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[TGS 2019]移動不可,攻撃不可。対抗手段は敵を“いなす”ことただ1つ。シンプルなアイデアが光る「IBK」プレイレポート
主人公は,記憶を失った少女。周囲から次々と敵ロボットが襲いかかってくるが,彼女は移動や攻撃ができず,唯一の対抗手段は,迫ってくる敵や銃弾を“いなす”ことだけ。攻撃が来る方向へ体を向け,ヒットする少し手前でタイミング良くボタンを押すことで,ドリルで突進してくるロボットの軌道をそらし,銃弾やミサイルを跳ね返して反撃できる。攻撃を受けて,体力がすべて無くなるとゲームオーバー。操作もシステムも,実にシンプルだ。
うまくいなすことができると,「ストリートファイターIII」のブロッキングや「餓狼 MARK OF THE WOLVES」のジャストディフェンスを成功させたときのように,画面が一瞬停止するのが心地いい。
次々に迫り来るロボット共を連続していなすと,ビシッ,ビシッとテンポ良く画面が一時停止する中,突進をそらされたロボットが地面に激突して破片が飛び散り,ミサイルは噴煙の尾を引きながら発射した本人に戻って爆発を起こすので,達人気分に酔いしれることができる。
いなしが決まると少女の体力が少し回復するため,たとえミスしてもリカバリーを狙うことができる。集団の先頭をいなし損ねても,途中から持ち直せば回復効果で生き延びられることもあり,思わず熱くなってしまう。筆者は個人的にブロッキングやジャストディフェンスといった特殊防御が大好きなので,本作も気に入って出展バージョンのラストまで遊んでしまった。
「タイミング良くボタンを押すゲーム」というとリズムゲーム的なものが真っ先に思い浮かぶが,本作ではボタンの同時押しや長押しといった複雑な入力は必要なく,ひたすら少女の体の向きを変えて,ボタンを押すだけでいいのが嬉しい。
「IBK」を開発しているInvolveのメンバーは,普段は他社のゲームを受託開発しているが,プロジェクトの合間に協力し合って本作の開発を進めたという。気軽に楽しめる,シンプルなアイデアの作品という意味で,実にインディーズゲームらしい作品だ。今後のブラッシュアップと製品化にも期待したい。Involveのブース番号はホール9の「9-E42」。ブロッキングやジャストディフェンスという単語にビビッと来た人は,ぜひ遊んでみてほしい。
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