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サンリオやSMEは,いかにして「IPとファンをWeb3で繋ぐ」のか
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印刷2023/07/27 14:22

イベント

サンリオやSMEは,いかにして「IPとファンをWeb3で繋ぐ」のか

中山淳雄氏
画像集 No.003のサムネイル画像 / サンリオやSMEは,いかにして「IPとファンをWeb3で繋ぐ」のか
 「WebX」において行われたトークセッション「IPとファンをWeb3で繋ぐ」には,Re entertainment 代表取締役で”エンタメ社会学者”の中山淳雄氏をモデレーターとして,サンリオ 執行役員 デジタル事業開発部担当 浜崎皓介氏,ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下,SME)のバーチャルタレント育成&マネジメントプロジェクト「VEE」でプロデューサーを務める渡辺タスク氏、そしてGaudiy 代表取締役 石川裕也氏が登壇。コンテンツホルダーがWeb3を利用して,ファンとの関係値をいかに高めていくかが語られた。

画像集 No.001のサムネイル画像 / サンリオやSMEは,いかにして「IPとファンをWeb3で繋ぐ」のか

 今回の登壇者である石川氏のGaudiyは2018年創業で,Web3を利用したコミュニティサービスを展開しており,今回登壇したサンリオやSMEともWeb3を含めたプロジェクトで協業しているうえ出資も受けている。ただ,どちらかというとプロジェクトが先にあって,出資を受けた形であるそうだ。

浜崎皓介氏
画像集 No.004のサムネイル画像 / サンリオやSMEは,いかにして「IPとファンをWeb3で繋ぐ」のか
 サンリオがWeb3に関心を持ったきっかけについて浜崎氏は,過去に行ってきたハローキティとクリエイターとのコラボの事例を念頭に,今後さらにYouTuberやVTuberをはじめとした個人クリエイターとのコラボが重要になっていくだろうという考えから,Web3での展開を2021年から始めたと語る。そもそもサンリオが持つIPは,Web3やファンダムとの相性が良いだろう,というのが判断基準になったようだ。そしてそれを実感できたのは,2021年に実施したメタバース上のイベント、「サンリオ・バーチャル・フェス 2021」であったという。
 ただ一方,新たな取り組みをファンに押し付けるようなことはせず,「Web3とかウォレットとかブロックチェーンとかNFTとか言われても難しいが,コンテンツのエンターテイメントに触れているうちに,気付いたらウォレット持っている,NFTを持っている,となると面白いのではないか」といったところを,Gaudiyと一緒にサービスを考えたい,というスタンスだそうだ。
 なおそれは,いわゆるVRヘッドセットを利用したメタバースには限定しない形で考えているとのこと。

渡辺タスク氏
画像集 No.005のサムネイル画像 / サンリオやSMEは,いかにして「IPとファンをWeb3で繋ぐ」のか
 SMEは2022年にVTuber事務所「PRISM Project」と提携したが,その後,さらにVTuberを募集したところ,1万8000人近くの応募者があったという。そのうち30名ほどが所属という形になったそうだが,同社はそれまで”一人の歌姫”がその他大勢を養うような構図だった一方,VTuberに関しては「数を増やし,コミュニティを増やす」ことが重要であると語る。それこそ,オーディションで一人を選ぶより,複数人を新卒採用することで組織を作るイメージに近いとのことだ。
 そして何より,そこには男女の垣根も年齢による障壁もないのと同時に,VTuberになりたい人は「武道館に立ちたい」「東京ドームに立ちたい」という思いがあるわけではなく,VTuberの身体を持ってコミュニティに属したいという欲求を持つ人が多いというエピソードが語られた。
 ただ,アーティストにせよVTuberにせよ,「あなたの最初のファンですよ,その涙を拭き続けますよ」といった具合に,従来型のアーティストとマネージメントの手法について違いはないというそうだ。

 こうした,IPとファンとの間でWeb3で何が実現できるのかという問いに対して,石川氏はまず「Web3企業はいろんなエンタメ企業から出禁を食らっている」という実情を吐露しつつ,「金臭すぎるのがまずい」「アカデミックな話をしすぎ」と,反省点を語る。そのうえで石川氏は,Web3が広く受け入れられないのは「面白くないから」とコメント。そして今後,「体験価値に向き合ったもので世界に挑戦することを,Web3側とコンテンツクリエイター側でうまくすりあわせていくことが肝要である」との認識を示しつつ,「あくまでクリエイター,アーティストが先にいて,我々はそこにどんな価値を出せるか,ナラティブのお手伝いができるか」が重要であると語っていた。

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