追加のストーリーを見られたり，追加効果を得られたりするとのこと。意外な英雄同士のつながりも設定されているので，本作のストーリーや英雄の背景を知るほど面白くなりそうなコンテンツと言える。


　いわゆるデイリーコンテンツとしては「依頼」がある。具体的な内容は，依頼人の指示に従って特定のエリアにいる特定の敵を倒すというシンプルなものだが，重要なのは報酬に英雄の友好度が含まれているところだ。
　依頼人にはそれぞれ属性が設定してあり，闇属性の依頼人からは闇属性の英雄の友好度をもらえる。つまり特定の属性の依頼を毎日しっかりこなしていれば，その属性の英雄を獲得できるというわけである。


　そのほか，装備の素材を集めるための「公開ダンジョン」や，各ステージのクリアタイムをランキング形式で競う「挑戦ダンジョン」，あらかじめ用意したデッキ同士で戦術戦闘を戦う非同期PvPコンテンツ，2 vs. 2または4 vs. 4でフィールド戦闘を戦う「比武対戦」など，本作にはさまざまなコンテンツが用意されている。

公開ダンジョン

　NCSOFTのMMORPGというと，PvPメインでギルド同士が日々ゲーム内の覇権を巡ってしのぎを削り，フィールドでは常にPKが行われるなどのイメージを持つ人もいるかもしれない。
　しかし本作はそうした要素をすべて排除し，ランキングという競争要素を持つコンテンツや非同期PvPこそあれど，プレイヤー同士は基本的に協力する関係となっている。
　また，キャラクターやストーリー，演出はコミカルなアニメ調で統一されており，取っ付きにくさは皆無と言っていい。これまでのNCSOFTタイトルよりも幅広い層にアピールできそうな本作，さらなる続報を待ちたい。

フォトモードも搭載されている

「護縁」公式サイト