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「BEMANI」の特別セミナーをesports 銀座 schoolが開催。クリエイターとプロ選手がそれぞれの視点でプロリーグへの思いを語った
セミナーには,コナミアミューズメントの音楽ゲーム「BEMANI」シリーズのクリエイターである,BEMANI Sound Team “猫叉Master”こと佐藤直之氏と,プロゲーマーのDOLCE.氏の2名が講師として登壇。長きにわたり音ゲーファンからの多くの支持を集める「BEMANI」シリーズについて,eスポーツプロリーグ「BEMANI PRO LEAGUE」(以下,BPL)を中心とした講義や質疑応答が行われた。
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クリエイターとプロ選手がそれぞれの立場からプロリーグへの思いを語った
最初のテーマは,BPLについて。佐藤氏は,競技性の構築や視聴者を意識した戦略などを中心に,エンターテイメントやショービジネスとしての展開や演出などを解説した。
DOLCE.氏は,自身がいちプレイヤーからプロになった経緯や,プロになってからの音楽ゲームとの向き合い方や考え方の変化などに触れながら,選手の視点から見たBPLを語った。プロとしての配信活動に関する考え方も話したDOLCE.氏は,参加者の前で「beatmania IIDX INFINITAS」のプレイを披露。見事なテクニックに会場からは大きな拍手が上がった。
佐藤直之氏 |
DOLCE.氏 |
佐藤氏はeスポーツ展開のほかに,楽曲制作の考え方やスタイル,実演を交えた配信用の動画制作工程なども解説。さらにクリエイターとして,ゲームに求められるサウンドの役割や,プレイヤーを感動させる音楽の演出についての考えを語った。
佐藤氏とDOLCE.氏の2人が事前に募集した質問に答える“スペシャルトーク&インタビュー”が行われ,ときに笑いに包まれる和やかな雰囲気の中セミナーは終了。参加者全員に,2人の直筆サイン入り修了証が配布された。
メディア向け合同インタビュー
本稿の最後にイベント終了後,メディア向けに佐藤氏とDOLCE.氏のインタビューが行われたので,お届けしよう。
――クリエイターとプレイヤー,それぞれの立場で今回のセミナーに登壇した感想を聞かせてください。
DOLCE.氏:
こういった場所で多くの人の前で話すのが初めてだったので,正直どこまで伝えられるかという不安はありました。
終わってみて,凄くいい経験をさせてもらったなと思いました。プレイヤーからプロになった自身の考え方を伝える場があまりなかったので,ありがたいですね。参加した皆さんにも伝わっていたら嬉しいです。
佐藤氏:
BPLがやろうとしていることや思いなどが多くの人に受け入れられ,多くの方に認知していただくきっかけになれば嬉しいです。
eスポーツは,まだまだ模索している最中のエンターテイメントだと捉えています。その中で我々がフラッグシップとしてさまざまな形で展開し,モデルケースを作りたいと思います。先を越されないようにしないと,という思いはあります。
――セミナーの中で,プロリーグの設立には,エンターテイメントとしてライトユーザーが楽しめるという点も意識されたという話がありました。そういった層に魅力を伝えるとしたらどのような点が挙げられますか。
DOLCE.氏:
音楽のクオリティが高い点ですね。それを紹介し,さらに対戦要素があってすごく盛り上がっているという,ゲームの面白さを知ってもらうのがいいのかなと思います。興味を持っていただけたら,先日行われた「BEMANI PRO LEAGUE ZERO」(2021年のプロリーグ本開催に向けたプレイベント。以下,BPL ZERO)を見てほしいですね。
佐藤氏:
BPL ZEROは手ごたえを感じつつも,まだまだ面白くできるところはたくさんあると思っています。大会のクオリティが高まることで,視聴者だけでなく「自分もプレイしてみよう,リーグに参加してみよう!」と思うきっかけになればと思います。
一方で,ターゲットを細分化したプロモーションも別に考えて行く必要があります。まずは,BPL ZEROの認知拡大をしつつ,次のBPLに向けて大会の精度も高めていきたいと思っています。
――時勢の影響もあり,試行錯誤のときが続いていると思います。オンラインでの大会実施などを行っていますが,この変化をどのように見ていますか。
DOLCE.氏:
今までは自分自身との勝負がメインでしたが,オンラインの同時プレイでスコアを競い合う「ARENAモード」が搭載されたり,プロリーグも始まったりと,対人戦にシフトしてきているなという感覚はあります。
佐藤氏:
20年以上の歴史がある「BEMANI」のゲーム性の根本的な部分は変わっていません。同じゲーム性を保ち続けながら,どのように楽しんでもらうかを意識しつつ,形を変えて進化させたり,幅が広がったりするようにアプローチしてます。
1つの戦略として,考え方や遊んでもらう方法を根本的に見直すのもありだと考えています。eスポーツは,遊び方の幅を広げる場所の提供という形につながるよう注力し,それはそれで進めつつ,どこかで新しい「BEMANI」を提案しなければならない,という意識は常にありますね。
――ゲームセンターやアミューズメント施設などにも影響は出ていると思います。今後どのように対応されていくのでしょうか。
佐藤氏:
我々が活動を縮小してしまうと市場の縮小になってしまうので,むしろここからどう巻き返すかという意気込みで取り組んでいます。
我々の使命は,お客様が足を運んでくれる商品を投入し,「遊んでみたい」と思ってもらえるよう,プロリーグやKACなど,その時の世の中の状況にマッチした手段でそれを届けることです。
シンプルですが難しいですよね。それに向き合って全力でやっていこうという気持ちです。
DOLCE.氏:
ソーシャルディスタンシングを保ちながら遊べるよう,お店の人たちがすごく頑張って工夫してくれていますよね。プロとして,その熱意をサポートしたい,盛り上げたいという思いがあります。
今は公式サイトでイベントを楽しめるコンテンツがあり,行けない時でもゲームを楽しめて,お店に行ったらさらに楽しめるといった導線ができています。そういった展開がもっと増えるといいなと思います。
――来年度,プロリーグが正式に開催されると思いますが,注目選手はいますか。
DOLCE.氏:
G★選手とANSA選手が熱いドラマを繰り広げていて,プロリーグが本格始動した際にはまた盛り上げてくれるのではないでしょうか。
プロ選手ではありませんが,注目しているプレイヤーはRIOOさんとFENNECさんです。キャラが立っていて,トークでも咄嗟の対応力があって面白いし,プレイヤーとしても一流なので,プロリーグに参加する姿を見てみたいですね。
佐藤氏:
私は運営サイドなので選手を推したりすることができず……。なので,全体的な印象を話させてもらいます。
今回のBPL ZEROでは“魅せるプレイシーン”がたくさんあって,確実に見どころになると感じました。またチームのブレーンとなった選手も話題になり,さまざまな能力を持った人たちが自分の力で活躍できるプロリーグになっていくのかなと思いました。そういった個性と能力を持った選手達で,どういうチーム構成をするのかが,結果的に勝敗を分ける要素になり,BPLが面白くなる大事な要素だと考えています。
(プロを目指す人には)「ただうまいだけじゃない」というところも重要であることを踏まえて,プロリーグに臨んでほしいと思います。プレイヤー比率として男性の方が多いですが,女性プレイヤーの活躍にも期待したいですね。
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