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異世界釣りゲー×王道RPGな「Sea Fantasy」をプレイ。一見のどかなゲームだけど,いい意味でそれを裏切るやりごたえとストーリー性に驚かされた
本作は,名古屋のデベロッパであるメタスラが制作するファンタジー×釣りRPGだ。2022年12月の設立からこれまで,主にモバイル向けのゲームを制作してきた同社にとって,初めて本格的に挑むPC向けゲームとなる。
懐かしい雰囲気のピクセルアートが特徴的なゲーム世界はオープンワールドとなっており,船で海上を移動してさまざまな島をめぐり,釣りをしたり探索をしたりしてゲームが進んでいく。
メインの要素である釣りは,魚影を見つけたらそれをマーカーで狙って竿を振り,ヒットしたら表示されるゲージをタイミングよく押してシーアズ(この世界の海洋生物)の体力を減らして釣り上げるという仕組みだ。タイミングよくボタンを押せず失敗したり,モタモタしてシーアズの攻撃を受けたりして体力を削られてしまう。
ゲームはのどかな始まり方を見せるのだが,実はけっこう王道なRPGの作りになっているのが印象的だ。
釣り自体がRPGのバトルっぽいところはもちろん,シーアズをたくさん釣るとレベルがアップし,経験値の振り分け方次第でHPや釣り上げるときの力(いうなれば与ダメージ)などを好きにあげられるなど,釣りがRPGの各要素にうまく落とし込まれていて面白い。
またストーリーもしっかりあり,ほんの序盤しか体験できていないが,チュートリアルも込みなストーリーの導入もまたRPGだなあという感じだった。試遊に立ち会ってくれた代表取締役(兼プログラマー)の中島克征氏と取締役(兼プログラマー)飯島悠汰氏によると,物語は「世界の滅亡が迫る!」的な,なかなかに重厚な展開が待っているとのこと。
筆者はのんきに釣りをしていたところ,試遊の制限時間の20分を迎えてしまったのだが,これまた両氏によると「この次の島に進んだら,物語がまた大きく動き出したんですよ」ということだった。
むむ,ちょっと悔しいな……と思っていると,今回のBitSummitの試遊版は配信中のSteamのデモと同内容で,それに制限時間が設定されたものとのこと。つまり自前のPCなら制限時間なしでその先も体験できるということだ。やったね。
といった感じで,ストーリー性のある釣りゲーで,かつゲージでタイミングよくボタンを押して魚を釣るゲームと聞いて,最初は「DREDGE」に近いイメージでいたが,けっこう王道な日本のRPGという雰囲気で驚かされた。なおメタスラは,ブースにいた2人+本イベントでは不在だったデザイナーの計3人という小規模開発スタジオとのこと。先に伝えた通り,中島氏と飯島氏はそれぞれ代表取締役/取締役“兼プログラマー”で,このあたりの独立系スタジオ感/DIY感ある肩書きは個人的にグッとくる。
ちょっと話が逸れてしまったが,ゲームの雰囲気的にPCはもちろんコンシューマ,とくにSwitchとは相性が良さそうで,ぜひそちらにも展開してほしいと感じた。
実際試遊した人からも「Switchで出してほしい」という声は多かったとか。元がモバイルゲーム開発でスタートした会社だけに,モバイル版の展開にも期待したくなる。カジュアルさは感じさせながらも,じっくり楽しめるゲーム体験が用意された本作の今後の展開にも注目だ。
「BitSummit Drift」公式サイト
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