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サンリオやSMEは,いかにして「IPとファンをWeb3で繋ぐ」のか
今回の登壇者である石川氏のGaudiyは2018年創業で,Web3を利用したコミュニティサービスを展開しており,今回登壇したサンリオやSMEともWeb3を含めたプロジェクトで協業しているうえ出資も受けている。ただ,どちらかというとプロジェクトが先にあって,出資を受けた形であるそうだ。
ただ一方,新たな取り組みをファンに押し付けるようなことはせず,「Web3とかウォレットとかブロックチェーンとかNFTとか言われても難しいが,コンテンツのエンターテイメントに触れているうちに,気付いたらウォレット持っている,NFTを持っている,となると面白いのではないか」といったところを,Gaudiyと一緒にサービスを考えたい,というスタンスだそうだ。
なおそれは,いわゆるVRヘッドセットを利用したメタバースには限定しない形で考えているとのこと。
そして何より,そこには男女の垣根も年齢による障壁もないのと同時に,VTuberになりたい人は「武道館に立ちたい」「東京ドームに立ちたい」という思いがあるわけではなく,VTuberの身体を持ってコミュニティに属したいという欲求を持つ人が多いというエピソードが語られた。
ただ,アーティストにせよVTuberにせよ,「あなたの最初のファンですよ,その涙を拭き続けますよ」といった具合に,従来型のアーティストとマネージメントの手法について違いはないというそうだ。
こうした,IPとファンとの間でWeb3で何が実現できるのかという問いに対して,石川氏はまず「Web3企業はいろんなエンタメ企業から出禁を食らっている」という実情を吐露しつつ,「金臭すぎるのがまずい」「アカデミックな話をしすぎ」と,反省点を語る。そのうえで石川氏は,Web3が広く受け入れられないのは「面白くないから」とコメント。そして今後,「体験価値に向き合ったもので世界に挑戦することを,Web3側とコンテンツクリエイター側でうまくすりあわせていくことが肝要である」との認識を示しつつ,「あくまでクリエイター,アーティストが先にいて,我々はそこにどんな価値を出せるか,ナラティブのお手伝いができるか」が重要であると語っていた。
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