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両手いっぱいに芋の花を

両手いっぱいに芋の花を
公式サイト
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000049983.html
発売元・開発元
発売日 2022/03/10
価格 1870円(税込)
ジャンル
レーティング
備考
その他
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このゲームの読者の評価
87
グラフ
読者レビューについて
 4Gamer読者レビューは,読者の皆さんがご自身の判断で書いたレビューを掲載するためのコーナーです。掲載前には編集部で主に公序良俗面のチェックを行っていますが,掲載されている情報について,4Gamer.netが正確さの保証を行うものではありません。掲載情報のご利用は,読者の皆様自身の判断と責任で行ってください。
 なお,ゲームの評価を表す「GamerScore」は,投稿されたレビューの平均点を表示したものではありません。投稿の傾向を分析・考慮し,補正を加えることで,有用と思われるスコアを目指した形となっております。詳しくは「こちら」をご参照ください。
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  • Pages: 1
  • 「ゲーム」におけるひとつの極み 90
    良い点
    ・戦闘システム
    世の中には様々なゲームが存在するが、それぞれのゲームにはベースとなる類型がある。たとえばポケモンのタイプ相性は、大元を辿ればじゃんけんにいきつく。「相手が何を出すか分からない(=推理する)三すくみ」はそれ自体が完成された構造で、そこにあれこれ追加の要素を足せばポケモンになる…という具合。
    チェス(駒の移動に一定のルールがあり、その移動を駆使して有利な状況を作る)から戦術シミュレーションが生まれるのも同様。

    前置きが長くなったが、このゲームの「敵の攻撃はすべて事前に分かり、見えない2手3手先も考慮して動く」「リトライ制限が事実上無い」というのは詰め将棋やパズルの類の持つゲーム性を煮詰めたものと言える。
    この部分を核として、そこを引き立たせるように育成要素・パーティ編成・ダンジョン探索で肉付けをした結果がこの作品、と言い換えることもできる。
    とにかく丁寧な構造になっていて、このタイプの面白さ・ゲーム性をストレスなく味わえるようになっている。

    BGMのチョイスも秀逸で、緊迫した局面(ボスを追い詰め、大技が構えられた時)で変わるアップテンポのBGMは本当に盛り上がる。
    悪い点
    特に無し。
    しいて言うなら非常に素晴らしい作品だけに、もっとボリュームが欲しいと感じてしまう。
    ただ、これはこのサイズなればこそ、この精度で完成できたのだろうとも思うので
    際限なく高いレベルを採用してこのバランスが保てる保証は無い以上、このわずかに物足りない分量も含めて良い部分と言うべきかもしれない。
    要は腹八分目ということだ。
    総評
    グラフィックはシンプルで、記号の組み合わせで描かれたに等しいデフォルメキャラだが、そもそもこの手の作品の元祖であるWizardry(ひいてはDnD)にはグラフィックの概念自体が無かったし、それでも内容が良かったが故に評価された。本作も同様。

    お手頃価格で、なおかつ極めて高レベルにまとまった「ゲーム」
    美麗なグラフィックの派手なアクションゲームが好きな人には不向きだが、この手のジャンルが好きな人であれば絶対に間違いないとまで言いうる、静かな名作。
    プレイ時間
    40〜60時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    3 5 5 5 3
  • コマンド(ストラテジ)RPGの一つの到達点 85
    • 投稿者:D-D-DOM(男性/20代)
    • 投稿日:2022/03/29
    良い点
    グラフィックから前時代的な印象を受けそうになるが、その実はかなり戦略性の高いRPG。
    基本のシステムは最大9人のメンバーの中から3人でパーティを組み、ダンジョン内のモンスターを倒しながら踏破を目指す、というシンプルなもの。最大メンバー9人に対してジョブも9種類であるため、基本的には1ジョブ1人として構成することになる。しかし一つ一つのジョブは得意武器やスキルが大きく異なるため、3人の組み合わせで上手くシナジーを生めるかが重要。本作では「回復アイテムを使う」というコマンドが存在しない(スキルの一種としてポーションを使用するものはあるが、精神力=MPを消費する)ため、攻撃力偏重でパーティを組むと非常にリスキーになるが、逆に防御に偏重すると火力が出せずジリ貧になる。
    またスキルの習得はスキルツリー制だが、ストーリークリア頃のレベル帯でもとても全スキルを最大まで上げることはできない。また持っている武器種によって使用できる・できないスキルも存在し、下手に全スキルをまんべんなく上げるとかえって器用貧乏になるため、ある程度運用のビジョンを定めて育成することが求められる。
    戦闘時のパラメータには体力(HP)・スタミナ・精神力(MP)の三つがあり、通常攻撃やスキル仕様、敵の攻撃をガードするとスタミナを消費する。スタミナが無くなるとほぼすべての行動がとれなくなるため、1ターンを消費して「構えなおし」をする必要があるが、「構えなおし」をしているターンは基本的に無防備になり、敵の攻撃をモロに受けることになる。スタミナを気にせず調子に乗ってガンガン攻撃やスキル使用をし、スタミナを使い果たして「構えなおし」中に敵の反撃を食らって全滅コース、というのがしばしばある負けパターンである(もちろんスキルをガンガン使って、敵から何かされる前に火力で押し切るというのも作戦の一つとして存在する)。
    悪い点
    ボリュームが少々物足りない。良い点で挙げた通り戦闘システムがかなりまとまっているため、ストーリーがもう少し長いか、あるいはエンドコンテンツ・2周目が存在していれば、戦闘システムがより長く楽しめて良かったかと思う。
    総評
    一見ふざけているようにも見えるタイトルとは裏腹に、非常に高水準でまとまった戦闘システムのコマンドRPG。
    タイトルの「芋の花」もプレイすれば分かるがふざけている訳ではなくストーリーに関係している。ストーリーは、幾度もの戦乱の後にようやく世に多少の平穏が訪れたものの、今度は作物の病気が大流行し飢餓の危険が高まっている現在。未だ世の中に流通されていないが、病気に対するブレークスルーになるとされる「芋」を手に入れるため、プレイヤーの調査隊はダンジョン深奥にあるのではないかと噂される幻の「芋の種子」を求めてダンジョンに潜ってゆく、というもの。

    悪い点で述べたボリューム不足を感じるところは多少あるが、システム的にはかなり完成されている。製品版にセーブデータを引き継げる体験版も配布されているため、興味のある方は是非プレイしてみて欲しい。
    プレイ時間
    20〜40時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    4 3 5 5 3
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