「東京ゲームショウ2019」は9月12日〜15日に開催。昨年の実績や今年のテーマなどが語られた発表会レポートを掲載

　コンピュータエンターテインメント協会（CESA）は本日（2019年2月21日），「東京ゲームショウ2019 開催発表会」を東京都内で開催した。東京ゲームショウ2019（以下，TGS 2019）は，CESAと日経BPの共催により，9月12日から15日までの4日間，千葉・幕張メッセにて行われる予定で，例年同様，前半の9月12日と13日は関係者のみ入場可能なビジネスデイ，一般向けの公開は後半の9月14日と15日となるとのことだ。

「東京ゲームショウ2019」公式サイト

　主催者を代表して登壇したCESA会長の早川英樹氏は，前年開催のTGS 2018が出展社数・来場者数・ネット動画視聴数において，過去最大規模を記録したことに言及。とくに来場者数は30万人に迫っており，TGS 2017より4万人増とのことである。
　この盛況について早川氏は，「ゲーム産業はまだまだ成長産業」であり，また「TGSがアジア最大のゲームイベントとして認知された」とコメントした。
　さらに早川氏は，幕張メッセがTGS 2019閉幕後より，2020年開催の東京オリンピックの準備に入ることに触れ，「ゲーム産業の熱気を，そのままオリンピックにバトンタッチしたい」と意気込みを見せていた。

CESA会長 早川英樹氏

日経BP　代表取締役社長 新実 傑氏

　続いて共催の日経BPから，代表取締役社長の新実 傑氏が登壇。過去最高規模となったTGS 2018に引き続き，「TGS 2019をアジアNo.1のゲームショーの地位を強固なものにしていきたい」と語った。それを実現するためのキーワードは「人間力」とのことで，具体的には関係者やユーザーとのつながりの強化，および拡散力の向上を指すという。

　関係者やユーザーとのつながりの強化では，ここ数年，海外からの出展社数が増加しているが，より誘致に注力していくという。具体的にはアジアの主要都市にて，TGS 2019の開催発表会を実施し，現地の政府機関や業界団体に出展することのメリットを伝えていくとのこと。さらに今年は，モスクワのゲームイベントにも初めて参加し，出展誘致を進めるそうだ。
　新実氏はこうした活動を通じ，主要メディアにプロモーションをかけることで，TGS 2019に対する現地の人々の認知・関心を高めていくと話していた。

　拡散力の強化については，動画配信に注力するとのこと。これは，会場となる幕張メッセのキャパシティには限度があり，今後継続して来場者数を増やすことは不可能だからである。
　TGS 2018では1200万を超える動画視聴者数を記録したが，TGS 2019でも国内外の動画メディアと連携し，来場できないユーザーや報道関係者に対して情報を提供していくという。また従来のライブ配信だけではなく，ニュース番組や短編動画などを配信していくそうだ。
　もちろん日経BPグループも，メディアとしてTGS 2019をサポートしていくとのこと。

　会場では，TGS 2018の開催結果報告もなされた。それによるとTGS 2018は，早川氏と新実氏が言及したとおり「過去最大規模での開催」が特徴だったそうだ。


　またTGS 2017よりスタートしたステージイベント「e-Sports X」などを通じ，eスポーツにさらなる注目が集まった。


　そしてインディーゲームコーナーは過去最大規模となったほか，会場ではSENSE OF WONDER NIGHT 2018で3つの賞を獲得した「RPGタイム！ 〜ライトの伝説〜」（iOS / Android）の作者が，2007年の日本ゲーム大賞 アマチュア部門の大賞受賞者だったことが紹介され，TGSが「人材育成の場」として機能していることがアピールされた。


　TGS 2018の来場者と出展社を対象としたアンケート結果（国内・海外）も公開された。とくに国内出展社に対するアンケートでは，65％が出展して「成果が上がった」と回答しており，68％がTGS 2019への出展意向を示したという。


　最後に，TGS 2019の開催概要が発表された。TGS 2019のテーマは「もっとつながる。もっと楽しい。」。このテーマには，テクノロジーの進化により「いつでも」「どこでも」「誰とでも」ゲームをプレイできるようになったこと，またネットワーク環境の向上により，ゲームプレイを動画で観たりeスポーツを観戦したりと，ゲームの楽しみ方が広がったこと，加えて2019年より次世代移動通信システム5Gが日本でスタートし，より世界が近くなり人と人との関係が密になることを踏まえたものだという。


　具体的にTGS 2019では，「動画配信のさらなる拡大」「eスポーツの成長を加速」「ゲームを面白くする新技術をクローズアップ」「世界のゲーム関係者が一堂に」という4つのポイントに注力するそうだ。

国内外の主要プラットフォームを網羅して，世界中に動画配信を行う。また日本・アジアが中心だったメディアパートナーを欧米にも拡充して，出展社の情報を国内外に拡散する

eスポーツの出展エリアを拡大し，ゲームPCや関連機器などのコーナーも設けるほか，ステージイベント「e-Sports X」をパワーアップ

AIや5G，ブロックチェーンといった，ゲームを変える可能性のある新しいテクノロジーを積極的にクローズアップしたセッションなどを行う

SENSE OF WONDER NIGHTのリニューアルなどを行い，世界から来場するゲーム開発者の交流を促す

　TGS 2019に関する続報は，今後順次公開される予定となっている。CESAや出展各社から発表される内容に注目していきたい。

連携イベントとなる日本ゲーム大賞2019とCEDEC 2019の開催も発表された

「東京ゲームショウ2019」公式サイト