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[プレイレポ]「The Rogue Prince of Persia」に大型アップデート「Second Act」が登場。日本語ローカライズなどが追加された最新バージョンのインプレッションをお届け
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印刷2024/11/22 07:00

プレイレポート

[プレイレポ]「The Rogue Prince of Persia」に大型アップデート「Second Act」が登場。日本語ローカライズなどが追加された最新バージョンのインプレッションをお届け

 ユービーアイソフトは2024年11月21日に,「The Rogue Prince of Persia」(ザ・ローグ:プリンス オブ ペルシャ)の大型アップデート「Second Act」(セカンドアクト)を実装する。待望の日本語ローカライズが行われるのに加え,さまざまな新機能が追加され,より遊びやすくなっている。

 本稿では,日本語が実装されたこのタイミングで,最新バージョンのインプレッションをお届けしていこう。

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スピーディなパルクールと,狡猾な脳みそでローグ(悪党)らしく戦え


 「The Rogue Prince of Persia」は2024年5月27日にSteamにてアーリーアクセスがスタートしたタイトルだ。本作は「Dead Cells」のMotion Twinからスピンアウトし,同作のDLCを作ってきたEvil Empireが開発を行っている。

 「Dead Cells」といえば,メトロイドヴァニアのようなマップに,プレイする度に展開が変わるローグライク要素が組み合わされた「ローグヴァニア」として高い評価を得た。
 それは本作も同様でランダム生成されるマップを探索し,ランダムで配される装備を手に入れてパワーアップしていく。

 主人公の「プリンス」は,敵であるフン族と戦ううちに何度もやられてしまう。しかし彼が持つ魔法の首飾り「ボーラ」が力を発揮し,記憶を保ったまま時間を巻き戻して復活できる。プリンスは死と再生を繰り返しつつ,力を蓄えていく。

 アーリーアクセス開始からこれまでの半年間は,プレイヤーから「コンテンツが不足している」「プレイに変化が乏しい」といった意見が寄せられていたそうだ。こうした声に応えたのが,今回実装された大型アップデート「Second Act」だ。

旧バージョン(上)と「Second Act」(下)。旧バージョンでは紫をベースに彩度の高いアートワークだったが,「Second Act」では全体的に色調が変えられている。また「Second Act」では日本語が実装され,キャラクターのセリフがより分かりやすくなっている
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主人公「プリンス」は自分の力を証明するため焦る王子。故郷がフン族に侵略され,これを防ぐために立ち上がる
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 「Dead Cells」を手掛けたEvil Empireだけに,「The Rogue Prince of Persia」でも,思い通りの動きができる操作性の良さとなめらかなアニメーションが相まって,マップを駆け抜けるプレイを堪能できる。

 「Dead Cells」では,素早くバイオーム(ステージのようなもの)を突破すると,ゲームが有利になる仕組みがあった。迷宮を突っ走る様子は爽快だったが,こうした「メトロイドヴァニアとスピード」というテーマに,本作では新たな解答が提示されている。
 それが一定時間壁を走る「ウォールラン」をはじめとしたパルクールと,「Second Act」の目玉ともなる新システム「ヴァーユの呼吸」だ。

 普通の横視点アクションだと画面奥に描写されている壁は単なる背景だが,プリンスはここを走れる。普通のジャンプで届かないような足場やツタであっても,ウォールランを行えばたどり着けるのだ。また,ボスの攻撃の中には一見避けられないようなものがあるが,この時もウォールランを行えば問題なく回避できる。

 つまり本作のステージは,背景の壁を攻略に用いるということだ。ルートが見つからないときも周囲を観察すればウォールランできそうな壁が見つかるので,普通のゲームとは少し違う頭の使い方を求められる。

ウォールランは一定時間壁を走れる。ウォールランが終われば壁をずり落ちるため,素早くジャンプしなければトラップの餌食だ
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 これを駆使すると,すいすいとバイオームを駆け抜けられる。それだけでも気持ちがいいのだが,ヴァーユの呼吸を理解すればさらに爽快感がアップする。

 ヴァーユの呼吸は,プリンスが一定時間スピードアップするというもの。パルクールアクションの際にボタン入力がタイミング良く行われているとゲージが溜まり,いっぱいになると発動する。

 ぶら下がったツタからジャンプしたり,敵の頭をダッシュボタンで飛び越える「ヴォルト」をしたりする際に,ポン,ポン,ポンとタイミング良くボタンを押すことで,早い走りがさらにスピードアップする。ちょっとしたレースゲームのようだ。

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 本作のバイオームには触れるとダメージになるトゲやノコギリといった障害物が多く,ヴァーユの呼吸を維持しつつ,ギリギリで駆け抜けていくのは難しいが気持ちいい。ツタを飛び渡り,障害物を避け,敵の頭を飛び渡っていると「もっとスピードアップを維持したい。もっと上達したい」という気分にさせられる。
 また,後述する「スキルツリー」の中には,ヴァーユの呼吸中に発動するものもあり,システムを理解することでバトルもさらに有利になるのだ。

 なお,先日Motion Twinが発表したローグライトアクション「Windblown」では,メトロイドヴァニアとスピードというテーマに,超高速の短距離テレポートという別の回答がなされている。興味のある人は遊び比べてみるのも面白いかもしれない。

 本作は探索アクションらしく,バイオームにランダムで配される武器や道具,敵を倒すと手に入る「メダリオン」でプリンスをパワーアップさせ,より強い敵に挑んでいくという流れだ。

 プリンスの武器は,素早い攻撃を得意とする「ダブルダガー」,スイングは遅いが威力は高い「タバール」,振り回して敵にぶつける「香炉」,鎖の先に刃物が付いた「チェーンダガー」などさまざまだ。通常攻撃と溜め攻撃のスペシャルアタックを使い分けて,敵にダメージを与えていこう。

 道具は補助的な装備で,遠距離攻撃できる「弓」,敵を引き寄せる「鉤爪」,ブーメランのように飛ぶがプリンス自身にもヒットする危険な「ソーブレード」など,こちらも個性的だ。
 なお「Second Act」では,プレイ開始時に武器と道具が置かれる「武器棚」が登場する。何が出てくるかはランダムで選ばれるため,毎回のプレイに変化を与えてくれるだろう。

武器の中でも変わり種が「香炉」。鎖の先に取り付けられた香炉を振り回し,コンボの最終段では相手に火を点ける
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新要素「武器棚」。プレイ開始時にランダムで武器と道具が出現する
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 そして,特殊なパッシブスキルを身に着けられるアイテムであるメダリオンは,敵を倒すとランダムで手に入る。
 アーリーアクセス開始時はインベントリにメダリオンを配する位置が重要な要素として盛り込まれていたが,10月に行われたリワークでこのシステムが廃止され,メダリオン自体の効果も分かりやすくなっている。

 例えば「粘着エネルギー」のメダリオンは道具を使うと地面に松ヤニをまく。ここに,ジャンプから急降下する「ダイブアタック」で火を放つ「発火ダイブ」のメダリオンなど炎系攻撃と組み合わせれば松ヤニが燃え,近づくものにダメージを与える炎の罠ができあがる。
 また,背後から攻撃するとクリティカルヒットになるダブルダガーと,クリティカルヒットで毒の雲を放つ「クリティカル毒撃」のメダリオンを持てば,敵の背を取る立ち回りで毒を与えてバトルが有利になる。さらに,ヴァーユの呼吸中にクリティカルヒットのダメージが上がる「刺突の加速」を追加できれば,さらにクリティカルに特化したビルドになる。
 シナジーを考える楽しさとランダム性が組み合わさったプレイを楽しめるのだ。

「メダリオン」を配置する順番でパワーアップを得られるシステムは廃止され,メダリオンを持てるスロットも最大12個に増加。新たなスロットを開けるにも,メダリオン自体をパワーアップするにも,メダリオンを犠牲にする必要があるため,取捨選択とストックが重要だ
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メダリオンでまいた松ヤニに,香炉で火を点けると燃え盛る
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 バトルではプリンスの技「キック」と,敵がまとう「保護オーラ」がアクセントとなっている。キックはダメージこそ与えないものの,敵を大きく吹っ飛ばす。前述したトゲやノコギリといった罠に叩き込んでやれば,敵を一発で倒せる。

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 そして保護オーラは独自の耐久力を持つ一種のバリアで,これをまとった敵は防御力が高く,キックも効かないので,前述した罠に蹴り込む戦法は使えない。
 HPを減らすにはまず保護オーラを破壊する必要があるが,保護オーラ自体も丈夫でなかなか壊れないのだからまともにやり合うと相当やっかいだ。保護オーラは別の敵をキックでぶつけてやれば,一発で破壊できるので,積極的に狙っていこう。

画面上部で青く輝く敵は「保護オーラ」に守られている。キックでも吹き飛ばせないし,攻撃されても保護オーラの耐久力が尽きるまではHPも減らない。こんなヤツが頭上の安全地帯から槍を突き下ろしてくるのだから,本作の難度は高いと言える
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 つまり本作のバトルでは,周囲の環境やキックをどう活用するかで難度が大きく変わる。例えば,保護オーラの敵と通常の敵がいるとしよう。最初に保護オーラの敵と戦うと危険だが,通常の敵をうまくキックでぶつけてやれば,保護オーラが破れたうえに気絶している敵2体にまとめてとどめを刺すだけでいい。

 強い敵と戦う際も,直前に周囲を見回して罠を見つけて利用するなど,最適解を探す狡猾さがあれば,有利に戦闘を進められる。ちょっとパズル的というか,タイトルにもなっている「Rogue」(悪党)っぽくてカッコいい。

敵の頭上でジャンプする「ヴォルト」。飛び道具は避けられないため,ローリングのような万能の回避手段ではない
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 敵を倒していくと「魂の燃え殻」や「設計図」といったアイテムが手に入る。魂の燃え殻は新しい武器やメダリオンの製造からスキルポイントの獲得まで,あらゆるパワーアップに必要となる素材だ。
 魂の燃え殻は,バイオーム間の休憩ポイントで本拠地に送れるが,逆に言えばどんなにたくさん魂の燃え殻を手に入れても,途中で力尽きればロストするということ。いくらあっても足りない素材だけに,バイオームの途中でHPが激減した時は,これまで集めたものを失いたくない一心で緊張が高まる。

敵を倒すと,「ゴールド」(そのプレイでのみ有効な通貨)や「魂の燃え殻」(本拠地に送ってパワーアップに使う)といったアイテムが飛び出す
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魂の燃え殻は,バイオームの合間にある「魂の祭壇」で本拠地に送れる。魂の祭壇自体を破壊すれば,より多くの燃え殻が手に入るが,次のバイオームをクリアするまで本拠地には送れない。リスク&リターンが強調された要素だ
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 拠点で新武器を製造できるようになるのが設計図で,こちらは入手した時点で拠点に送られる。とにかく先へ進んで設計図さえ手に入れてしまえば,あとは魂の燃え殻を確保すればいい。

 そしてスキルツリーにスキルポイントを割り振っていけば,最大HPの増加や,ダイブアタックによる保護オーラの破壊,ヴァーユの呼吸で自分が保護オーラをまとえるといったパワーアップを行える。

 10月のアップデートで追加された「頭の本」システムにより,一定数の敵を撃破すると魂の燃え殻をもらえるようになった。頭の本はNPC「ニャムトゥル」を助け出すことで開放され,撃破カウントはプレイをまたいで加算される。
 これまではバイオームの途中でやられてしまうと,魂の燃え殻を持ち帰れないためなかなか強くなれなかったが,頭の本の追加により,ある程度ゲームを進めやすくなった。

「頭の本」システムは,一定数の敵を倒すと本拠地で魂の燃え殻をもらえる。もちろん本拠地なので,即座にパワーアップに使える
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魂の燃え殻を,スキルポイントに変換。スキルツリーに割り振れば,より強くなれる
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 パルクールとヴァーユの呼吸でスピーディにバイオームを駆け抜け,新しくなったメダリオンと武器棚システムが毎回のプレイに変化をもたらす。半年間積み重ねられたアップデートで,「The Rogue Prince of Persia」はより遊びやすくなったといえるだろう。

 本作の難度は高めで,回復手段が限られているのに加え,バイオームを進めると各種トラップの密度もアップするため,プレイ中は常に緊張感が漂う。プリンスがハイスピードで滑る斜面や気持ちよく駆け抜けた先にトゲがあり,移動速度とカメラの関係で確認もままならずに突っ込んでしまう……なんてケースも多い。

 現在はアーリーアクセス中で,正式リリースは2025年を予定しているとのこと。歯ごたえのあるメトロイドヴァニアをプレイしたい人,アクションゲームが好きな人には,オススメタイトルのなので,興味のある人はプレイしてみてほしい。

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