レビュー
「Minecraftを外出先へ持ち出せる腕輪」を使ってみた
Now Computing Gameband
Now ComputingによるG
Gamebandで何ができるのか?
腕輪にはレッドストーン(Redstone)風のステンレス製留め金があり,そこか,その反対側をつまんでひっぱると,USB 3.0
Sサイズを腕に巻いてみた。一般的な成人男性の腕だと,Sサイズでもかなりぶかぶかした感じ |
留め金側か,その反対側を引くことで,USB 3.0端子を露出させることができる |
USB 3.0接続できる対象はWindowsもしくはMac,Linuxがインストールされたコンピュータ(以下,便宜的にPCと表記)だ。PCは,GamebandをUSBフラッシュメモリとして認識するのだが,そこにはMinecraftのポータブル版がセットアップされているため,とくにインストール作業を行ったりすることなしに,接続した先のPCでMinecraftをプレイできる。
「それってただのUSBフラッシュメモリじゃないの?」と思った人もいるのではなかろうか。筆者も最初はそう思ったのだが,初回の利用時にGameband自体のユーザー登録を行うと,実際にMinecraftをプレイし終えてたときに,ちょっと違うことが起こった。「Gamebandのバックアップ」というウインドウが開き,インターネットを通じて,自動的にワールドのバックアップが始まった(ように見える)のだ。
進捗状況を示すバーが動き,終わると「バックアップ完了!」と出るだけで,本当にバックアップされているかを確認するすべはないのだが,バックアップ中にタスクマネージャから確認すると,ファイルの転送はかかっているので,確かに機能しているようである。
同社によると,ユーザーからの連絡があった場合,最後にバックアップしたデータを復旧用に用意してくれるそうだ。
「バックアップ機能以外」の代表例として挙げられるのは,容量8GBのフラッシュメモリに以下のとおり入っている,新しいゲームモードを追加するMODやマップ類だろうか。メジャーどころは1つもないので,正直,あまり魅力は感じないが,試してみるくらいは悪くないと思う。
- Gameband製「The Heist」(監視カメラやロボットに見つからないようにしながら進んでいくアドベンチャーMOD)
- SethBling製「The BuildingGame 1.8」(マルチの伝言ゲーム的なMOD?)
- SethBling製「15 Seconds 1.8」(アスレチック系MOD)
- SethBling製「PizzaSpleef 1.7」(ピザのような円形のフィールドで対戦するMOD)
- SethBling製「Blocls vs Zombies 1.7」(タワーディフェンス系MOD)
- SethBling製「Redstone Challenge 1.4」「Redstone Challenge 2 1.5」(レッドストーンを使ったパズルゲーム的MOD)
- Hypixel製「Herobrine's Mansion 1.7」(ファンタジー系アドベンチャーマップ)
- Hypixel製「Wrath of the Fallen 1.7」(ファンタジー系アドベンチャーマップ)
- Hypixel製「Zombie Apocalypse 1.7」(Left 4 Dead風ゾンビMOD)
- Dragnoz製「The Dash of Doom」(マップを駆け抜けるアスレチック系MOD)
- Dragnoz製「TRON Fire 1.7」(映画「TRON」風マップで,追ってくる炎から逃げるミニゲームMOD)
ドラッグで優先順位の変更,ゴミ箱アイコンで削除,[アニメーションを追加]ボタンを押せば標準以外のアニメーションをそれぞれ設定可能だ。
- アニメーション(1byte文字によるテキストもしくはもしくは20
× 7ドットの画像をスクロールさせるか,Gamebandの「Animations」フォルダにあるアニメーションgifファイル,もしくは20 × 7ドットの画像,あるいはPixelFurnace上のエディタで作成したアニメーションgifを利用できる) - 時刻(24時間もしくは12時間表示に対応)
- 日付(日/月 もしくは 月/日 表示に対応)
- ストレージ空き容量(GB表示)
時計のみを表示するようにしておいて,必要になったらボタンを押す,くらいなら有効かもしれないが,赤いボタンが固く,しっかり押し込む必要があるため,意外と使いづらい。最初は喜んで腕にはめていても,だんだん面倒になってきて,運ぶにしても鞄へ突っ込むことになるような気はしている。
通常の国内価格は機能からすると高すぎ。どうしても欲しいなら今回がチャンスか
Gamebandならではの特徴は,使い勝手のあまりよくない液晶パネルのみで,しかもMinecraft本体の利用権(26.95ドル)は別売りだ。これで,国内正規品の1万2960円(税込)というのは,価格にまったく見合っていない。米Amazon.comの48ドル(税込,単純計算で約5400円)で,やっと適正価格ではなかろうか。
……と締めようと思っていたところ,Amazon.co.jpから「2月27日に実施するセール『家電の日』に,Gamebandをセール価格で販売する」という連絡があった。本稿の掲載と同時に,Amazon.co.jpでは9980円で販売を開始するという。
正直,実現される機能を考えると,これでもまだかなり割高というのが1プレイヤーとしての意見だが,自分の作ったワールドを,外出先で見せびらかしたいとか,マイクラ仲間を増やすにあたって,自分の作ったワールドを使って布教したいとかいったニーズがあり,かつ,万が一のときにバックアップから書き戻せる安心感を得たいということであれば,納得できる人はいるかもしれない。
なお,販売数はSサイズLサイズとも30台(※合計60台)とのこと。通常価格より約23%安価なのは間違いないので,気になるなら購入を検討してみるのも悪くないだろう。
Gameband(Sサイズ)をAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)
Gameband(Lサイズ)をAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)
※Minecraftが起動しないときは
今回筆者は64bit版Windows 10・8.1・7搭載環境でGamebandを試したが,最初に試したWindows 8.1システムにおいて,Gamebandのメインメニューから「マインクラフトをプレイ」を選んだ後で,Minecraftのランチャーが起動に失敗し,「Unable to start the Minecraft Runtime Environment. This is most likeky caused by a corruption. Please try to reinstall Minecraft.」というエラーメッセージに出くわした。ひょっとすると,Gamebandを入手した読者も同じトラブルに遭うかもしれないので,解決策を書いておきたいと思う。
筆者は,一番最初に試した64bit版Windows 8.1環境で,GamebandからMinecraftを起動できない問題にいきなり遭遇した
さて,エラーの出た環境とそうでない環境を見比べてみると,Gameband本体側の「minecraft\runtime\jre-x64」以下にある「1.8.0_25」フォルダが空になっていた。どうやら,初回起動時にJavaのランタイムをうまく導入できなかったことで,この問題が発生したようである。
問題の起こった環境では,1.8.0_25フォルダ以下が空になっていた
そこで筆者が試したのは「Minecraftが正常に動作しているPCから1.8.0_25フォルダの中身をGameband側にコピーする」という対策で,これにより問題を回避できた。おそらく,今後Javaランタイムのバージョンが上がったとしても,同じように対応できるのではなかろうか。もし同じ問題に直面したら,試してみてほしい。
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Minecraft
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