［インタビュー］「フレッシュ＆ブラッド」の新商品「アーカイブパック」や，世界選手権の出場方法について，制作スタジオのCEOに聞いた

　ニュージーランドに拠点を置くLegend Story Studiosは，TCG（トレーディングカードゲーム）「フレッシュ＆ブラッド（Flesh and Blood）」の第13弾パック「霧隠の秘境（Part the Mistveil）」を5月31日に発売した。今回のパックでは日本人プレイヤーにとって待望の日本語版が登場し，同社の本格的な日本進出が始まった。


　これに先駆けて，先行体験イベント「ワールドプレミア：『霧隠の秘境（Part the Mistveil）』」（関連記事）が5月17日から19日にかけて東京のベルサール高田馬場で開催され，会期中には同社がQ3（7月〜9月）に発売予定の新商品に関するアナウンスも行われた。


　「プロツアー：ロサンゼルス」でのインタビュー（関連記事1，関連記事2）に続き，再び同社CEOのJames White氏にお話をうかがえたので，その内容をお伝えしよう。

アーカイブパックは日本のプレイヤーへのプレゼント。新ヒーローで使える約120種類の実戦的なカードを収録

4Gamer：
　またインタビューの機会をいただけて嬉しいです。早速ですが，先ほど発表された新商品「アーカイブパック」^※について教えてください。

※「ARCHIVE PACKS」として発表された商品。正式な日本語名は未定

James White氏：
　今回もよろしくお願いします。「霧隠の秘境」の日本語版を発売するにあたり，新ヒーローのベストなデッキを組むには，過去の英語版のカードも使わなければならないことが，日本のプレイヤーにとってネックになると考えました。それを解決するのがアーカイブパックです。

　これは日本限定の商品であり，日本のプレイヤーへのプレゼントとして制作しました。選りすぐりのカードを収録しており，世界のプレイヤーが羨むようなラインナップになっていると思います。

初の再録パック「ヒストリーパック1（英語版）」は2022年5月に発売された

4Gamer：
　既存の再録パックである「ヒストリーパック」との違いはなんですか。

James White氏：
　ヒストリーパックは400種類以上のカードで構成される巨大なセットで，正直なところアタリもハズレも入っています（笑）。

　一方，アーカイブパックの収録カード約120種類^※は，ほとんどが実戦的です。デッキ構築の選択肢を増やすカードを厳選しました。今のところ ，第13弾パック「霧隠の秘境」に対応した商品と，第14弾パック（Q3発売）に対応した商品の2つを展開予定です。

※正式な収録カード数は未定

4Gamer：
　最初のアーカイブパックは「霧隠の秘境」に対応しているんですね。つまり，ゼン，ヌゥ，エニグマのデッキに入りそうな過去のカードを収録しているということですか。

James White氏：
　その通りです。忍者，暗殺者，幻術士，汎用のカードが入っています。

4Gamer：
　また，発表会では構築済みデッキ「Armory Deck: Kayo」の日本語版も発売予定だと明かされました。ケイヨ（Kayo）以外のArmory Deckについても，日本語版を期待していいのでしょうか。

James White氏：
　はい。「霧隠の秘境」で日本語版が初登場という形にしたかったので，日本語版「Armory Deck: Kayo」の発売日はずれてしまいましたが，今後のArmory Deckは日本語版も同時に発売したいと考えています。

世界選手権より前に，1〜2回のバトルハーデンを日本で開催

4Gamer：
　前回のインタビューで，日本語版から始めたプレイヤーが世界選手権に出場できるルートを用意するという話がありましたが，その後の進捗はどうですか。

James White氏：
　まだ，正式な日程と場所は決まっていませんが，世界選手権より前に，1〜2回のバトルハーデンを日本で開催することにしました。各大会の上位2名は，世界選手権の出場にも使えるPTI（プロ大会の招待状，Professional Tournament Invitations）を獲得できます。

　また，7月5日から7日にかけて大阪の難波御堂筋ホールで日本選手権を行います。本戦の出場選手はもう決まっていますが，今年の日本選手権は日本語版の発売を記念したお祭りにしようと思っていて，多数のサイドイベントを開催する予定です。最終日には，PTIを獲得できるプロクエスト＋も実施するので，世界選手権の出場を狙っている人はぜひ足を運んでください。

4Gamer：
　つまり，以前に検討していた4つ目の方法はなくなり，日本の新規プレイヤーも世界選手権に出場するにはPTIを手に入れなければならないが，その分日本での大会が増えているということですね。

James White氏：
　その通りです。5〜10のPTIを世界選手権までに日本で配ります。

　ほかには，8月16日から18日にかけてフィリピンで開催する「コーリング：マニラ」など，PTIが手に入る海外大会への参加もおすすめです。

　また，本作のPTIはやや特殊な仕組みになっていて，ほかの人に贈ることや，個人間で売買することも認められています。

4Gamer：
　世界選手権の出場権をやり取りできるのは，かなり珍しいですね。

James White氏：
　本作の競技システムにおいて，トッププレイヤーは複数のPTIを手に入れることがあります。あなたは，それを一緒に旅行したい友人に贈ることもできますし，プロプレイヤーとして賞金で生活していくための足しにすることもできるのです。

4Gamer：
　なるほど。競技性が高く，強いプレイヤーが安定して勝ちやすい「フレッシュ＆ブラッド」ならではの仕組みですね。日本での競技コミュニティの盛り上がりにも期待したいです。

　本日はお忙しいところ，ありがとうございました。

James White氏：
　こちらこそ，ありがとうございました。

「フレッシュ＆ブラッド」公式サイト

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